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Trademark Appeal Case

称呼類似と商標変更使用

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年審判第30739号
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第1307335号商標の商標登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第1307335号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)に表示したとおり、「カーキムコ」と「CARKIMUKO」の文字とを二段に併記してなり、昭和48年8月17日に登録出願、第19類「台所用品、日用品」を指定商品として、昭和52年10月28日に設定登録、その後、昭和63年5月25日及び平成9年6月10日に商標権存続期間の更新登録がされ、現に有効に存続するものである。

2 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を概要以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第17号証(技番号を含む。)を提出した。

(1)請求の理由

本件商標の登録は、商標法第53条第1項の規定によって、取り消されるべきである。

本件商標は、「カーキムコ」の文字と「CARKIMUKO」の文字を二段に併記した構成よりなるものである。

しかしながら、本件商標は、その通常使用権者である日本キムコ株式会社(東京都荒川区南千住3−18−9)が別掲(2)と(3)に示すとおりの態様の類似商標に変更して使用している(甲第2号証及び甲第3号証)。

本件商標権者(被請求人)は、その使用について承知しておりながら注意することもなく、その使用を容認している。

被請求人は、本件商標を使用している日本キムコ株式会社(以下「日本キムコ」という。)の代表取締役である(甲第4号証)。

請求人が所有する商標第537250号「KIMCO/キムコ」に基づいて日本キムコに商標「CAR KIMUKO/力一キムコ」の使用を中止するよう平成9年11月4日付け書状をもって申し入れたところ、請求人が平成9年12月2日受領した書面により、日本キムコの使用は被請求人が所有する商標登録第1307335号に基づく登録商標の使用である旨回答してきた(甲第5号証)。

これらの事実によって、被請求人が日本キムコに本件商標を使用許諾し、その指示の下に日本キムコが、本件商標をこれに類似する商標「CARKIMUKO」に変更して使用しているものであることは明らかである。

ところで、日本キムコが本件商標に類似する商標を使用している商品が、本件商標の指定商品又はこれ類似する商品に該当するか否かについて検討する。

当該商品は、その容器の外箱の記載から、植物抽出物、非イオン系界面活性剤、安息香酸、プロピレングレコール、特殊アルコールなどを主成分とする脱臭剤をプラスチック製の容器に収納してなる自動車用の脱臭器であると思料される。

本件商標は、昭和34年改正施行の商標法に基づく登録であるところ、第19類「台所用品、日用品」を指定商品としているが、「脱臭器」は第19類の「日用品」のカテゴリーに属するものとされている。

また、昭和62年に更新登録された際、「商標の使用の事実を示す書類」として2種類のカタログが提出され、これら資料に基づいて、冷蔵庫用脱臭器(天然アミノ酸と特殊高分子を主剤としこれをプラスチック容器に収納したもの)及び自動車用脱臭器(天然植物(広葉植物その他)の抽出物を主剤としこれをプラスチック容器に収納したもの)に本件商標は使用されていることが証明されたものとして、その更新出願は受理されている。

請求人は、「KIMCO」と「キムコ」の文字とを二段に併記してなり、昭和33年8月19日登録出願、第1類「化学品、薬剤及び医療補助品」を指定商品として、昭和34年6月15日に設定登録がなされた登録第537250号商標(以下「引用商標」という。)を所有しており、これを冷蔵庫用などの脱臭剤に昭和33年から使用している(甲第14号証)。

この引用商標は、請求人の業務に係る脱臭剤を表示するものとして需要者間に周知されるに至っている。その事実は請求人が商標「KIMCO/キムコ」を使用して販売している脱臭剤の市場占有率は約40%であること(甲第14号証の2)によって立証されるほか、既に特許庁に係属した審判事件、異議事件において、特許庁において顕著な事実であるとして認定されていることからも立証される(甲第9号証及び甲第11号証)。

本件商標に類似する商標「CAR KIMUKO」を日本キムコが自動車用脱臭器及び取替え用脱臭剤に使用している事実について、甲第2号証及び甲第3号証として提出した写真に示される自動車用脱臭器及び取替え用脱臭剤は、平成10年4月24日、請求人の社員が埼玉県大宮市所在のドン・キホーテ大宮店(大宮市東大成町2−685)において購入したものである(甲第12号証)。

