結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2001−30508(T2001−30508/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4138896号商標(以下「本件商標」という。)は、「おでかけ」の文字を横書きしてなり、平成8年5月28日に登録出願、第5類「薬剤」を指定商品として、平成13年6月6日に設定登録されたものである。
請求人は、本件商標の登録はこれを取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べた。
請求人は、被請求人が本件商標をその指定商品について使用しているかどうかについては不知である。
したがって、被請求人において、上記商品についての使用事実を立証されないときは、本件登録は、商標法第50条第1項の規定により、その取り消しを免れない。
(1)使用商品について
被請求人が、本件商標の使用商品として主張している「おでかけ/除菌消臭(トイレ用)」及び「おでかけ/除菌消臭(洋服用)」(乙第1、2号証)によっては、その成分、薬効等が不明であり、本件商標に係る指定商品「薬剤」に前記使用商品が属するか否かは定かでない。
ちなみに、消臭に関する商品という場合、第3類の「香料類」に属し、「除菌」効果を有する商品には、第1類の「化学品」に属する商品もある。
また、売上原票(乙第4号証、請求人は「売上伝票」としているが誤記と認める)に記載されている商品のうち「オデカケ除菌洋服用ハンガー」、及び売上伝票(乙第5号証)に記載されている商品のうち「オデカケ除菌トイレ用ハンガー」なる商品は、商品カタログ(乙第2号証)に記載されておらず、それが「薬剤」かどうか不明である。
(2)使用事実及び証拠の信憑性について
被請求人主張の前記商品について、請求人において独自で調査を行ったところ、次のような結果であった。
すなわち、被請求人の製品を取り扱っている「西友」阿佐ヶ谷店に前記商品の取り寄せが可能であるどうか注文を出したところ、廃販になっているとの回答であった。
また、売上原票(乙第5号証)に得意先名として記載されている「株式会社夕カマツヤ」に電話で確認したところ、(被請求人商品は)他社製品なので取り扱っていないとの回答であった。さらに、この原票に記載の「(株)タヤ製作所」及び「株式会社エナヂ東京営業所」は電話番号帳及びNTT電話番号案内でも電話番号が出ていない。このように、被請求人の提出した証拠には不自然な点がある。
(3)以上のとおりであって、本件においては、使用商品が指定商品に該当するか否かが不明であり、また、商標の使用事実が十分に立証されていないから、その登録の取消を免れないというべきである。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第6号証を提出した。
被請求人は、「おでかけ」の文字よりなる標章を、指定商品「薬剤」中の「(被服、トイレ用)除菌/消臭剤」について使用している。
そして、上記使用事実は、商品の写真(乙第1号証)、被請求人の商品カタログ(乙第2号証)第10頁により明らかである。
(1)乙第3号証は、乙第2号証として提出した商品カタログの制作事実を証明しようとするものであり、その証明願に記されているように、当該カタログは被請求人の依頼に基づいて株式会社吉田印刷所が20,000部制作し、平成10年8月7日に被請求人に納品したものである。そして、このカタログを、被請求人支店・営業所経由で、主に次の顧客へ配布した。
(ア)札幌営業所経由でダイカ株式会社本社(札幌市東区北6条東3丁目)
(イ)仙台営業所経由でホーマック株式会社(仙台市太白区中田町字前沖124一1)
(ウ)東京本社から株式会社大里(さいたま市内谷7一4一1)、ドイト株式会社(さいたま市本町西4一14−2)
(エ)名古屋支店経由で株式会社カーマ(刈谷市日高町3一411)
(オ)大阪支店経由で大和ハウス工業株式会社(大阪市北区梅田3−3−5)、コーナン商事株式会社(堺市鳳東町6一637−1)
(カ)高松営業所経由でナカイ株式会社(徳島市沖浜東3一62)
(キ)福岡リンレイ経由で株式会社ナフコ(北九州市小倉北区鍛冶町1−2−16)
(2)乙第4号証は、被請求人会社の売上原票の写しで、有限会社アフティ赤松物流センター(川西市赤松畑121)からの依頼に基づいて、リサイクル&インポートブティックウーノ桑原(神戸市中央区三宮町1一8一1サンプラザ1階)へ出荷/配送したものである。
