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結論

敗訴(請求棄却)

第3条第1項第3号「黒生商標の識別力」の商標審決・判断理由(審判番号:平成10年審判第16469号|請求不成立)

審判番号
平成10年審判第16469号
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標(図形等・本文参照)
争点(論点)
黒生商標の識別力
適用条文
第3条第1項第3号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
請求不成立(敗訴(請求棄却))

この審決(審判平成10年審判第16469号・不服)は、本件商標について、商標法第3条第1項第3号への該当性が争われた事例です。主な争点は「黒生商標の識別力」です。特許庁は「本件審判の請求は、成り立たない」と判断しました(請求不成立)。商品の品質や用途を直接表す語は識別力が否定されやすいため、出願前に造語化や図形との組合せを検討することが有効です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「黒生」の漢字を横書きしてなり、第32類「黒ビール」を指定商品として、平成8年6月6日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由(要点)

原査定は、「本願商標は、指定商品との関係において、『黒生ビール』の意を認識させる『黒生』の文字を普通に用いられる方法で書してなるものであるから、これをその指定商品に使用しても、単に商品の品質を表示するににすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」と認定し、さらに、請求人(出願人)の提出に係る、商標法第3条第2項の規定に、本願商標が該当するとして提出した証拠方法からは、いまだ商標法第3条第2項の規定に該当するものとは認められないとして、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、前記したとおり「黒生」の漢字よりなるところ、これは指定商品「黒ビール」との関係からすると、「黒ビールの生(焦がした麦芽を用い暗褐色をしているビールの一種で、醸造したままで殺菌用の加熱を行わない生ビール)」であることを略称的に表したものであって、ビールの一種であることを普通に用いられる方法で表示したものと認められるものである。

したがって、本願商標は、これをその指定商品に使用しても、取引者、需要者をして、上記意味合いにおいて、単に商品の品質、種類を表した文字として理解するに止まり、自他商品識別標識としての機能を果たし得ない標章のみからなる商標といわざるを得ない。

そして、請求人は、本願商標は商標法第3条第2項の規定により登録されるべきものであると主張し、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第6号証(枝番を含む。)を提出した(審査においては参考資料1ないし8(枝番を含む。)を提出済み。)。

そこで、請求人の提出に係る甲各号証及び審査において提出された参考各資料をみるに、

(ア)甲第1号証の1ないし同4は、「黒生」に関する広告であって、請求人が昭和57年9月、平成7年、同8年及び同9年に各日刊紙に広告掲載したものである。

(イ)甲第2号証は、昭和57年1月1日から同57年12月31日までの営業の概要報告であって、「黒生ミニ樽」、「黒生マイボーイ」「黒生350ml」の記載がある。

(ウ)甲第3号証の1ないし同8は、請求人の商品案内カタログであって、1990年(平成2年)から1997年(平成9年)までのもので、商品写真とともに「黒生樽」、「黒生ビール」、「アサヒ黒生ビール」、「アサヒ黒生ビール樽生」の各記載がある。

(エ)甲第4号証の1は、「SAKE Best Collection`89ー90` 世界の酒・日本の酒」の表題のある専門誌で、請求人の商品「アサヒ 黒生ビール」が商品写真とともに掲載されている。

(オ)甲第4号証の2は、「国産ウイスキー&ビールオールカタログ」の表題のある専門誌で、請求人の商品「アサヒ黒生ビール」が商品写真とともに掲載されている。

(カ)甲第4号証の3ないし同5は、「SAKE 酒(デザイン化してある。)」の表題のある専門誌で、1993年(平成5年)、1995年(平成7年)及び1996年(平成8年)のもので、請求人の商品「アサヒ 黒生ビール」、「アサヒ 生ビール 黒生」が商品写真とともに掲載されている。

(キ)甲第5号証の1ないし同19、同21及び同23ないし同29は、新聞記事の抜粋、甲第5号証の20及び同22は、週刊誌と日経リサーチレポートの紹介記事で、いずれも平成7年から同10年までのものであって、請求人の商品「黒生ビール」の紹介がなされている。

(ク)甲第6号証の1ないし同5は、甲第4号証の1ないし同5と同じ専門誌の続き頁であって、他社の製品が写真とともに掲載されているが、該頁には「黒生」と表示されているビールは見当たらないものである。

なお、審査において提出された参考各資料は、甲各証と重複しているものである。

以上の(ア)ないし(ク)よりすれば、請求人は、本願商標を商品「黒生ビール」について昭和57年9月頃より現在まで使用していることは認められるものである。

しかしながら、請求人は、「黒生」が請求人の「黒生ビール」について商標として著名であるとする同業者組合又は同業者の証明書、需要者の証明書及び公的機関等の証明書の提出しているものではないし、この点について、他に証明しているものでもない。

さらに、「黒生」の文字は、請求人以外の製造販売業者に関する新聞情報、インターネットによるホームページによれば、例えば、以下の紹介記事等がみられる。

(a)1992年(平成4年)4月29日 日本食糧新聞に、「日本最大のビアホールと話題を集めていたキリンビール(株)の...ドリンクメニューはキリンラガービールを中心にbM詰め生、黒生、ハーフ&ハーフ...」の記載。

(b)1996年(平成8年)4月15日 日本食糧新聞に、「サントリー(株)は、昨年6月から熊本で建設を進めていたパブ・ブルワリー...ビアレストランではこのほか、『黒生』など武蔵野工場のミニブルワリーで製造するビールも用意。...」の記載。

(c)1996年(平成8年)4月29日 日本食糧新聞に、「日本ビール(株)はオランダのプレミアムビール「グロールシュ・アンバー」(黒生)=写真=を4月20日から全国で発売した。...」の記載。

(d)缶ビールラベル展示館のホームページ(抜粋・写し)に、「1998年(平成10年)12月からお客様は37433人目の御来館者です。」の記載及び他社の製品(缶ビール)でラベル中に「黒生」の表示のある写真の写し。

(e)2002年サントリー製品一覧(抜粋・写し)に、「黒生」の表示のある樽の写真の写し。

(f)2002年8月20日付け、ビールサーバードットコムのホームページ、使用可能生ビール樽一覧(抜粋・写し)に、「サントリー/黒生」、「アサヒ/黒生」の記載。

(g)2002年8月20日付け、@Face Offホームページ(抜粋・写し)に、地ビールの表題の下に「黒生」のラベルのある瓶ビールの写真の写しと「黒生」の記載。

(h)農林漁業現地情報のホームページ(抜粋・写し)に、「上閉伊郡宮守村では、...平成9年8月にオープンし、...ドイツにこだわりを持って製造されるビールは、『ピルスナー』、『バイツェン』、『黒生』と...」の記載。

(i)2002年10月8日付け、ヘリオスクラフトビール/詳細のホームページ(抜粋・写し)に、「1996.6.20.5:15AMヘリオスクラフトビール ‘最初の一杯’ヘリオス社長の強い思い入れにより、沖縄初の地ビールが誕生しました。」の表題の下に、「黒生(ポーター)イギリスでお馴染みの濃色ビール。...」の記載。

以上、ビールについて「黒生」の文字が請求人以外の者によって、平成4年頃から現在においても継続して使用されていることが裏付けられるところである。

そうすると、請求人提出係る甲各号証及び参考各資料のみからでは、「黒生」が請求人に使用された結果、取引者、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるものとなったと認められないから、本願商標がその指定商品について、商標法第3条第2項の規定に該当するに至っているものとはいえない。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するとして、その出願を拒絶した原査定は、妥当であり、取り消す限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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