日本キムコが、自動車用脱臭器及び取替え用脱臭剤に使用している商標「CAR KIMUKO」は、本件商標に類似する商標であるが「CAR」と「KIMUKO」が分離されて2語からなる商標であると客観的に認識される。

そして、「CAR KIMUKO」が使用されている商品は、自動車用の脱臭器及び取替え用脱臭剤であるから、この商標に接する需要者は、「CAR」の語は、脱臭器及び取替え用脱臭剤が自動車用である、ことを意味するものと直感する。したがって、需要者は、「CAR KIMUKOは自動車用のKIMUKO」であると観念することは必定である。

「KIMUKO」は「キムコ」の称呼を生じ、請求人の引用商標と実質的に同一ないし極めて酷似する商標である。

したがって、「CAR KIMUKO」が、上記した自動車用脱臭器及び取替え用脱臭剤に使用されるときは、それら商品が請求人の商品であるか、又は請求人の許諾を得て製造販売しているかのごとく請求人と何らかの関係を有する者による商品であると、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。

本件商標権者(被請求人)は、日本キムコの代表取締役であり、請求人の日本キムコに対する警告に対し、自ら同社の代表者としての立場で回答してきている事実から、自ら、日本キムコをして上述のごとき使用をさせていたものと考えられる。

したがって、商標法第53条第1項のただし書には該当しない。

(2)被請求人の答弁に対する弁駁

(2)−1 弁駁第1

「CAR」と「KIMUKO」を分断使用することによって、その商品が「自動車用のKIMUKO」であると消費者に誤認させることが目論まれていることは容易に推認されるところであって、その表示方法は、「不正の目的をもって登録商標に類似する商標の使用」に該当するということができる。

したがって、被請求人の適正使用の答弁は理由がない。

日本キムコが、本件商標を使用している商品は、脱臭器と表示してあるが、実体は、第19類に属する「脱臭器」ではなく、プラスチック製容器に収納した「脱臭剤」であって、むしろ第1類に属する商品である。

被請求人は、日本キムコが本件商標のローマ字を「CAR」と「KIMUKO」の間に間隔を置いて使用している態様をデザイン上の観点からしたものであって、あくまで一連不可分であると主張している。

デザイン上の観点から「CAR」と「KIMUKO」の間に間隔を置いたということは、需要者に「CAR」と「KIMUKO」を分離して認識させようとの意図から、2つの語を分離したということである。この被請求人の主張は、需要者に誤認、混同させようとの意図の下に「CAR」と「KIMUKO」の間に間隔を置いたということを被請求人目身が自白しているものということができる。

「CAR」は自動車を意味する語として日常の日本語化している語であり、「KIMUKO」は請求人の著名な商標「KIMCO」と称呼同一であり、外観上も酷似してるから、「CAR KIMUKO」の商標が脱臭剤(被請求人は脱臭器と称しているが実体は脱臭剤である)に使用されるときは、需要者が「自動車用のKIMUKO」と認識、誤認し、混同するであろうことは明白である。

次に、片仮名書きの「カーキムコ」であるが、日本キムコの商品には、ローマ字の「CAR KIMUKO」と同一包装上に使用されているから、「カー」は「CAR」に対応して認識するであろうことは容易に理解できる。そうすると需要者は「カーキムコ」は「自動車用のキムコ」を意味するものと誤認し混同するおそれ大である。

したがって、片仮名の「カーキムコ」は「キムコ」に類似すると考えるのが相当である。

被請求人は、本件商標は自動車用脱臭器に使用するものであり、請求人の引用商標は冷蔵庫用の脱臭剤について使用するものであるが、両商品は販売経路、販売場所を異にするから混同は生じないと答弁している。

