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Trademark Appeal Case

クエン酸の指定商品該当性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2001−30916(T2001−30916/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第 4172688号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲に示すとおりの構成よりなり、平成7年9月6日登録出願、第3類「せっけん類,香料類,化粧品,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,歯磨き,家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用漂白剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し布」を指定商品として、同10年7月31日に設定登録されたものである。

第2 請求人の主張

請求人は、「本件商標の指定商品中、化粧品,薫料,せつけん類についてこれを取り消す。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求めると申立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第6号証(枝番号を含む。)を提出している。

1 本件商標は、その登録に係る指定商品中「化粧品,薫料,せっけん類」について、商標権者である被請求人もしくは使用権者によって、少なくとも継続して過去3年以上にわたり使用されている事実を発見することができなかった。

また、甲第1号証の2として提出する登録原簿によれば、使用権の設定登録もされていないものであるから、商標法第50条第1項の規定によりその登録は取り消されるべきである。

2 本件商標を使用して販売されている本件商品(以下「使用商品」という。)は、クエン酸を30グラムに分けて包装したものである(甲第2号証の1及び2)。使用商品の包装箱及び包みには、「電気ポット」と「内容器洗浄用クエン酸」の文字が二段で横書きされていて、そのうち下段の「クエン酸」の文字が大きく書かれているので(甲第2号証の1及び2)、使用商品はクエン酸であることが、商品の包装から何人も理解できる。

商標法施行規則第6条の別表において、クエン酸は、国際分類第1類の「化学品」の中の「有機酸及びその塩類」に包含されている(甲第3号証)。したがって、使用商品は、第1類「化学品」に属する商品であって、第3類の「せつけん類」に属するものではない。

さらに、使用商品の包装(箱及び包み)には、「食品添加物」の文字が明記されている。食品添加物として使用される化学品は、第1類の「化学品」に属する(甲第4号証)。したがって、使用商品は国際分類第3類の「せっけん類」には該当しない。

3 クエン酸は食品添加物・試薬として薬局で販売されている化学品である(以下「化学品クエン酸」という)。使用商品は、クエン酸を30gに分けて包装されているものであるので、その品質は化学品クエン酸と全く同じである。

インターネットのホームページでは、化学品クエン酸をポットやコーヒーマシーンの清掃に用いている例がいくつか紹介されているので、薬局で市販されている化学品クエン酸が使用商品の代用品として消費者に購入され用いられていることが、明らかである。

被請求人のインターネットのホームページの「ク工ン酸での洗浄のしかた」において、「1.クエン酸約30g(大さじ2〜3杯)を内容器に入れる。」という記載がある。使用商品はクエン酸を30gに分包したものであるにも拘わらず、「大さじ2〜3杯」と、わざわざ計量の目安がホームページにおいて説明されているということから、薬局で市販されている化学品クエン酸を使用商品の代わりに用いることができることを、被請求人自身も認めているということができる。

上記の事実に基づけば、使用商品は、化学品クエン酸と同一の商品であることが明らかである。化学品クエン酸は第1類「化学品」に該当する。したがって、使用商品も第1類「化学品」に該当する商品であり、第3類「せっけん類」には該当しない。

第3 被請求人の答弁

請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第4号証(枝番号を含む。)を提出している。(なお、平成14年7月18日付け答弁書の乙第1号証は、重複するので乙第4号証として判断する。)

1 被請求人は、乙第1号証に示すタイガー魔法瓶の総合カタログに掲載しているように指定商品「せっけん類」に含まれる商品として、クエン酸洗浄剤を、1997年2月より今日まで継続的に発売している。2001年2月現在で発行されたタイガー魔法瓶の総合カタログの表紙には、本願指定商品が使用されており、ページ10の上部に、品番PKS−0120 400円のクエン酸洗浄剤が、単独商品として掲載されている。

また、2001年4月23日作成のタイガー魔法瓶の月別(売上本数)目標対実績比較表ページ74に、品番PKS−0120の実績が掲載され、1999年度には71074本、2000年度には81139本売られた実績がある。

また、2000年10月24日発行の大器株式会社向け売上伝票並びに2001年2月5日発行の大岡広株式会社向け売上伝票には、同品番PKS−0120が掲載され、売上げがなされた実績がある。

