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Trademark Appeal Case

指定商品と使用商品の同一性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2001−30798(T2001−30798/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第2515266号商標(以下「本件商標」という。)は、平成1年11月1日に登録出願され、「フジコン株式会社」の文字を横書きしてなり、第11類「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具、電気材料」を指定商品として、同5年3月31日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

2 請求人の主張

請求人は、本件商標の指定商品中「電気通信機械器具,電子応用機械器具」についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び同第2号証を提出した。

(1)請求の理由

被請求人が、過去3年間日本国内において本件商標をその指定商品である「電気通信機械器具,電子応用機械器具」について使用をしている事実は見あたらない。また、本件商標の指定商品「電気通信機械器具,電子応用機械器具」については、専用使用権者あるいは通常使用権者のいずれの登録もされていない(甲第2号証)。

したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、その登録を取り消されるべきものである。

(2)答弁に対する弁駁

被請求人は、取消しに係る指定商品「電気通信機械器具、電子応用機械器具」について本件商標の使用をしていることを何ら証明していない。すなわち、乙第2号証ないし乙第3号証として提出している「貫通型端子盤」は、「電気機械器具」中の「配電用又は制御用の機械器具」の概念に属するものであって、取消しに係る「電気通信機械器具、電子応用機械器具」とは非類似の商品である。

被請求人は、電気通信機械用の接続器としての端子盤・コネクターは「電気通信機械器具」中の「電気通信機械器具の部品および附属品」に含まれる商品である旨主張するが、提出された使用証拠によっては、「貫通型端子盤」が電気通信機械用の特殊な接続器であることが何ら証明されていない。

また、被請求人は、電子機器に使用される端子盤・コネクターなどは、電子計算機などの周辺機器(電子応用機械器具用の部品など)として「電子応用機械器具」に含まれる商品である旨主張するが、提出された使用証拠によっては、「貫通型端子盤」が「電子計算機などの周辺機器(電子応用機械器具用の部品など)」であることについて何ら証明されていない。

なお、被請求人は、乙第1号証における「主要納入先」の中に「電気通信機械器具のメーカー」及び「電子応用機械器具のメーカー」が含まれることをもって、被請求人の取り扱いに係る「端子盤等」の中には、用途などが異なることにより「電気通信機械用の接続器」と「電子応用機械器具用の周辺機器・接続器」が含まれていることとなる旨述べている。しかしながら、これは単に、同商品が多様な用途に使用できる汎用性を有するものであることを示唆するに止まり、そうとすれば、同商品は、本質的に「配電又は制御」の機能を有するものであって、電気機械器具中の「配電用または制御用機械器具」に属するものであるといわざるをえない。

被請求人は、部品についての本件商標の使用をもって、取消しに係る指定商品に関する使用である旨述べているが、提出された証拠をもってしては、組み込まれた部品が製品全体と一体として識別されるべき特段の理由は存しないといわざるをえないので、本件商標が取消しに係る指定商品について使用をしているとは到底認められない。

更に、乙第4号証として提出している「CDーROM」についても、同商品は所謂コンピュータプログラムを記憶させた記録媒体とは認められず「電子応用機械器具」に属するものとはいえない。むしろ、同商品は「端子盤」に関する情報(画像、音声、文字情報等)を記憶させた記録媒体として、取消しに係る「電子応用機械器具」とは非類似の「印刷物」(26AOI)等の概念に属するものであるというべきである。なお、本件商標を付した「CDーROM」がいつ、実際の商取引の場面において流通し、当該商品の出所を識別する機能を果たしたかについて何ら具体的な証明が行われていないから、本件商標の使用証拠として採用され得ないものである。

以上、述べたとおり、被請求人の提出に係る乙各号証をもってしては、被請求人が本件審判請求登録前3年以内に本件商標を使用していたとは認められるものではなく、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、その登録を取り消されるべきものである。

3 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第4号証(枝番を含む。)を提出した。

被請求人は、本件審判の請求登録前3年以内に日本国内において、指定商品「電気通信機械器具、電子応用機械器具」について、本件商標を使用していることは、乙第1号証ないし乙第4号証に示すとおりである。

すなわち、乙第1号証は、被請求人の平成13年度版会社案内の写しである。これによれば、被請求人は中継器・接続器としての端子盤やコネクターなどの商品を取り扱う専業メーカーである。乙第2号証ー1は2001年5月21日に被請求人が「株式会社キマタ」宛てに納品した商品「2331型式の貫通型端子盤」の請求書(写し)であり、乙第2号証ー2は2001年6月4日に被請求人が「株式会社キマタ」宛てに納品した商品「2331型式の貫通型端子盤」の請求書(写し)である。乙第3号証は被請求人の取扱に係る商品のカタログの抜粋であり、該カタログには「2331型式の貫通型端子盤」が掲載されている。

一方、本件審判の取消対象たる「電気通信機械器具」とは、電気の作用をその機械器具の機能の本質的な要素にしている通信機械器具をいい、「電子応用機械器具」とは、電子の作用を応用したことをその機能の本質的な要素としている機械器具であって、通信機械器具以外のものをいうと解する。

