Trademark Appeal Case
記述的商標の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2000−4218(T2000−4218/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「シルクプロテインテックス」及び「SILK PROTEIN TEX」の文字を二段に併記してなり、第24類及び第25類に属する願書記載の商品を指定商品として、平成11年1月11日に登録出願されたものであるが、その後、指定商品については、平成11年11月30日付け手続補正書により、第24類「絹製又は絹から抽出したタンパク質を含有する繊維からなる織物(畳べり地を除く。),絹製又は絹から抽出したタンパク質を含有する繊維からなる畳べり地,絹製又は絹から抽出したタンパク質を含有する繊維からなるメリヤス生地,絹製又は絹から抽出したタンパク質を含有する繊維からなるフェルト及び不織布,オイルクロス,ゴム引防水布,ビニルクロス,ラバークロス,レザークロス,絹製又は絹から抽出したタンパク質を含有する繊維からなるろ過布,絹製又は絹から抽出したタンパク質を含有する繊維からなる布製身の回り品,絹製又は絹から抽出したタンパク質を含有する繊維からなる織物製テーブルナプキン,絹製又は絹から抽出したタンパク質を含有する繊維からなるふきん,絹製又は絹から抽出したタンパク質を含有する繊維からなるかや,絹製又は絹から抽出したタンパク質を含有する繊維からなる敷布,絹製又は絹から抽出したタンパク質を含有する繊維からなる布団,絹製又は絹から抽出したタンパク質を含有する繊維からなる布団カバー,絹製又は絹から抽出したタンパク質を含有する繊維からなる布団側,絹製又は絹から抽出したタンパク質を含有する繊維からなるまくらカバー,絹製又は絹から抽出したタンパク質を含有する繊維からなる毛布,絹製又は絹から抽出したタンパク質を含有する繊維からなる織物製いすカバー,絹製又は絹から抽出したタンパク質を含有する繊維からなる織物製壁掛け,絹製又は絹から抽出したタンパク質を含有する繊維からなる織物製ブラインド,絹製又は絹から抽出したタンパク質を含有する繊維からなるカーテン,絹製又は絹から抽出したタンパク質を含有する繊維からなるテーブル掛け,絹製又は絹から抽出したタンパク質を含有する繊維からなるどん帳,絹製又は絹から抽出したタンパク質を含有する繊維からなるシャワーカーテン,絹製又は絹から抽出したタンパク質を含有する繊維からなる織物製トイレットシートカバー,絹製又は絹から抽出したタンパク質を含有する繊維からなる遺体覆い,絹製又は絹から抽出したタンパク質を含有する繊維からなる経かたびら,絹製又は絹から抽出したタンパク質を含有する繊維からなる黒白幕,絹製又は絹から抽出したタンパク質を含有する繊維からなる紅白幕,絹製又は絹から抽出したタンパク質を含有する繊維からなる布製ラベル,絹製又は絹から抽出したタンパク質を含有する繊維からなるビリヤードクロス,絹製又は絹から抽出したタンパク質を含有する繊維からなるのぼり及び旗(紙製のものを除く。)」及び第25類「絹製又は絹から抽出したタンパク質を含有する繊維からなる洋服,絹製又は絹から抽出したタンパク質を含有する繊維からなるコート,絹製又は絹から抽出したタンパク質を含有する繊維からなるセーター類,絹製又は絹から抽出したタンパク質を含有する繊維からなるワイシャツ類,絹製又は絹から抽出したタンパク質を含有する繊維からなる寝巻き類,絹製又は絹から抽出したタンパク質を含有する繊維からなる下着,絹製又は絹から抽出したタンパク質を含有する繊維からなる水泳着,絹製又は絹から抽出したタンパク質を含有する繊維からなる水泳帽,絹製又は絹から抽出したタンパク質を含有する繊維からなる和服,絹製又は絹から抽出したタンパク質を含有する繊維からなるエプロン,絹製又は絹から抽出したタンパク質を含有する繊維からなるえり巻き,絹製又は絹から抽出したタンパク質を含有する繊維からなる靴下,絹製又は絹から抽出したタンパク質を含有する繊維からなるゲートル,毛皮製ストール,絹製又は絹から抽出したタンパク質を含有する繊維からなるショール,絹製又は絹から抽出したタンパク質を含有する繊維からなるスカーフ,絹製又は絹から抽出したタンパク質を含有する繊維からなる足袋,絹製又は絹から抽出したタンパク質を含有する繊維からなる足袋カバー,絹製又は絹から抽出したタンパク質を含有する繊維からなる手袋,絹製又は絹から抽出したタンパク質を含有する繊維からなる布製幼児用おしめ,絹製又は