2001年2月19日付の出荷商品は、商品コード「98103」(被請求人会社の商品コードは十の桁、百の桁、万の桁、十万の桁、百万の桁の5つの数字により策定されている)の「オデカケ除菌洋服無香性」と、商品コード「98102」の「オデカケ除菌トイレミント」であり、前者を「96」、後者を「480」出荷している。
2000年11月17日付の出荷商品は、商品コード「98106」の「オデカケ除菌洋服用ハンガー」と、商品コード「98104」の「オデカケ除菌洋服シャボン」であり、前者を「56」、後者を「96」出荷している。
(3)乙第5号証も、被請求人会社の「売上原票」の写しで、何れも発行日、出荷日は2001年4月23日であり、依頼者は株式会社タカマツヤ(草加市柳島町723)である。
株式会社エナヂ横浜営業所(厚木市岡圧2−17一7)へ商品コード「98101」の商品を「240」及び商品コード「98102」の商品を「720」、株式会社エナヂ東京営業所(草加市遊馬178一2181)へ商品コード「98101」の商品を「3360」及び商品コード「98102」の商品を「3840」、株式会社エナヂ大阪営業所(東大阪市南上小阪12−41)へ商品コード「98102」の商品を「960」と「4464」及び商品コード「98101」の商品を「4464」、株式会社オースリー(和光市白子3一15一5)へ商品コード「98105」の商品を「192」各々出荷し、納品した。
上記乙第4号証及び乙第5号証の売上原票の商品コード「98103」、「98102」、「98104」、「98101」、「98102」の商品は、商品写真及び商品カタログに示される商品を意味している(商品コード「98105」、「98106」はカタログ不掲載商品)。
(4)商品の成分について
写真等に示される本件商品の成分は次のとおりである。なお、成分はカタログにも一部記載済みである。
(ア)「おでかけ除菌消臭 トイレ用 無香性」...変性エチルアルコール ε−ポリリジン アジピン酸 緑茶乾留エキス その他(添加剤、ジメチルエーテル等)
(イ)「おでかけ除菌消臭 洋服用 無香性」...変性エチルアルコール 緑茶乾留エキス その他(添加剤、液化石油ガス等)
上記成分を含む本件商品が所望の除菌消臭効果を有すること、及び本願商標の指定商品「薬剤」(第5類:類似群01B01)に、「被服用消臭剤」、「トイレ用消臭剤」、「除菌効果を有する消臭剤(身体用のものを除く)」等本件商品に対応する商品が包含されることも、特許庁において顕著な事実である。
(5)ハンガーについて
「ハンガータイプ」とは、商品そのものの特性を表すものではなく、商品を同時に複数本、店頭に陳列するための媒体で、本件商品を上記媒体と共に販売するために付した名称である。なお、「ハンガータイプ」の理解のため、商品写真の写し(乙第6号証)を提出する。
(6)請求人の調査結果について
請求人は、(ア)「西友」阿佐ヶ谷店の回答、(イ)株式会社タカマツヤの回答、(ウ)株式会社タヤ製作所、株式会社エナヂ東京営業所の電話番号がないことから、被請求人による使用立証が不自然であるとしているが、その主張は具体性を欠き、その詳細は一切不明である。何時、誰が、何処へ電話し、誰が応対し、どのような質問に対して具体的にどのような回答したのか等、不明で、被請求人として正しく反論することが非常に困難である。
さらに、被請求人は、「西友」阿佐ヶ谷店との関係で本件商標を指定商品に使用したとは主張していない。
なお、被請求人は上記請求人の主張を確認する必要があると思料し、本日付で証人尋問申出書を提出した。
ちなみに、請求人が存在を確認し得なかったと主張する2つの法人の住所/電話番号は、「株式会社タヤ製作所 大阪府八尾市弓削町1−13−6 電話番号0729−48−3003」、「株式会社エナヂ東京営業所 埼玉県草加市遊馬178−2181 電話番号0489−27−1122」である。
(1)乙第1号証は、包装容器に充填されたスプレー式の商品2缶、及びそのスプレー式の商品を赤色と青色でパッケージした2個の商品を表示した商品写真7葉である。そして、それぞれの表面には「おでかけ、除菌消臭、洋服用、無香性、天然フラボノイドで消臭、緑茶抽出エキス天然フラボノイド入り、人体には直接使用しない」、「おでかけ、除菌消臭、トイレ用、無香性、天然ポリジンで除菌、緑茶抽出エキス天然フラボノイド入り、人体には直接使用しない」、「リンレイ」、「株式会社リンレイ」等の各文字が記載され、及びJANコードが表示されている。
