結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2001−30116(T2001−30116/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第2705807号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおり「TA TA」の文字を書してなり、平成3年10月30日に登録出願、第25類「紙類、文房具類」を指定商品として、平成7年3月31日に設定登録、その後、平成14年6月18日に登録名義人の住所(居所)を「台湾 台北縣板橋市信義路163巷5號2樓」に変更する登録名義人の表示変更の登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
なお、本件商標の商標権者(被請求人)の名称については、「▲」と「▼」の間の文字を置き換えて表示する。
請求人は、「本件商標の登録は取り消す、審判費用は被請求人の負担とする」との審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を要旨次のように述べた。
(1)被請求人はいずれの指定商品についても過去3年以上にわたって我国において本件商標を使用していないから、商標法第50条の規定により本件商標の登録は取り消されるべきである。
(2)被請求人の答弁に対する弁駁
答弁書における被請求人の主張に理由のないことは、以下のとおり明らかであるから、本件商標は取消されるべきである。
(ア)世界文房具年鑑として「ISG」が「HELlOS INTERNATIONAL」より出版されていることについて争うものではないが、乙第1号証の225頁にある広告に掲載された商品は、(オ)で述べるとおり「文房具」であるとは認められない。
(イ)乙第1号証が2000年版であろうことは認められるが、これが平成12年1月1日から同年12月31日の1年間に頒布されたものとはいえない。このような事実を主張するのであれば、これを証明する客観的な証拠を提出しなければならない。そのような証拠が提出されない限り、被請求人が3(1)(イ)(b)において主張する事実は認められない。
(ウ)乙第2号証を見ると、「証明願」というタイトルがあり、代表者の記名及び印以外については、すべてタイプされており、これでは、被請求人と株式会社二チマとの間に何らかの関係があり、乙第2号証として用意した書面に記名捺印だけをしてもらったとしか考えられず、証拠能力が極めて低く、3(1)(イ)(b)において主張する事実を立証しているとはいえない。
また、乙第2号証中に「第三者に販売した」とあるが、そうであれば、この販売の事実を立証すべきであるにもかかわらず、乙第2号証のような形式的な証明書のみを提出するのは不自然と言わざるを得ない。
(エ)被請求人は、乙第1号証の225頁の広告主「TATA Office Products Inc.」は、本件商標権者の名称の英訳であり、同社の私書箱が本件商標権者の住所の英訳であることをその理由としているが、いずれの点についても、客観的な証明がなされているとは言えないのであるから、被請求人の主張は理由がないと言わざるを得ない。
(オ)乙第1号証の225頁の広告にある9種類の商品のうち、右下の「キーボックス」を除き、他の8種類の商品が紙に穴をあけるために使用する「パンチ」であり、この「パンチ」が事務用品であるという点については、請求人は、争うものではない。
しかしながら、「事務用品」というのはかなり広い概念であって、いわゆる事務用品に属する商品のすべてが、商標法における「文房具類」に属するものではない。例えば、「事務用電動式ホッチキス、事務用封かん機、文書裁断機、郵便料金計器」などは、「事務用品」の概念に含まれると考えられるが、旧第9類に属していた商品であり、旧第25類に属していた文房具類には含まれない。
したがって、上記8種類の商品が「パンチ」であり事務用品であるから「その他の文房具類」に属するとの被請求人の主張は、論理に飛躍があり、到底認めることができない。
上記8種類の商品を見る限り、かなり大きく、事務機器といわれるような商品ではないかと思われる。そうであれば、上記「パンチ」は、むしろ、上述した事務用電動式ホッチキス、事務用封かん機などと同様に、文房具類には属さない商品と認めるのが相当である。
被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1ないし第4号証を提出した。
(1)平成13年6月14日付け答弁書の要点
(ア)本件商標は、少なくとも本件審判の請求の登録(平成13年2月28日)前3年以内(平成10年2月28日)に、日本国内において、商標権者が、その請求に係る指定商品について、登録商標「TATA」の使用をしている。
(イ)使用の事実の証明
(a)フランスの「HELlOS INTERNATIONAL」によって、世界文房具年鑑として「ISG(InternationaI Stationery Guide)2000」(乙第1号証)が出版されている。その225頁には、本件商標「TATA」を付した商品「文房具」に関する広告が示されている(以下「ISG広告」という。)。
