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Trademark Appeal Case

脂肪をカット!の品質誤認

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2002−90125(T2002−90125/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4525053号商標の指定商品中「脂肪分の含有量を低減させていないビール、清涼飲料、果実飲料、飲料用野菜ジュース、乳清飲料、ビール製造用ホップエキス」についての商標登録を取り消す。
本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4525053号(以下「本件商標」という。)は、別掲に示すとおりの構成よりなり、平成13年2月5日に登録出願され、第32類「ビール、清涼飲料、果実飲料、飲料用野菜ジュース、乳清飲料、ビール製造用ホップエキス」を指定商品として、平成13年11月22日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立て理由の要点

本件商標は、「脂肪を減らした」という意味を示すにすぎない「脂肪をカット!」という標章とハウスマークのみから構成される商標であるから、本件商標を付してその指定商品が販売された場合、「低脂肪の食品(『脂肪をカットした』食品)」もしくは「体脂肪低減効果のある『医薬品』」であるかのような品質の誤認を生じさせるおそれがある。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第16号に該当するものであるから、その登録は取り消されるべきものであるとして、甲第1号証ないし甲第12号証を提出した。

3 当審が通知した取消理由

登録異議申立人の提出に係る甲号各証によれば、「栄養表示基準における栄養成分等の分析方法等について(平成11年4月26日衛新第13号)」には、国民の栄養摂取状況からみて,過剰摂取が国民の健康の保持増進に影響を与えているものとして、熱量や脂質、飽和脂肪酸、コレステロール、糖類、ナトリウムの栄養成分があり、これらのいずれかについて量が少ないことを強調する場合は、基準としてそれぞれ定められた数値以下の含有量であることが求められている旨記載されており、「栄養表示基準等の取扱いについて(平成8年5月23日衛新第46号)」においては、低い旨の表示をする場合の基準が定められ、その中には、脂質についての基準も規定されている。また、社団法人全国公正取引協議会連合会は、栄養改善法による強調表示の一般的事例として、「カット」の語をある栄養分の含量を低減させたことを示す代表的表現の一つとして示している。そして、食品業界においては、商品説明書等において、「脂肪分1/3カット」「89.8%脂肪カット」「脂肪分をカットしたヘルシー食品」等の如く表示している事実を認めることができる。

しかして、本件商標は、その構成中に脂肪分を減少させたことを表す「脂肪をカット」の文字にこれを強調するエクスクラメーションマーク(感嘆符)を付加してなるところ、一般的な取引者・需要者は、個別具体的な食品について、脂肪分を含んでいるのか否か必ずしも正確に理解・認識しているものとは限らず、又、どの程度の脂肪分を含んでいるのかを知ることはむしろ困難なことであって、通常、食品に付されている表示を拠り所として取引に当たらざるを得ないところである。

そうとすれば、上記のような取引の実情のもとにおいて、食品の表示中に「脂肪をカット!」の文字があれば、これに接する取引者・需要者は、その表示を信頼して、該商品は脂肪分を減少させてあり、健康の保持増進に役立つ食品であるとの認識を抱くものといわなければならない。

してみれば、本件商標は、これをその指定商品中の脂肪分の含有量を低減させていない食品について使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせ、消費者の食品表示に対する信頼性を損なうものといわなければならない。

したがって、本件商標は、その指定商品中の「ビール,清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,乳清飲料,ビール製造用ホップエキス(但し、それらの商品中脂肪分の含有量を低減させていないものを除く。)」以外の商品については、商標法第4条第1項第16号に違反して登録されたものである。

4 商標権者の意見

前記の取消理由の通知に対し、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、商標権者からは何らの応答もない。

5 当審の判断

本件商標について商標法第4条第1項第16号を理由とする前項3の取消理由は妥当なものと認められる。

したがって、本件商標の登録は、その指定商品中結論掲記の商品については、この理由をもって商標法第43条の3第2項の規定により、取り消すべきものである。

ただし、本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品については取り消すべき理由がないものであるから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持する。

よって、結論のとおり決定する。

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