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Trademark Appeal Case

金融ビッグバンの識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2000−5801(T2000−5801/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「BIGBANG」の欧文字及び「ビッグバン」の片仮名文字を二段に横書きしてなり、第36類に属する願書記載のとおりの役務を指定して、平成10年8月29日に登録出願、その後、指定役務については、平成11年12月14日付け手続補正書により「契約型投資信託の受益証券の発行及び販売,リミテッド・パートナーシップに基づく投資ファンドへの出資の募集,匿名組合に基づく投資ファンドへの出資の募集」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、1986年に英国で行われた金融・証券制度の歴史的な改革を、「宇宙創成時の大爆発(ビッグバン)」になぞらえていう「BIGBANG」の文字と、その読みである「ビッグバン」の文字を二段に書してなるにすぎない構成からなるところ、我が国経済においても「日本版金融ビッグバン」として金融システム改革にとり組んでいる現状を鑑みれば、これをその指定役務に使用しても、需要者に、単に「金融ビッグバンに向けた金融サービス」程度の意味を認識させるに止まるというのが相当であり、何人かの業務に係る役務であることを認識することはできないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断して本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1)本願商標は、「BIGBANG」及び「ビッグバン」の文字よりなるところ、該文字は、「宇宙誕生の時の大爆発、1986年10月にロンドンシティを中心に行われた金融・証券制度の大改革」(旺文社発行カタカナ語・略語辞典を参照)を意味する語である。

ところで、日本においては、1996年11月、橋本首相により、2001年までに我が国金融市場がニューヨーク、ロンドン並の国際金融市場として復権する事を目標として、金融システムの改革、いわゆる日本版ビッグバン構想が発表された。そして、その金融システムの改革を「金融ビッグバン」、「日本版ビッグバン」あるいは、「ビッグバン」と称していることは、以下のインターネットのホームページ情報及び新聞記事情報により認めることができる。

(ア)97年6月13日は日本の金融史に残る一日になることは間違いないでしょう。この日,金融制度調査会、証券取引審議会、保険審議会が「日本版ビッグバン」の青写真を発表したからです。その内容は一言ではいえないほど幅広い分野に渡っていますが、要は2001年までに日本の金融市場を抜本的に見直して、ニューヨークやロンドンといった、世界の主要市場に負けない金融マーケットにしてしまおうと言う、それは野心的な取り組みなのです。金融市場の改革なんて我々庶民には関係ないや,と思うのは早計です。ビッグバンは公共料金の引き落としや生命、損害保険といった身近なお金の世界をも変えてしまいます。その気になれば、あなた自身が証券会社を起こしたり、ドルと円の両替商を営むことも、これまでより容易にできることになるのです。そこで、3審議会の報告書を元に、ビッグバンの世界を覗いてみることにしました。(http://www2.justnet.ne.jp/~hihi/BIGBAN.HTM )

(イ)日本版ビッグバンの手引─21 世紀のJA バンクを考えるために─ B5版74頁 定価600円(税込)日本農業新聞刊1996年11月に橋本首相は,規制でがんじがらめに縛られた日本の金融分野の自由化を一気に進めようと,日本版ビッグバン(金融制度の大改革)構想を打ち出しました。その後,日産生命,北海道拓殖銀行,山一証券など大型の金融機関の破綻が相次いだこともあり,新聞やテレビ,雑誌では,ビッグバンについて本質的な議論が忘れられ,ビッグバンでどこが生き残り,どこが潰れるのかといった金融業界の再編淘汰の話ばかりが取り上げられています。確かにビッグバン構想には,自由化を進める前提条件として,金融機関の不良債権処理を速やかに進めるという内容も盛り込まれており,これが97年秋以降の金融不安を招き,また大きくさせてしまったともいえます。ビッグバンは,このような痛みを伴いますが,21世紀の日本経済にとって不可欠な改革です。もちろん,金融機関にとってこれまでで最大の経営環境の変化であり,農協系統金融機関の経営にも重大な影響を及ぼす改革です。既に,98年4月からの外為法自由化で,ビッグバンはスタートしているわけですが,本書は,改めて,ビッグバンとはどういうものであるのかという点について理解していただければと,ビッグバンの基本的なことについて解説した手引書です。(http://www.nochuri.co.jp/tanko/jbigban.html)

(ウ)[今年のこころ]新春・書き初めインタビュー/4 金子昌資氏・・・<なぜ「改革」ですか> 欧米は非情なまでに合理性、資本の論理で動くが、(銀行融資による)間接金融が主体の日本は違う。義理人情が大切にされ、金を貸すか貸さないかが市場ではなく相対(あいたい)で決まる。市場主義とは相いれない環境で証券業をやるのは大変だ。そんな中、ビッグバン(金融制度改革)やグローバル化の波が押し寄せ、“箱庭”にいた我々は“(弱肉強食の)熱帯雨林”に放り出された。終身雇用、年功序列、義理人情では海外勢と競争できず、つぶされると思った。(2002.01.10 毎日新聞社 東京朝刊11頁)