(b)乙第1号証は、「ISG 2000」との表題に示すとおり、西暦2000年版である。したがって、ISG広告は、少なくとも平成12年1月1日から同年12月31日の1年間(西暦2000年)に頒布されたものである。
(c)乙第1号証は、同期間中に日本国内で頒布されたものである。同号証が同期間中に日本国内で頒布された事実は、乙第1号証の日本国内の頒布元である株式会社ニチマによって証明されている(乙第2号証)。株式会社ニチマが乙第1号証の日本国内の頒布元になっているのは、同社が日本で唯一の「ISPA(lnternational stationery press association)」、すなわち「国際文具機関誌連盟」の会員であるからである(乙第1号証の「ISPA」の広告頁左最上段の「THE NICHIMA(文具と事務機)」参照)。
(d)ISG広告の広告主は、「TATA Office Products Inc.」である。これは、「川拿辨公設備股▲ふん▼有限公司」の英訳である。「TATA Office Products Inc.」の私書箱が「Panchiao City,Taipei,Taiwan,R.0.C.」であると記載されているが、これは本件商標権者の住所、すなわち「台湾台北縣板橋市」の英訳であることからも明らかである。
(e)ISG広告には9種類の商品が展示されているが、右下の「キーボックス」を除いて、他の8種類はすべて、紙に穴をあけるために使用する「パンチ」である。そしてこの「パンチ」は事務用品であり、本件商標の指定商品である、「紙類文房具類」の「文房具類」の「その他の文房具類」に属する商品である。
(ウ)したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定に該当せず、取り消されるべきものではない。
(2)平成14年6月10日付け答弁書の要点
(ア)頒布の時期について
請求人は「乙第1号証が2000年版であろうことは認められるが、だからといって平成12年1月1日から12月31日の1年間に頒布されたものとは言えない。」と主張する。
確かに年鑑類は、「〜年版」と称してその前年の秋頃から頒布する例は多く認められている。
しかし、「〜年版」と称する年鑑を、それよりも2年も3年も前の年に頒布するはずがなく、あるいは、それよりも数年遅れて頒布するはずもない。この審判で被請求人がなさなければならないことは、乙第1号証が平成10年(1998年)から平成13年(2001年)の間に頒布された状況を証明することである。そうであれば、乙第1号証が「2000年版」であることで十分にその目的を達しているものである。
(イ)頒布の証明について。
請求人は、乙第2号証に対して、用意した書面に記名、捺印がしてあるから「証拠能力が低い」と反論しているが、このような理論は意味不明である。
権利関係の錯綜するような複雑な背景ならばともかく、「第三者に配布した」という単純な事実の証明には、用意した書面であろうとなかろうと何等の影響もない。現実にも、「証明願」への記名、捺印を、多忙な責任者に、菓子折りひとつ程度でお願いするのであるから、書面の作成までの負担をかけることができるはずがなく、「乙第2号証のような形式的な証明書のみを提出するのは不自然」という請求人の主張は実情を無視した詭弁であって、乙第2号証以上の詳細な証拠が出せる方が不自然であり、乙第2号証程度の形式的な証明書しか提出できないことの方が自然である。
(ウ)社名の英訳について。
「川拿辨公設備股▲ふん▼有限公司」の英訳が「TATA」であるとする根拠が私書箱の住所の英訳だけでは客観的な証明とはいえないと請求人は主張するので、経済部国際貿易局発行の書類の写し(乙第3号証)を提出する。
これを乙第1号証の「TATA」の広告と比較すると、住所の一部が広告では「No.5‐1」と詳細に記載されている点を除けば、商号、住所、電話、FAXともにまったく同一であり、両者が同一人であることは明らかであり、乙第1号証に係る広告の広告主が、被請求人自身であることを証明することができたといえる。
なお、乙第3号証の「核發日期」が「84.6.−9」と記載されているが、これは西暦ではなく中華民国暦であり、西暦では1995年(平成7年)に該当する。
(エ)住所移転について
前記(ウ)のとおり、ISG広告は「川拿辨公設備股▲ふん▼有限公司」のものであるが、本件商標の商標権者の住所は「台北県板橋市中山路2段10巷17號之1」であり、乙第1及び第3号証に記載の住所とは異なる。
これは、単に、同人が住所を移転したためであり、登記簿上の住所を移転後のものと一致させるために、既に、「表示変更届」を提出した(乙第4号証)。
(オ)広告の商品が第25類に属する点について
請求人は、乙第1号証に記載の商品について、「商品を見る限りかなり大きく、事務機器といわれるような商品ではないかと思われる」として、文房具類には属さない商品であると主張している。