電気通信機械用の接続器としての端子盤・コネクターは「電気通信機械器具」中の「電気通信機械器具の部品および附属品」に含まれる商品であり、電子機器に使用される端子盤・コネクターなどは、電子計算機などの周辺機器(電子応用機械器具用の部品など)として「電子応用機械器具」に含まれる商品である。蓋し、「接続器」は、その用途などにより配電用又は制御用のものが「電気機械器具」に属し、電気通信機械用のものが「電気通信機械器具」に属し、直接的に電子の作用を応用したものでなくても、全体として電子の作用を応用した機械器具であれば「電子応用機械器具」に属すると認められるからである。

しかして、被請求人の取り扱いに係る端子盤・コネクターなどはまさに「電気通信機械器具」及び「電子応用機械器具」に該当するものである。乙第1号証における「主要納入先」として掲出した中には、「電気通信機械器具のメーカー」及び「電子応用機械器具のメーカー」が共に含まれているので、被請求人の取り扱いに係る「端子盤等」の中には、用途などが異なることにより「電気通信機械用の接続器」と「電子応用機械器具用の周辺機器・接続器」が含まれていることとなるからである。

また、被請求人は乙第4号証に示すような「CDーROM」を需要者・取引者向けに、「端子盤」に関する情報を記憶させた記録媒体(商品)「電子計算機(中央処理装置及びその周辺機器−電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路、磁気ディスク、磁気テープを含む。)」として、譲渡又は貸し渡ししている。この「CDーROM」は商品「端子盤」のカタログとして機能すると共に、注文する際に商品「端子盤」を選択・特定するために使用されるもので、需要者・取引者が被請求人のホームページにアクセスし、当該「CDーROM」に記録された指示通りにコンピュータ操作をすることにより、被請求人に対して確実に商品「端子盤」の注文ができるようになっている。

しかして、当該「CDーROM」は単なる所謂ノベルティ商品ではなく、「電子応用機械器具」中の「電子計算機」に含まれるれっきとした商品である。

ところで、本件商標は片仮名文字と漢字「フジコン株式会社」からなる文字商標であるから、被請求人による使用商標(乙第1号証・乙第3号証)は本件商標「フジコン株式会社」と略同一と認められる商標であり、使用商標(乙第2号証・乙第4号証)は本件商標と社会通念上同一と認められる商標である。

してみれば、乙第1号証ないし乙第4号証により、本件審判の請求登録前3年以内に日本国内において、被請求人により本件商標が商品「電気通信機械器具、電子応用機械器具」について使用されている事実が認められる。

よって、本件商標はその指定商品について正当に使用されている事実が明らかであるから、本件商標は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものではない。

4 当審の判断

被請求人が本件商標の使用の事実を証明するものとして提出した乙第1号証(会社案内)及び同第3号証(1999年4月発行の商品カタログ)によれば、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標を本件審判の請求に係る指定商品中の「電気通信機械器具の部品および附属品」に含まれる「貫通型端子盤」について使用していたことを認めることができる。

この点について、請求人は、被請求人の使用に係る「貫通型端子盤」は、本質的に「電気機械器具」中の「配電用又は制御用の機械器具」の概念に属するものである旨主張している。

しかしながら、商品のなかには、同じ商品表示であっても、その用途・品質等によって、複数の商品区分あるいは商品概念に属することとされているものもあり、例えば、本件商標の指定商品中の「電気機械器具」に属する商品のなかにも、抵抗器、接続器等の例示のように、「配電用または制御用機械器具」に属する商品であるとしても、その形態、寸法等により電気通信機械器具の部品としてのみ使用されるものは、「電気通信機械器具の部品および附属品」に属する商品として、同じ商品表示をもって例示されている。

しかして、乙第1号証(会社案内)によれば、被請求人は、電子部品(端子盤及びその付属品)の製造販売を主たる業務としている者であり、該会社案内には中継部品としての「端子盤、コネクター」が紹介されているところ、それらの商品群の中には、その用途により、主に制御機器用のもの、防犯・防災機器用のもの、住宅設備機器用のもの、電源機器用のものが掲載されているばかりでなく、情報通信用の端子盤、コネクターも掲載されていることを認めることができる。そして、乙第3号証として提出された「1999年4月発行の商品カタログ」に掲載されている「貫通型端子盤(Through−type Terminal Block)」には、それがプリント基板用の端子盤であることが明示されている。

上記乙号証を総合してみれば、該端子盤は、専ら、情報通信機器用の端子盤として使用されるものとみるのが相当であり、電気通信機械器具の部品および附属品に属する商品というべきである。

してみれば、被請求人の使用に係る中継部品としての端子盤の中に、配電用または制御用機械器具に使用される仕様のものがあったとしても、そのことの故に、本件商標が「電気通信機械器具」に属する商品として使用されていたことを否定することにはならない。

したがって、本件商標の指定商品中、請求に係る商品についての登録は、商標法第50条の規定により取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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