Trademark Appeal Case
語頭音の微差と称呼類似
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2001−1517(T2001−1517/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「T−I−O−S」(各文字間のハイフンを含む。)の文字を横書きしてなり、第7類「電動式カーテン引き装置」及び第9類「電子応用機械器具及びその部品」を指定商品として、平成12年1月24日に登録出願されたものである。
2 引用商標
原査定において本願の拒絶の理由に引用した登録第1180320号−11商標(以下「引用商標」という。)は、「DIOS」の欧文字を横書してなり、第11類「電子応用機械器具、その他本類に属する商品」を指定商品として、昭和51年1月19日に設定登録がされ、その後、本権の登録の一部抹消及び分割移転があった結果、指定商品については、第11類「電子応用機械器具、その他本類に属する商品(但し、ラジオ受信機、テレビジョン受信機、音声周波機械器具を除く)但し、民生用電気機械器具、電球類および照明器具を除く」となったものである。そして、同61年5月21日及び平成8年1月30日に商標権の存続期間の更新登録がされているものである。
3 当審の判断
(1) 本願商標について
本願商標は、前記したとおり「T−I−O−S」と、「T」「I」「O」「S」の4つの欧文字を「−(ハイフン)」により連結させた「TIOS」と容易に看取されるものと認められるところ、該文字に相応する知られた語はないから、「TIOS」又は本願商標全体としても、特定の観念を生じない造語よりなるものというのが相当である。
ところで、本願商標のように、ハイフンを介して多数の欧文字を一連に表されている場合、一般的に、ハイフンを記号と解しその各字音をもって発音される場合があるとしても、その字音による発音が冗長となる場合等には、欧文字全体の綴りを一連に発音する場合も決してすくなくないものと言える。
そして、造語と理解される商標にあっては、これに接する需要者は、その発音を知らない場合であっても、これを馴染みのある英語の発音に従って英語風に称呼する場合、ローマ字読みにして称呼する場合、あるいはこれらを組み合わせて称呼する場合があると考えられるところ、わが国においては、例えば、「tissue」や「tiara」を、それぞれ「ティッシュ」、「ティアラ」と発音したり表記したりするように、本願商標中の「T−I(TI)」の部分についても「ティ」と称呼する場合が多いとみるのが相当である。また、本願商標中の「O−S(OS)」の文字部分は、良く知られている語「Oslo」や「Oscar」を「オスロ」、「オスカー」と発音するように、「オス」と発音される場合があるというのが相当である。
そうとすれば、本願商標は、その構成全体をもって、「ティーアイオーエス」の称呼のほか、「ティオス」の称呼をも自然に生ずるものといわなければならない。
(2) 引用商標について
引用商標は、前記のとおり、「DIOS」の欧文字よりなるものであって、該文字に相応する知られた語はないから、全体として特定の観念を生じない造語よりなるものというのが相当である。
そして、本願商標と同様に、一般に、「disk」や「dictionary」を、それぞれ「ディスク」、「ディクショナリー」と発音したり表記したりするように、引用商標中の「DI」の部分についても「ディ」と発音する場合が多いとみるのが相当である。
そうとすれば、引用商標よりは、その構成全体をもって、「ディーアイオーエス」の称呼のほか、「ディオス」の称呼をも自然に生ずるものといわなければならない。
(3)本願商標と引用商標の類否について
本願商標と引用商標より生ずる「ティオス」と「ディオス」又は「ティーアイオーエス」と「ディーアイオーエス」の称呼とは、第1音において「ティ(ー)」と「ディ(ー)」の音の差異を有するほかは、その音の配列を同じくするものである。
しかも、該差異音は、共に舌尖を上前歯のもとに接着して破裂させて発するところを同じくする清音と濁音の近似した音の微差にすぎず、その差異が語頭におけるものであるとしても、それぞれを全体として称呼した場合は、その語調、語感が極めて近似したものとなり、互いに聞き誤られるおそれがあるものである。
そして、本願商標と引用商標とは、前記したとおり、いずれも特定の語義を有しない造語として理解されるものであるから、観念が両称呼の類否判断に影響を及ぼすということもない。
したがって、本願商標と引用商標とは、外観上の差異を有するものであるとしても、称呼上類似の商標であって、本願の指定商品は、引用商標の指定商品と類似するものである。
(4)請求人の主張について
請求人は、語頭部分の差異が全体の称呼に及ぼす影響は大きいから、一連に称呼した場合、十分に聴別し得ると主張し、審決例を挙げているが、本願商標と引用商標とが類似するものであることは前記認定のとおりであり、また、請求人の挙げた登録例・審決例は、対比する商標の構成態様等において本願とは異なるものであるから、上記登録例等をそのまま本願の類否判断に当てはめることは妥当ではなく、上記登録例等の存在をもって本願における類否判断が左右されるものではない。
(5)結語
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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