しかしながら、(イ)日本キムコの商品は、日用品に区分される脱臭器というよりは、化学品に区分される脱臭剤であること(ロ)日本キムコは、本件商標のローマ字を「CAR」と「KIMUKO」の間に間隔を置いて「CAR」と「KIMUKO」の2語と認識されるように使用していること(ハ)「CAR KIMUKO」は「KIMCO」に、「カーキムコ」は「キムコ」に類似すること(二)自動車用の脱臭剤(被請求人は脱臭器というが、実体は脱臭剤である)は、自動車用品店や自動車用品売場で販売されるとしても、その購入者は一般の消費者であって、冷蔵庫用の脱臭剤の消費者と同一であること、を総合的に判断すれば、日本キムコの商品が、請求人の商品であるか(請求人が自動車用の脱臭剤を売っているかのごとき誤認)又は請求人と何らかの関係ある者(例えばライセンシー)によって販売されている商品であるかのごとき商品の品質についての誤認、出所の混同を生じさせるおそれのあることは明らかである。

(2)−2 弁駁第2

甲第2号証及び甲第3号証の写真に示されている日本キムコの自動車用脱臭器及びその取り替え用脱臭剤は、請求人の日本における営業所の社員が本件審判請求の資料として社命によって平成10年4月24日ドン・キホーテ大宮店に出向き購入したものである(甲第16号証)。

写真に示されている商品の記号とドン・キホーテの領収書に示されている記号との相異は、購入時照合されていないので、どのような理由によるかは不明であるが、写真に示されている自認車用脱臭器及びその取り替え用脱臭剤は、ドン・キホーテ大宮店にて販売されていたものの中から平成10年4月24日に購入したものであることに相異はない。

被請求人は、その平成10年10月7日付け答弁書の理由(1)において、甲第2号証及び甲第3号証に示す自動車用脱臭器及びその取り替え用脱臭剤が、日本キムコの製造販売に係る商品であることを認めている(答弁書2頁10行ないし14行)。そして、この事実を平成11年3月26日付答弁書補充書(2頁最後行ないし3頁3行)において確認している。

被請求人は、更に乙第1号証、乙第2号証及び乙第3号証を提出し、甲第2号証に示された自動車用の脱臭器は、乙第2号証及び第3号証の写真に示される態様に、甲第3号証に示された取り替え用脱臭剤は乙第1号証の写真に示す態様に現在変更している旨を述べている(答弁補充書3頁3行ないし6行及び14行ないし16行)。

被請求人は、本件商標の使用の態様を変更したと主張するが、CAR KIMUKOのローマ字の字体に若干の変化は見られるが、全体として実質的変更はない。むしろ乙第2号証においてはCARを一語としてデザイン化し、同様にKIMUKOの語をデザイン化し、同時にKIMUKOの語のデザイン化によって一体感をもたせるよう構成し、これによってよりCARとKIMUKOを分離観察しうるように変更が加えられているものということができる。

被請求人は甲第2号証及び甲第3号証の写真に示される自動車用脱臭器及びその取り替え用脱臭剤の購入年月日について争っている。

しかしながら、被請求人は、これら自動車用脱臭器及びその取り替え用脱臭剤は日本キムコの商品であることを認めており、かつ、それら商品は本件商標の態様(デザイン)を変更して引き続き販売されていることを認めている。

したがって、甲第2号証及び甲第3号証の写真に示される自動車用脱臭器及びその取り替え用脱臭剤の購入の日自体は、これら商品が、日本キムコの商品である限り、本件審判請求の成立に影響することはない。

被請求人は、ヤシ殻活性炭が化学品ではないと主張するが、請求人が引用商標を使用している脱臭剤は、ヤシ殻を原料として製した活性炭を主原料とするものであって、大正10年商標法の商品区分第1類に属する商品である。

しかしながら、このこと自体本件審判の成立に直接の関係はない。

本件審判請求が成立するためには、本件商標の通常使用権者が、本件商標又はこれに類似する商標を指定商品に使用し、他人の業務に係る商品と混同(混同のおそれを含む)を生じさせたことが立証されれば足りる。

日本キムコによる本件商標の使用は、請求人の業務に係る商品と混同を生じるおそれのあるものである。

3 被請求人の主張

被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とするとの審決を求める、と答弁し、その理由及び請求人の弁駁に対する答弁を概要以下のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第11号証(技番号を含む。)を提出した。

(1)本件商標は、被請求人が所有することに相違はなく、また、日本キムコ(東京都足立区西綾瀬4丁目13番8号)は、本件商標権についての通常使用権者であることも認める。