しかし、広告の上段、中段のパンチは、「Punch−bind Machine」と記載してあるが、下段の左と中央の写真では、数種類のパンチを「Punches」と記載して区別しており、それは、下段の左と中央の写真を見ても単にハンドルを押し下げるだけで穿孔する装置であり、第25類「紙類、文房具類」の「その他の文房具類」に属する商品であること明らかである。
(カ)以上のとおり、被請求人の商号商標である本件商標が不使用であるとして取り消されるいわれはなく、本件審判請求は理由がない。
(1)被請求人は、本件商標の使用を証するものとして、乙第1ないし第4号証を提出しているので、乙各号証を検討する。
(2)乙第1号証は、「ISG(the INTERNATIONAL STATIONERY GUIDE) 2000(the MILLENIUM EDITION)」なる書籍の写しであるところ、同乙号証の2葉目と4葉目には、「STATIONERY,OFFICE SUPPLIES,MACHINES AND FURNITURES」の文字、9種の商品の写真、「Please contact us now for more information on stationery,office supplies,machines and furnitures.」のメッセージ、さらには、「TA TA Office Products Inc,」の会社名、住所、電話番号、Fax番号、Eメールのアドレス等とともに、本件商標と同一である「TA TA」の商標が表示されており、これは、「TA TA」の商標を使用した写真の商品に関する広告と認められる。
(3)乙第1号証に係る書籍は、「ISG(the INTERNATIONAL STATIONERY GUIDE)」の2000年版、すなわち、平成12年の版であり、乙第2号証として、同書籍を「少なくとも平成12年1月1日から平成12年12月31日までの期間に、日本国内において、第三者に販売したことを証明」するとする株式会社ニチマの証明書が提出されていることを勘案すると、同書籍は、少なくとも、本件審判請求の登録前3年以内の時期である平成12年1月1日から平成12年12月31日までの期間に日本国内で販売されていたといえる。
なお、請求人は、代表者の記名及び印以外は全てタイプされている点を指摘して、「被請求人と株式会社二チマとの間に何らかの関係があり、乙第2号証として用意した書面に記名捺印だけをしてもらったとしか考えられず、証拠能力が極めて低い」旨主張する。しかし、被請求人と株式会社二チマとの間に何らかの関係があることをうかがわせる証拠の提出があるわけではなく、また、代表者の記名及び印以外が全てタイプされていることをもって、書面の証拠力を殊更に低くみなければならない格別の理由が存在するとも認められない。その他、該書面に、証拠力を低くみなければならないような不自然な点も見出し得ない。したがって、請求人の上記の如き主張を採用することはできない。
(4)乙第1号証に掲載の商品をみるに、写真にある9種の商品のうち、少なくとも、下段に「Punches 520 Sheets(32mm)At One Time」の文字及び「Punches 250 Sheets(15mm)At One Time」の文字が記載された2機種は、その写真をみる限り、請求人が例示する「事務用電動式ホッチキス、事務用封かん機、文書裁断機、郵便料金計器」などの種類とは異なり、複雑な機構を有しているわけではなく、単に手でレバーを押し下げて紙に穴をあける簡易なタイプの「穴あけ器(パンチ)」といえるものであり、この種の商品は、通常、文房具店で販売されているものであることをも勘案すると、本件商標の登録出願時に適用されていた商標法施行規則別表においては、第25類の「文房具類」の範ちゅうに含まれる商品とみるのが相当である。
(5)被請求人は、乙第3号証として、経済部国際貿易局発行の書類の写しを提出しているが、そこに記載の名義人の名称と住所は被請求人の名称と住所に一致(被請求人の住所については、平成14年6月18日をもって登録名義人の表示変更の登録がなされているところ、その変更後の住所と一致している。)しているから、乙第3号証は被請求人に係るものといえる。そして、乙第1号証に掲載されている英文の会社名、英文の住所、電話番号及びFax番号は、乙第3号証に掲載のものと一致しているといえるから、乙第1号証の広告は、被請求人による広告と認められる。
(6)以上のとおり、本件商標と同一の商標が被請求人(商標権者)によって指定商品中の「穴あけ器(パンチ)」の広告に付され、そして、該広告が掲載された乙第1号証に係る書籍が本件審判請求の登録前3年以内の時期である平成12年1月1日から平成12年12月31日までの間に日本国内で頒布されたのであるから、結局、本件商標は、商標権者によって、本件審判請求の登録前3年以内に、日本国内において、審判請求に係る指定商品中の「穴あけ器(パンチ)」について使用されていたということができる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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