以上、本件商標は、商標法第50条第1項のいずれにも該当しないものである。

2 被請求人が販売している使用商品は、クエン酸を主成分とした洗浄剤であって、クエン酸そのものを販売しているものではない。すなわち、電気ポットのお湯に解けやすい粒度に加工したクエン酸を主成分としたものである。単なる工業用のクエン酸を販売しているものではない。

このことは、「せっけん類」に含まれる便器洗浄剤、ガラス洗浄剤は、化学品を主成分とした洗浄剤でつくられており、これら商品は「せっけん類」に分類されている。

また、商願平10−103463号は、「自動車・家庭用エアコンのフィルター洗浄剤およびその他のフィルター洗浄剤」を指定して、出願された類似群コード「04A01」で審査されている。本願も同様にクエン酸を主成分とした洗浄剤の商品である。

第4 当審の判断

1 乙第1号証ないし乙第4号証によれば、以下の事実が認められる。

(1)乙第1号証の総合カタログには、その10頁に電気ポットの写真、交換用活性炭カートリッジ及び仕様・機能一覧表とともに使用商品の写真が掲載されている。

そして、そこには、「内容器の汚れがひどいときは、クエン酸をお使いください。」「電気ポット内容器洗浄用クエン酸」「(約30gX4包入り)」「PKS−0120 400円」「クエン酸は、タイガー製品販売店で買い求めください。」との記載が認められる。

(2)乙第2号証によれば、使用商品の製品番号(PKS−0120)と符合する商品を含む月別の売上本数が記載され、販売されていることが認められる。

(3)乙第3号証の1は、売上伝票であり、製品コード欄に使用商品の製品番号と符合するPKS−0120と品名欄にデンキポットウチヨウキセンジョウ クエンサ及び数量、単価、金額の記載があり2000年10月24日に販売されていること。同じく乙第3号証の2も同様の記載があり2001年2月5日に販売されていることが認められる。

2 前記1の事実によれば、商標権者により本件商標は、本件審判請求の予告登録前3年以内に日本国内において、本件審判の請求に係る指定商品に含まれる「洗浄剤」について社会通念上同一と認められる商標を使用していたというべきである。

3 請求人は、本件商標を使用しているとする商品は「化学品」の範疇に含まれるものであると主張するので、この点について検討する。

ところで、商標法施行令の別表で定められた各商品区分に属する商品の範囲は、その商品の用途、流通経路、需要者層などの、その商品に関する取り引きの実情を総合的に検討して定められているとみるべきものであり、また、この別表に掲げられていない商品についても、この基準に即して決められるべきものである。

そして、上記で区分された、商品の区分第1類の「化学品」中の「有機酸及びその塩類」の中に「クエン酸」が、また、「化学剤」の中に「食物保存剤」が例示されていることは認め得るところである。

しかし当該商品が、化学品と認められるような取り引きがされている場合はともかく、当該商品が、例えば本件のように洗浄するために用いる洗浄剤として市場に提供され、需要者においても、同様の認識をもって購入にあたる商品については、当該取り引きの実情に照らせば、それは洗浄剤として商品取引がなされるものであるから、商品区分第3類に属する「せっけん類」中の「洗浄剤」に該当する商品と解するのが相当である。

そして、前記1によれば、被請求人は「電気ポット内容器洗浄用クエン酸」として、電気ポットの内容器の洗浄剤として広告宣伝しているし、「クエン酸は、タイガー製品販売店で買い求めください。」として、自社の販売する電気ポットの流通経路を通じて販売しているし、また、売上伝票の品名欄に「デンキポットウチヨウキセンジョウ クエンサ」と記載されており、これらを総合勘案すれば、被請求人の使用商品は、電気ポットの内容器を洗浄するための「洗浄剤」というべきものであって、これは、前記商標法施行令の別表で定められた商品区分第3類に属する「せっけん類」中の「洗浄剤」に属する商品であるということができるものであるから、請求人の主張は採用することができない。

4 してみれば、本件商標は、これと社会通念上同一と認められる態様で、本件審判の請求の登録前3年以内に、被請求人である商標権者によって本件取消請求に係る商品「せっけん類」に含まれる「洗浄剤」について使用されていたといい得るものである。

したがって、本件商標は、取消請求に係る指定商品について商標法第50条第1項の規定によっては取り消すことができないものである。

よって、結論のとおり、審決する。

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