Trademark Appeal Case
プロテインチップの記述性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2000−1453(T2000−1453/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「PROTEINCHIP」の欧文字を横書きしてなり、第5類「医療研究のための診断用医療試薬,薬剤」を指定商品として、平成10年1月5日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『PROTEINCHIP』の欧文字を普通に用いられる方法で書してなるところ、構成中、『PROTEIN』の文字部分は、指定商品との関係から『蛋白質系の薬剤』等の意味合いを容易に看取させる部分であり、『CHIP』の文字部分は、『チップ状,断片状,粉状の意味し、指定商品の形状を表す英語として、容易に認識されものである。そうとすれば、本願商標全体としては、『蛋白質系のチップ状の薬剤』の意味合いを容易に把握し認識するに止まるものであって、前記に照応する商品に使用しても、単に、その商品の品質、形状を表すものとして認識されるに止まり、自他商品の識別標識としての機能を果たすことができないものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記のとおりの構成よりなるところ、本願商標の前半の「PROTEIN」の文字部分は、「蛋白質」を意味するもので、その指定商品の関係からすると、商品の品質、材質を表示するものである。また、後半の「CHIP」の文字は「細片」を意味する英語として親しまれているものであるから、全体をして「蛋白質の細片」を認識するものである。
そして、「PROTEINCHIP」を片仮名で表したものと認められる「プロテインチップ」の文字が、本願指定商品「薬剤」を取り扱う業界及びこれと密接な関係がある医療の業界において、取引上普通に使用されている実情としては、例えば、以下のような新聞記事がある。
(1)「
プロテインチップ
は、たんぱく質を張り付けたチップ。プロテインは、たんぱく質のことで、たんぱく質の検出や、機能判定に役立つ。」(〈解〉ホモロジー検索 2000.4.17 東京夕刊 読売新聞)
(2)「有害微生物に関しては、微生物と産生毒素を検出同定し、殺菌、除去することが課題である。まず、簡易迅速検出測定技術の早期開発が必要である。食中毒防止対策としては短時間に検出測定することが必要であり、現在、生菌数測定には電気的方法、ATP法、蛍光法などがあり、また、免疫原理によるもの、DNAを使う方法などがある。しかし毒素については今後の課題である。近い将来には
プロテインチップ
やDNAチップを開発することで菌と毒素の同定と定量が短時間で可能になろう。」(21世紀食品先端技術考:キーワードは安全性・機能性・環境 2001.1.19 日本食糧新聞)
(3)「患者個人ごとの微妙な遺伝子情報の違いを解析し、最も効果的な薬を投与することが可能になる。高騰する医療費を削減できるほか、親子鑑定や犯罪捜査など医療以外の分野にも応用が見込める。将来はDNAが作るたんぱく質の構造や機能を解析する器具『
プロテインチップ
』を開発し、遺伝子情報を基に新薬を開発できるようにする。」(的確医療へ遺伝子活用、DNAチップ格安量産−凸版・東大、1枚5000円めざす。 2002.3.2 夕刊 日本経済新聞)
(4)「プロテイン社は、すでに新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から立方体の製造依頼を受けており、化学メーカーとも酵素に関する共同研究を進めている。今後は企業などと協力しながら、生体機能の解明や臨床検査などに使う『
プロテインチップ
』や、医薬品の開発などにつなげていく考えだ。」(バイオベンチャーに挑戦 京都工繊大の2人研究/関学教授、がん解明へ=特集 2002.3.18 大阪朝刊 読売新聞)
(5)「『第2回バイオビジネスコンペJAPAN』の本選会が15日開かれ、阪大工学研究科研究員の細川陽一郎氏、プロテインクリスタル(本社・大阪)の池田敬子さんの『新しい
プロテインチップ
の開発』と、野島博・阪大微生物病研究所教授の『次世代マイクロアレイ作成技術』が最優秀賞に選ばれた。賞金は各500万円。優秀賞5件が選ばれた。51件の応募があった。」(バイオビジネス最優秀賞決まる。 2002.4.16 大阪朝刊 朝日新聞)
(6)「大阪大学工学研究科の増原宏教授らは産学連携で、レーザー操作とたんぱく質の生理活性を保つ結晶体を用い新規
プロテインチップ
を開発する。レーザーでダイス状の結晶体を基板上に配列・固定する。たんぱく質は変性しやすく基板へのはり付けが難点だったが、結晶体を利用し課題を克服する。同時に個々のたんぱく質の分子情報や検体との反応メカニズムを調べるレーザー操作顕微分光システムを開発する。創薬化合物探索や疾患診断用のチップ実現につながる技術開発を進める」(阪大、
プロテインチップ
開発へ レーザー操作で結晶体を基板上に配列 2002.7.2 日刊工業新聞)
以上よりすれば、本願商標をその指定商品に使用した場合、上記実情からしても、これに接する取引者、需要者は、その商品が「医療診断用の蛋白質の細片」であると認識し、商品の品質を表示したものと理解するにとどまるものであるから、本願商標は、結局、商品の品質を表示したものであって、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものというのが相当である。
また、本願商標を前記に照応する商品以外の商品について使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものというべきである。
したがって、本願商標を商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
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