(エ)すそ野拡大効果は未知数 逆風強い市場環境【解説】金融庁が六日発表した証券市場の改革促進プログラムは、個人投資家による市場への新たな資金流入の道筋を示した。・・・不安定な株価が長引くと、個人投資家の足がすくんでしまい、今回の施策も色あせしかねない。規制緩和による金融制度改革を促す「日本版ビッグバン」の総仕上げとなるペイオフ全面解禁が、一部見直しとなったことも市場活性化には逆風だ。預金保護の優遇措置が事実上維持されることになり、解禁に伴う市場への資金流入の期待が薄くなるからだ。金融庁が市場重視を掲げて久しいが、千数百兆円とされる個人資産の移動は思うように進んでいない。金融庁だけでなく、資産デフレへの対策や公的金融の在り方など、総合的な環境づくりも望まれそうだ。(2002.08.06 共同通信社)

(オ)[記者の目]米国流市場原理主義と日本=吉原宏樹(経済部)・・・市場の自由化・活性化を目的に「金融制度改革(日本版ビッグバン)」が打ち出されてから5年余。市場を通じた企業の新旧交代や規制緩和による構造改革が期待される一方、国民は保障を求めて「社会主義的な政策」にも期待する。市場原理主義やビッグバンの功罪を総括し、どんな市場や国を目指すのかを考える時だ。(2002.04.05 毎日新聞社 東京朝刊4頁)

(カ)サッチャー英元首相の立像 規則改正して議会ロビーへ設置【ロンドン7日=渡辺覚】完成したものの設置場所が決まっていなかったサッチャー英元首相(76)の立像=写真、AP=をめぐり、英議会下院は六日、「議員の像を死後五年以内に議会に設置することは禁止」とした従来の議会規則を見直し、「存命中でも、政権を離れて十二年経過すればOK」と大幅に規制緩和した。これを受けて、一九九〇年十一月に政権を去った「鉄の女」の大理石像は、早ければ今年末に議会ロビーに安住の地を得る。それまでの間、サッチャー像は、元首相自身が「ビッグバン」(金融制度改革)政策で立て直しに成功した金融街シティの行政当局へ貸し出され、旧ロンドン市庁舎で展示される見通しだ。(2002.02.08読売新聞社 東京朝刊9頁)

(キ)当時、総会屋事件で旧経営陣が退き、私が社長になり、改革の好機が出来た。改革はハッピーな時には出来ないものだ外資系企業の雇用、金融・製造業中心に100万人超過ジェトロ調べ・・・【欧米水準の半分】全雇用者数に占める外資の雇用比率は米国の5・4%やドイツの5・3%に比べ低いが、業種別に見ると90年代から金融ビッグバンを進めた「金融・保険業」が11・8%と高く、「製造業」も5・3%と欧米平均並みの水準を示した。ジェトロでは企業別の内訳を公表していないが、相次いで外資と提携した自動車業界では日産自動車、三菱自動車工業、マツダの3社だけで合計7万人近い単体従業員数を抱えるなど、世界的な業界再編の波が雇用面でも外資の重要性を高めているとみられる。(2002.10.23 日刊工業新聞22頁)

(ク)マルイチ産商、食品事業部創設40周年で記念式典開催、新たな10年に挑戦・・・記念講演で「わが国の流通構造と生き残る流通業、メーカーの条件」と題して講演した松岡氏は「消費マインドは株価と連動し景気を左右しているが改善は近い。・・・金融ビッグバンの中で市場から評価される利益体質になれるよう戦略を組み直す必要がある」と述べた。(2002.10.04 日本食糧新聞)

(ケ)東京都食品卸同業会が秋の合同懇話会を開催・・・内容は、(1)二〇〇二年度の流通業界の見通し(2)中期的な流通業のあるべき姿(3)金融ビッグバンと流通業界を骨子として、消費マインド回復の見通しやスーパーで競合軟化が始まり、誰がサプライチェーンの核になるか、零細小売業の一掃は物価高の要因、流通革命とは何だったのか、など説明し、問屋有用論を強調した。(2002.09.23 日本食糧新聞)

(コ)[インフォメーション]金融・経済講演会「これからの金融経済と私たちの暮らし」、金融・経済講演会「これからの金融経済と私たちの暮らし」10月18日(金)14時、大阪市中央区大手前1、大阪府立女性総合センター(ドーンセンター)。ペイオフ解禁や金融ビッグバンで求められる「自己責任」や、暮らしに欠かせない金融情報を日本総合研究所調査部長の高橋進さんが解説する。(2002.09.04 毎日新聞社 大阪朝刊13頁)

(2)以上によれば、「ビッグバン」は、金融・証券業界においては、上記のとおり、すでに一般的に使用がされるている語であって、「BIGBANG」及び「ビッグバン」の文字よりなる本願商標からは、「日本版金融制度大改革」の意味合いであることを、容易に理解し得るものであり、これに接する、取引者・需要者は、金融制度の大改革にちなんでこのように表示しているものと理解するに止まり、これを自他役務の識別標識としての商標として認識しないものというのが相当であるから、本願商標は、需要者が何人の業務に係る役務であるかを認識することができない商標といわなければならない。

(3)結 論

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するとした原査定は妥当なものであって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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