絹から抽出したタンパク質を含有する繊維からなるネクタイ,絹製又は絹から抽出したタンパク質を含有する繊維からなるネッカチーフ,絹製又は絹から抽出したタンパク質を含有する繊維からなるバンダナ,絹製又は絹から抽出したタンパク質を含有する繊維からなる保温用サポーター,絹製又は絹から抽出したタンパク質を含有する繊維からなるマフラー,絹製又は絹から抽出したタンパク質を含有する繊維からなる耳覆い,絹製又は絹から抽出したタンパク質を含有する繊維からなるずきん,すげがさ,絹製又は絹から抽出したタンパク質を含有する繊維からなるナイトキャップ,ヘルメット,絹製又は絹から抽出したタンパク質を含有する繊維からなる帽子,絹製又は絹から抽出したタンパク質を含有する繊維からなるガーター,絹製又は絹から抽出したタンパク質を含有する繊維からなる靴下止め,絹製又は絹から抽出したタンパク質を含有する繊維からなるズボンつり,バンド,ベルト,靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具,げた,草履類,絹製又は絹から抽出したタンパク質を含有する繊維からなる仮装用衣服,絹製又は絹から抽出したタンパク質を含有する繊維からなる運動用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。),乗馬靴」と補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、「本願商標は、織物、織物製品及び被服等を扱う業界において、シルクから抽出される『シルクプロティン』の人肌に近いアミノ酸を大量に含んでいるために保温性、保湿性に優れていることや熱伝導性が低い等の特色に着目し、シルクから抽出したフィブロンやセシリン(タンパク質の一種)等をポリエステルや綿等に染み込ませる技術『シルクプロテイン加工』が開発され、製品加工、生地段階の加工された商品が販売されている事実があり、このような商品との関係において、『シルクプロティン加工の織物、生地、シルクプロティン加工の織物、生地を使用した商品』の意味合いを表現したものと需要者に容易に理解、認識させるにとどまる『シルクプロテインテックス』『SILK PROTEIN TEX』の文字を普通に用いられる方法で二段に書してなるにすぎないものであるから、これを本願指定商品に使用する場合は、単に商品の品質、効能を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
(1)本願商標は、「シルクプロテインテックス」及び「SILK PROTEIN TEX」の文字からなるところ、その構成中の「シルク(SILK)」の文字は「生糸、絹糸、絹布」を、「プロテイン(PROTEIN)」の文字は「蛋白質」を、そして「テックス(TEX)」の文字は「織物、生地」を意味する語として、いずれもよく知られているものである。(岩波書店発行「広辞苑第5版」)
そして、上記「シルク」と「プロテイン」の語を結合した「シルクプロテイン」の語については、例えば、株式会社集英社発行「情報・知識imidas2002」の「シルクプロテイン【silk protein】」の項によれば、「シルク(絹)から抽出したたんぱく質をポリエステルや綿などに染み込ませる加工。絹のような風合いを付加し、吸湿性に優れ、肌にやさしく、ヒーリング効果もある。ブラジャーやショーツなど下着に多く使われているほか、男性用のワイシャツ、女性用のブラウス、ストッキングなどにも広がっている。」と解説されている。
(2)また、繊維関係メーカーのインターネット・ホームページには、「弊社シルクプロテイン加工」の表題の下で、「シルクプロテインについて」として、「シルクの主成分(ほとんどを占める)である、セリシンとフィブロインをシルクプロテインと呼びます。そのうちのフィブロインを繊維に付着させることによって、シルクのもつ保湿性・吸水性等の特徴を生かすことが出来ます。」と説明している例(http://www.mochihada.co.jp/silk.html)があり、「第3のシルク silk Protein」の標題の下に、「シルクプロテイン加工」として、「シルクプロテインは、雑菌などが繁殖しやすいニカワ質プロテインのセリシンを取り除き、純度の高いプロテインであるフィブロインだけを活性化鉱水を用いて生地にコーティング加工したものです。フィブロインは、人の肌に近いアミノ酸を大量に含んでいますので、絹のもつ肌ざわり、保温性、保湿性に優れた肌に優しい素材です。セリシンやシルクパウダーを用いた他のシルクプロテイン加工に比べ、水に溶けにくく、洗濯しても効果が落ちにくく、シルキーな風合いが長続きします。」と説明している例(http://www.kobekiito.co.jp/01.html)がある。