さらに、日本キムコが、請求人が甲第2号証及び甲第3号証に示すように、本件商標を当該指定商品について使用している事実も認める。

また、請求人が、引用商標を所有している点についても争わない。

しかしながら、被請求人は、日本キムコが本件商標を使用するに当たり、請求人の引用商標に類似するように変更使用しているとの主張は到底容認できるものではない。

本件商標は、片仮名文字の「カーキムコ」とローマ文字の「CARKIMUKO」を二段書きに書してなるものである。

一方、甲第2号証に示す使用態様においては、脱臭器本体平面に斜めにローマ文字で「CARKIMUKO」と一連に記載している。

また、この脱臭器本体を収納する透明な収納箱の内側に脱臭器本体を包むように説明書き紙片が配されており、この説明書き紙片において包装箱平面側左上に位置するように片仮名文字で「カーキムコ」と表示してなる。そして、さらに、この説明書き紙片の包装箱裏面側位置にはローマ文字で「CARKIMUKO」と記載され、側面位置には片仮名文字で「カーキムコ」とそれぞれ記載している。

したがって、確かに甲第1号証公報とは異なり二段に並列に併記してなるものではなく、ローマ文字からなる「CARKIMUKO」と片仮名文字からなる「カーキムコ」をそれぞれ独立した形で表記してなる。

しかしながら、この程度の変更使用は、登録商標の使用として従来より認められていることは明らかである。

したがって、甲第2号証及び甲第3号証に示される片仮名文字の「カーキムコ」とローマ文字の「CARKIMUKO」をそれぞれ独立に表示することは、本件被請求人が所有する商標登録第1307335号に基づく登録商標の使用である。

日本キムコが使用する商品「脱臭器」は、請求人が所有する引用商標の指定商品とは全く非類似な商品である。

請求人は、日本キムコが使用する登録商標「CARKIMUKO/カーキムコ」の「CARKIMUKO」の部分のみを取り出し、さらに殊更「CAR」と「KIMUKO」とに分離し、「KIMUKO」の部分における使用が請求人の引用商標「KIMCO」と類似する旨主張している。

しかしながら、日本キムコにおける登録商標の使用においては、デザイン上の観点からの「CAR」と「KIMUKO」の間に多少の間隙はあるものの、請求人が指摘するような1文字分もの間隙を有するものではなく、あくまで一連不可分に読みとれる範囲のものである。さらに、この脱臭器本体を包む説明書き紙片には上述するように大きく片仮名文字で「カーキムコ」との記載が複数箇所にあることから、「カーキムコ」としてのみ称呼が生じるものである。

商標の使用により生じる称呼は、当該商品についての当該商標の使用態様全体を総合的に判断して、需要者、取引者がどのように称呼するかを検討すべきものであって、登録商標の一部を取り出して類否判断することは全く無意味である。

日本キムコが使用する登録商標の称呼「カーキムコ」と請求人の引用商標の称呼「キムコ」とは全体として全く異なった音感を生じせしめることから、両商標は、明らかに称呼上非類似の商標と言い得るものである。

日本キムコの登録商標の使用は、請求人の引用商標とは、全く非類似な商標の使用であって、さらに全く非類似な指定商品について使用するものであるから、全く出所の混同のおそれのないものである。

請求人は、引用商標を請求人の業務に係る脱臭剤を表示するものとして需要者間に広く周知されている旨主張するが、それはあくまで冷蔵庫用脱臭剤についての使用によるものであって、自動車用脱臭器についてのものではない。

請求人が甲第14号証の自己の製品総合カタログにおいて示すように、自動車用品の製造販売は一切行っておらず「KIMCO」の商標も用いていない。

一方、日本キムコが登録商標を使用する指定商品である脱臭器は、自動車用品店や自動車用品売場で販売されるものであり、請求人の冷蔵庫用脱臭剤の販売経路、小売り店や売場と明らかに相違するものである。

したがって、このような使用商品の相違に基づく商品の販売経路等の相違からも日本キムコと請求人との間において出所の混同が生じるおそれもないものである。

このことは、被請求人が本件商標の登録を受け、当該指定商品「脱臭器」について日本キムコ等により昭和56年に開始して以来、請求人の使用する引用商標との出所の混同によるトラブルや購入者自身からの苦情はこれまで一切なかったことからも明らかである。