ところで、上記商品には商品の成分が一部表示されているが、被請求人は、商品の成分に関する説明として、(ア)「おでかけ除菌消臭 トイレ用 無香性」は、「変性エチルアルコール ε−ポリリジン アジピン酸 緑茶乾留エキス その他(添加剤、ジメチルエーテル等)」と、(イ)「おでかけ除菌消臭 洋服用 無香性」は、「変性エチルアルコール 緑茶乾留エキス その他(添加剤、液化石油ガス)」であると釈明した。
(2)乙第2号証は、「リンレイ 家庭製品総合パンフレット 株式会社リンレイ」を表題とする商品カタログであり、同10頁には、除菌用品の表題の下、前記写真に示された商品、及び同種のスプレー式の商品の4種が表示され、商品名は「おでかけ除菌・消臭 洋服用」、「おでかけ除菌・消臭 トイレ用」と記載、商品特徴は「緑茶抽出エキス天然フラボノイドが、洋服についたいやな臭いを消臭します。」、「特に大腸菌に効果のある天然ポリジンを配合。天然フラボノイドで消臭効果も抜群です。」と記載し、他に、分類コンセプト、価格容量、JANコード、ITFコード等が記載されている。
(3)乙第3号証は、商品カタログ製作に関する証明願であって、株式会社吉田印刷所が「リンレイ家庭製品総合パンフレット」(乙2号証)を平成10年8月7日に20,000部を作成し、株式会社リンレイに納品したことについて証明する、としているものである。
(4)乙第4号証は、有限会社アフティ赤松物流センターからの依頼に基づいて、リサイクル&インポートブティック ウーノ桑原へ商品を出荷、配送した被請求人発行の売上原票である。そして、該売上原票の記載事項に徴すれば、2001年2月19日付でリサイクル&インポートブティック ウーノ桑原へ商品コード「981035(1の桁は商品コード番号ではない、以下同じ。)」(オデカケ除菌洋服無香性)を数量96、及び商品コード「981022」(オデカケ除菌トイレミント)を数量480出荷したことを、同じく2000年11月17日付でリサイクル&インポートブティック ウーノ桑原へ商品コード「981064」(オデカケ除菌洋服用ハンガー)を数量56、及び商品コード「981048」(オデカケ除菌洋服シャボン)を数量96出荷、納品したことが認められる。
そして、これらの商品コード番号は、商品写真及び商品カタログに表示された商品コードと符合する(商品コード「98106」はカタログ不掲載)。
請求人は、本件商標が使用されている商品は、その成分、薬効等が不明であるから、本件商標に係る指定商品「薬剤」に前記使用商品が属するか否かは定かでないとするが、上記のとおりであり、その主張は採用できない。
また、商品カタログの「リンレイ 家庭製品総合パンフレット」は、20,000枚印刷されているところ、その枚数規模からして、被請求人支店を介して各社に配布、頒布されたことが推認できる。
そして、商品写真及び商品カタログには、本件商標の「おでかけ」が表示されているものである。
さらに、売上原票から、本件商標が付された「消臭剤」は本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において販売されたものである。
してみれば、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、被請求人により本件商標と社会通念上同一の商標と認められる商標を本件審判の請求に係る商品「薬剤」中の「消臭剤」について、使用されていたものと認められる。そして、前記認定の事実の判断における証拠は充分なものである。
しかしながら、主張の前提である、請求人による問い合わせ、回答内容について、まず、被請求人は、「西友」阿佐ヶ谷店との関係では本件商標を指定商品に使用したとは主張していないし、得意先の株式会社タカマツヤの商品の扱いの回答に関しても、売上原票(乙第5号証)について具体的に日付を特定して確認したものでなく、また、住所及び電話番号を追記したものであるから、該証拠は何ら不自然なものではない。そして、これらのことは前記判断に影響を及ぼすものではないから、この点に関する請求人の主張は採用できない。
したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、指定商品の「薬剤」についての登録を取り消すべきものではない。
なお、被請求人は、証人尋問を申し立ているが、上記のとおりに判断し得るので、その必要を認めない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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