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Trademark Appeal Case

指定商品の特定可否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成11年審判第31576号
審判種別不服
結論other

結論テキスト

本件審判の請求を却下する。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第216011号商標(以下「本件商標」という。)は、「LUX」の欧文字を横書きしてなり、昭和4年9月9日に登録出願、第69類「電動真空掃除器及其ノ部分品、電動床磨器、電動冷却機械器具並其等ノ部分品、電動皿洗機械器具、電動衣類洗濯機械器具、其ノ他本類ニ属スル商品一切」を指定商品とし、昭和5年5月16日に設定登録され、その後、5回にわたり商標権の存続期間を更新する登録がされ、現に有効に存続しているものである。

2 請求人の主張

請求人は、「本件商標の指定商品中『パチンコ店用の景品管理機及びその類似商品』についての登録を取り消す。審判費用は被請求人の負担とする。との審決を求める。」と申し立て、その理由を要旨以下のとおり述べ、証拠方法として甲第1号証を提出している。

本件商標は、その指定商品中取消請求に係る指定商品について、過去3年間日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実がない。

よって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、その登録を取り消されるべきである。

3 被請求人の主張

被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求める。」と答弁し、その理由を要旨以下のとおり述べ、証拠方法として甲第1号証を提出している。

請求人は、本件商標の指定商品中「パチンコ店用の景品管理機及びその類似商品」についての取り消しを求めているところ、本件商標は昭和4年9月9日に出願され、昭和5年5月16日に設定登録されたものであるが、パチンコ業界唯一の社団法人である日本遊戯関連事業協会(注:甲第1号証によると「日本遊技関連事業協会」と認められる。)が、そのホームページ(http://www.nichiyukyo.or.jp)で公開しているパチンコ産業の歴史(http://www.nichiyukyo.or.jp/history.html)(甲第1号証)によれば、日本国内で最初にパチンコ店が営業許可を受けたのは昭和5年であり、風俗営業取締法により貸玉料金が1個1円に決められたのは昭和23年であり、さらに、パチンコ店に計数管理コンピュータが導入されたのは昭和46年である。

このパチンコ産業の歴史からみても明らかなように、貸玉料金さえ決められていない本件商標が登録された昭和5年当時に、「パチンコ店用の景品管理機」なる商品が日本国内において流通していたとは到底言えるものではない。

(2)請求人が取り消しを求めている「パチンコ店用の景品管理機」なる商品は、パチンコ店用の景品の何をどのように管理するものなのかが全く分からず、その構造が機械式のものなのか、電気的なものなのか、又はコンピュータを利用するものなのかについても全く分からず商品の内容及び範囲が不明確である。

よって「パチンコ店用の景品管理機に類似する商品」を特定することもできず、その商品の内容及び範囲が不明確であり、また、それに類似する商品を特定することができない。

以上申し述べたように、請求人が取り消しを求めている商品はその内容及び範囲が明確ではなく、そのため本件商標の指定商品の中に含まれているか否かも不明瞭であるので、本件審判請求の理由は失当である。

なお、被請求人は、請求人により取り消しの対象となる商品が明らかにされた場合には、その商品についての使用を証明する意思がある。

4 当審の判断

本件商標は、前項1で述べたとおり、昭和4年9月9日に登録出願され、その登録出願時に効力を有する商品の区分第69類に属する商品「電動真空掃除器及其ノ部分品、電動床磨器、電動冷却機械器具並其等ノ部分品、電動皿洗機械器具、電動衣類洗濯機械器具、其ノ他本類ニ属スル商品一切」を指定商品としているところ、本件審判請求の取消の対象となっている指定商品は「パチンコ店用の景品管理機及びその類似商品」(以下「本件取消請求に係る商品」という。)であるが、被請求人は、本件取消請求に係る商品は、本件商標が登録された昭和5年当時、商品として流通していたとはいえず、商品を特定することができないので、本件審判請求は失当である旨主張していることから、この点について判断する。

被請求人が提出した社団法人日本遊技関連事業協会がインターネットを通じそのホームページで公開している「パチンコ産業の歴史(LastUpdate98/07/28)」を印刷した資料である甲第1号証には、「大正9年 米国からパカテル渡来。日本ではコリントゲーム(寝かせ型)の名前で普及。大正13年 宝塚新温泉にヨーロッパのゲームマシン(ウオールマシーンあるいはマシーン・ア・スー=立ち型)登場。大正14年 ヨーロッパの機械を模造した『玉遊菓子自動販売機』が東京のデパート屋上などに。子供のゲームとして人気に。大阪で立体コリントゲームが普及、名古屋・金沢へ(パチンコという名称が生まれたのは金沢といわれている)。昭和5年 愛知県警察部が名古屋で自動遊技機の営業許可(パチンコ店第1号)。昭和10年 メダル式パチンコ機登場、次いで単発機(スチールボール機)も。昭和11年 高知で大流行(半年間で35店開店)。・・・昭和23年 風俗営業取締法施行。パチンコは同法に基づく都道府県条例で許可営業に。貸玉料金1個1円と決まる(競馬法・自転車競技法が相次いで制定され、日本のギャンブル元年)。・・・」と記載されている。

上記甲第1号証及び請求人の主張を総合すると、我が国のパチンコ業界唯一の社団法人である日本遊技関連事業協会の公開している資料「パチンコ産業の歴史」によると、我が国では、大正9年頃コリントゲーム(寝かせ型)が普及、同14年頃にパチンコの原型ともいえる縦型のコリントゲーム機が普及し、パチンコの名称で呼ばれるようになった。その後、昭和5年に愛知県警察部によって我が国で最初のパチンコ店(パチンコ店第1号)の営業許可がされており、同10年頃にメダル式のパチンコが出現、そして、同23年に風俗営業取締法(風俗営業等の規制及び業務の適性化等に関する法律)に基づきパチンコの貸玉料金が決定されていることが認められる。

これらの事実からすると、本格的にパチンコ店としての業務を行う事業者(パチンコ店第1号)の出現は昭和5年と推測され、その出現当初は、パチンコ店で使用される関連専用機器としての商品、例えば、パチンコにおける景品の交換、景品の在庫管理等パチンコ店での景品を管理するための機器が商品として存在したとは到底推測することはできないものである。

ところで、登録商標の指定商品に含まれる商品は、その登録商標の登録出願時に商品として存在する範囲に限られると解され、登録出願時に商品として存在したか否かを検討するに当たっては、当該商品と実質的に同一種類の商品が存在していたか否かを含め検討する必要があり、そのために当該商品の品質、形状、用途、機能等及び当該商品が属するべき商品概念ならびに取引の通念を総合的に勘案して検討すべきものと解されるところである。

そうとすれば、上記において認定された事実からすると、本件商標の登録出願時である昭和4年9月9日には「パチンコ店用の景品管理機」及びその商品と同一種類の商品も存在していなかったものと推認されるところである。また、付随的に記載されている「その類似商品」も存在し得ないといわざるを得ない。

その他、本件取消請求に係る商品が本件商標の登録出願時に存在していたとする証拠はない。また、この点について請求人は、何ら弁駁していない。

してみれば、本件取消請求に係る商品「パチンコ店用の景品管理機及びその類似商品」は、本件商標の指定商品に含まれないものとしなければならない。

したがって、本件取消請求に係る商品「パチンコ店用の景品管理機及びその類似商品」は、取り消すべき対象がないものであるから、本件審判請求は商標法第56条において準用する特許法第135条の規定により、これを却下すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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