この事実は、引用商標と本件商標との間において全く出所の混同が生じていない証左であって、日本キムコが登録商標(本件商標)を適正に使用してきた事実に基づくものである。

以上のように、日本キムコの登録商標(本件商標)の使用態様は、本件商標指定商品についての使用であって、請求人の引用商標との出所の混同が生じるような不正使用ではないと確信する。

(2)甲第12号証として示される領収書に記載された製品番号からすれば、ドン・キホーテ大宮店で購入した商品と甲第2号証及び第3号証に示す商品は明らかに相違する。

よって、請求人の甲第2号証及び甲第3号証は、平成10年4月24日付で上記ドン・キホーテ大宮店で購入したとする主張は成り立たない。

なお、被請求人は平成10年10月7日付の答弁書において、甲第2号証及び甲第3号証に示すように、本件商標を指定商品たる脱臭剤に使用している事実は認めた。しかし、これは過去における使用の事実を認めるものであって、現在の使用を認めるものでない。

現在においては甲第2号証に示される品番「CK−13B」はその製造を中止している。また、甲第3号証に示される品番「CK−20」については、乙第1号証に示すように、本件商標の当該指定商品に関する使用態様を変更して使用している。

また、被請求人が平成10年4月24日に購入したとされる品番「CK−24」及び「CK−13」の商品の現在の使用態様を乙第2号証及び乙第3号証として提出する。

これら乙第1号証ないし乙第3号証に示す使用態様から明らかなとおり、日本キムコは、本件商標を本件指定商品について適正に使用していることは明らかである。

次に、引用商標の指定商品は、「化学品、薬剤及び医療補助品」である。

一方、請求人が脱臭剤と称して商標「KIMCO/キムコ」を冠して販売する商品は、抗菌容器にヤシ殻活性炭を収納してなるものである。

ここでヤシ殻活性炭は、臭いの元となる分子を活性炭内に吸着させることにより若干の消臭効果を有するものであるが、何らの化学反応を生じさせるものではなく、化学品とは言いがたいものである。もちろんヤシ殻活性炭は薬剤でもなく医療補助品でもない。

平成10年10月7日付の答弁書においては、請求人が使用し周知にしている旨主張する冷蔵庫用脱臭剤については、脱臭剤との認識から化学品と勘違いしていたが、請求人の使用する商品を詳細に検討すれば、ヤシ殻活性炭が化学品でないことは明らかである。

したがって、請求人が引用商標を使用しているとしても、それは指定商品についての使用ではなく、引用商標の商標権に基づく使用とは言いがたいものである。すなわち、請求人こそが、引用商標を適正にその指定商品に使用していないものである。

これに対し、日本キムコの本件商標の使用態様は、乙第1号証ないし乙第3号証に示すように、被請求人の登録商標の指定商品についての使用であり、請求人の引用商標との出所の混同が生じるような不正使用ではないと確信する。

(3)請求人は、日本キムコが本件商標を使用する商品は、単にプラスチック容器に収納したゼリー状の脱臭剤を取り替え自在に収納できるようにしたのみであるから、全体として第1類に属するプラスチック容器入りの脱臭剤というべきであり、請求人の商品「脱臭剤」に類似する商品であると主張する。

しかしながら、この主張は、故意に本件商品の機能を無視した主張であって到底容認することができないものである。

日本キムコは、本件商標を適正にその指定商品である「脱臭器」について使用している。

「CAR」が自動車を意味する語であるからといって、本件商標と引用商標とが類似するとするのは早計である。

すなわち、過去の審査例においても商標中文頭において「CAR」を有する商標と、その後の構成が類似する商標とが権利者を異にして併存している例が種々存在する。

このような過去の登録例からすれば、本件商標と引用商標は非類似である。

4 当審の判断

(1)日本キムコが、本件商標の商標権の通常使用権者であること、請求人が甲第2号証及び甲第3号証に示す商品が、日本キムコの商品であることについては、当事者間に争いがない。

また、そのうち甲第2号証に示す商品(以下「本件商品」という。)は、プラスチック製容器と充填材となる脱臭材料とが相まって自動車内の脱臭の機能を果たしているものであって、本件商標の指定商品中の「日用品」に属する商品であり、本件商標の指定商品に含まれる商品であることは、本件審判事件についての平成11年9月14日付け審決を取り消した東京高等裁判所の判決(平成12年(行ケ)第47号平成12年6月29日判決言渡)において認定され、確定している事実である。