(3)さらに、「シルクプロテイン」又は「シルクプロテイン加工」について、以下のように新聞報道されている。
(ア)「乾きやすい素材選ぼう 下着(元気にウオーキング)(2002.09.07朝日新聞東京朝刊63頁)」の見出しの下、「東京・神田神保町の『さかいやスポーツ』(03-3262-0432)が女性に薦めるのは、ワコールの『ウオーキングブラ』(HTY−028)=写真。シルクプロテイン加工が施されているので、肌にやさしく、吸い取った汗を拡散し、乾きやすいという。」との記事。
(イ)「カネボウ 『ラファイエ』販売 婦人インナー 百貨店コーナーで」(2002.08.01繊研新聞2面)の見出しの下、「全商品にマイナスイオンとシルクプロテイン加工を施す一方、カネボウ合繊の生分解性繊維「ラクトロン」使いの肌着も投入、素材メーカーとしての強みも訴求していく。素材は綿混からマイクロファイバーまで幅広く、さまざまな好み、用途に対応していく。参考小売価格は2800〜5800円」との記事。
(ウ)「ラブロン セダージャパン マイナスイオンの”癒やし”アイテム」(2002.07.27繊研新聞7面)の見出しの下、「ディッカーにシルクプロテインを入れた『シルベス』は繊維を柔らかくする効果、キトサン入りの『ディッカーS』は抗菌性、防カビ、防臭などの効果があり、アイテムや用途に応じて使い分けることができる。」との記事。
(エ)「住友商事 来春夏から中国生産の綿ニット強化、コンパクトヤーン使いも」(2002.05.09繊研新聞4面)の見出しの下、「機能加工素材も拡充する。シルクプロテインなどによるスキンケア加工やキシリトールの吸熱作用による清涼抗菌加工、そのほかビタミンA,C,Eを付加した健康・美容素材によるニット製品群の販売に注力する。」との記事。
(オ)「カタログ ミズノ 『フィットウエルクラブ』」(2002.02.04繊研新聞11面)の見出しの下、「足首、つま先、かかと、土踏まずと部分的にテンションを変えた特殊編み構造により、ずれ落ちにくくした。従来品よりパイル面積を広げ、足底だけでなくサイドを優しく包むことで、足が疲れにくく、サポート力に優れている。また、シルクプロテイン成分配合で素肌に優しく、滑らかな肌触りにした。さらに従来の抗菌防臭に加え、吸水性も持たせた。」との記事。
(4)このように、「シルクプロテイン」の語は、「シルク(絹)から抽出した蛋白質ないしはこの蛋白質を用いて絹のような風合いを持たせ、保温性・保湿性に優れた商品にするための加工方法」を意味するものとして認識され、一般的に使用されているといえる。
そうすると、本願商標は、上記意味合いを有する「シルクプロテイン(silk protein)」の語と、上記「テックス(tex)」の語とを結合して「シルクプロテインテックス」及び「SILK PROTEIN TEX」と表したものと容易に認識し把握されるものであり、本願商標をその指定商品について使用しても、これに接する取引者、需要者は、該商品が、シルクプロテインを用いた織物、生地、ないしはシルクプロテイン加工された織物、生地、あるいはこれらの織物、生地を用いた商品であるという、商品の品質、加工方法、原材料を表示したものとして理解するに止まり、自他商品の識別標識とは認識し得ないものというべきであり、かつ、前記以外の商品について使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとした原査定は、妥当なものであって、これを取消すべき限りでない。
なお、請求人は、「TEX(テックス)」の文字部分は、米国テキサス州を表す略語として辞書に表示されており、また、「織物」は、「textile」であって「TEX」でない旨主張しているが、本願の指定商品との関係からすれば、上記のとおり判断するのが相当であるから、請求人の主張は採用できない。
また、請求人は、過去の登録例を挙げて、本願商標も登録されるべきである旨主張しているが、それらの登録例は、本願商標とは商標の構成が相違し、事案を異にするものであるから本願の判断に影響を及ぼすものではなく、請求人の主張は採用することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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