Trademark Appeal Case
結合商標の品質表示性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成11年審判第5373号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「ソースローメン」の片仮名文字を標準文字として、第30類「うどんのめん,そばのめん,中華そばのめん,即席うどんのめん,即席そばのめん,即席中華そばのめん」を指定商品として、平成9年5月9日に登録出願されたものである。
2 原査定の理由
原査定は、「本願商標は、長野県伊那地方の名物料理として『やや太めの麺に羊肉(または豚肉)や、野菜を加えて調理したもの、または、その麺』を指称する『ローメン』の文字に、一調味料である『ソース』の文字を冠して『ソースローメン』と書してなるところ、その構成中、『ソース』の文字は、例えば、『ソース焼きそば』、『ソースかつツ丼』のごとく、その料理の主調味料若しくは、味を表すものとして普通に使用されているところである。さらに、『ローメン』には、スープに入ったラーメン風の他、『ソース焼きそば風』のものも存在している事実がある(例えば、平成3年6月1日・同7年3月11日及び同9年7月19日付け日本経済新聞の地方(長野)面及び朝刊)。以上よりすれば、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者は、その商品が『ソースを加味し、肉や野菜を加えて調理した麺、または、これに適した麺』であることを理解させるに止まり、単にその商品の品質を表示したにすぎないものといわざるを得ない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記したとおり、「ソースローメン」文字を書してなるところ、株式会社岩波書店1998年11月11日発行「広辞苑 第5版」には、「ソース」の文字は、「西洋料理の調味に用いる液体。料理の一部として作るほか、調味料として市販されているものもある。特に、ウスター・ソースのこと。」と記載されていることが認められる。
そして、「ローメン」は、長野県伊那地方の名物料理として『やや太めの麺に羊肉(または豚肉)や、野菜を加えて調理したもの、または、その麺』を指称するものであることが認められる。この点は請求人も認めているものである。
そうとすると、本願商標を構成する「ソースローメン」の文字は、「ソースを加味し、肉や野菜を加えて調理した麺、または、これに適した麺」との意味合いを有する語として、取引者、需要者に認識されるものと認めることができる。
また、ソースは本願の指定商品の分野においては、欠かすことのできないものであり、料理にうるおい、風味、色彩、光沢などを加え、食べやすくするものであって、ソースと料理との適合はその料理の価値を左右する鍵となり、重視されている実情にある。
上記事実と食品分野の取引の実情よりすると、「ソースローメン」の文字よりなる本願商標をその指定商品について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、前記意味合いを表したものと容易に理解し、自他商品を識別する標識たる商標とは認識し得ないものとみるのが相当である。
してみると、本願商標は、これをその指定商品中「ソースを加味し、肉や野菜を加えて調理した麺、または、これに適した麺」について使用しても、単にその商品の品質を表示するにすぎないものであって、それ以外の商品について使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわざるを得ない。
なお、請求人は、「ソースローメン」という呼び方は行われていないこと、また、本願商標構成中の「ソース」の文字部分は、「SOURCE(出所、源泉)」の意味のソースと引っかけて「ソースローメン」としたものである旨主張している。
しかしながら、本願指定商品は、前記とおり「うどんのめん,そばのめん,中華そばのめん,即席うどんのめん,即席そばのめん,即席中華そばのめん」とするものであるから、「ソース」の語を、調味料のソースであると理解することを困難にすべき事情を認めることはできない。
そうすると、本願商標が指定商品に関して用いられた場合には、この語に接した取引者、需要者はそれを妨げる何か特別の事情がない限り、むしろ自然にソースを加味し、肉や野菜を加えて調理した麺、または、これに適した麺を示す語として認識することになるものというべきである。「ソース」の語が前記採択の意図があったにせよ、本願商標には前記のようなものとして理解されることになりやすい性質が、本来備わっているということができるものである。
また、一般に取引過程において、商品の品質を表すものとして必ず使用されなければならないものではなく、現に使用されている事実も存在しないと主張するが、商標法第3条第1項第3号は、取引者、需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、該表示態様が、商品の品質を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきであるから、請求人の主張は採用することができない。
さらに、請求人は、「ソースローメン」の文字を付した商品の広告宣伝をしたことが認められるが、該資料のみでは前記の意味を有するものと理解され、自他商品の識別機能を持たないものであったと認めざるを得ないものである。
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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