(2)甲第2号証によれば、本件商品の本体表面に「CAR KIMUKO」の文字が左上から右下に斜めに大きく表され、本件商品の包装箱の裏面上部にも「CAR KIMUKO」の文字が赤色で表されており、いずれも「CAR」と「KIMUKO」の文字の間は、半文字分ほど離れていることが認められる。なお、本件商品の本体表面に表されている「CAR KIMUKO」の文字は、包装を通して外から見えるものである。

また、本件商品の包装箱の表面の下部と本体表面の下部には、「AUTO CHEMICAL、BY KIMUKO」の文字が表されている。

そして、上記のように本件商品に表されている「CAR KIMUKO」の文字においては、「CAR」と「KIMUKO」の文字の間が、半文字分ほど離れているために、本件商標中の「CARKIMUKO」の文字と比較すると、「CAR」と「KIMUKO」の2語よりなることがより明らかになっているということができる。

さらに、請求人が冷蔵庫用脱臭剤について使用する「Kimco」「キムコ」の文字よりなる商標は、需要者の間に周知のもの(この点について、被請求人も明らかに争わないところである。)と認められるところ、上記のとおり本件商品の包装箱の表面の下部と本体表面の下部には、「AUTO CHEMICAL、BY KIMUKO」の文字が表されており、この文字より、「KIMUKOによる自動車用化学製品」との意味合いが容易に理解されるが、このように理解される「KIMUKO」の文字部分より生ずる「キムコ」の称呼は、請求人が冷蔵庫用脱臭剤について使用する上記の「Kimco」「キムコ」の文字よりなる商標と同一である。

そして、本件商品の包装箱の表面には、「脱臭の王様」、「高級車用 カーキムコ」、「バイオで脱臭 さわやか車内」の文字も表されているから、本件商品に接する取引者、需要者は、「Kimco」「キムコ」の商標により冷蔵庫用脱臭剤を製造販売する者が、自動車用の脱臭剤である本件商品を販売しているかのように、その商品の出所を誤認するおそれがある。また、そのおそれの程度は、本件商標そのものを使用した場合より、本件商品のように「CAR」と「KIMUKO」の文字の間を離し、「AUTO CHEMICAL、BY KIMUKO」の文字を伴なって使用することによって高まっているものということができる。

この点に関して、被請求人は、本件商品において、デザイン上の観点からの「CAR」と「KIMUKO」の間に多少の間隙はあるものの、あくまで一連不可分に読みとれる範囲のものであるとか、現在、本件商品の製造は中止しており、日本キムコは本件商標をその指定商品に適正に使用しているとか、請求人の冷蔵庫用脱臭剤に使用されているものは化学品ではなく、販売経路、売場も自動車用の脱臭剤と相違するとか主張するが、そうであるとしても、上記の認定は左右されない。

また、被請求人は、本件商標の登録を受け、「脱臭器」について日本キムコ等により昭和56年に使用を開始して以来、請求人の使用する引用商標との出所の混同によるトラブルや購入者からの苦情は一切なかった旨主張するが、取引者、需要者において、これらを請求人又はその子会社の業務に係る商品と思いこんでいたものとも考えられるものであり、出所の混同のおそれを否定する根拠とすることはできない。

(3)本件商品には、「カーキムコ」、「CAR KIMUKO」の文字が表示されており、これは、本件商標と同一に近い類似の商標ということができる。

(4)本件商品には、上記のとおり「CAR」と「KIMUKO」の文字の間を離して、2語からなることが明らかなように「CAR KIMUKO」と表示され、また、「AUTO CHEMICAL、BY KIMUKO」の文字を伴なって「KIMUKO」の文字が独立して認識される態様で使用されていることからすると、日本キムコは、このように使用することにより請求人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがあることを認識していたものと認められる。

(5)したがって、通常使用権者である日本キムコは、本件商標の指定商品中に含まれる本件商品について、本件商標と類似の商標を使用して他人の業務に係る商品と混同を生ずるものをしたものであり、本件商標の登録は、商標法第53条第1項の規定に基づき、取り消されるべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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