Trademark Appeal Case
称呼類似と要部抽出の判断
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2002−90278(T2002−90278/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4541144号商標(以下「本件商標」という。)は、「パールラッシュ」の片仮名文字と「PEARL RUSH」(半文字程度の間隔を含む。)の欧文字とを二段に横書きしてなり、平成13年2月22日に登録出願、第3類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成14年2月1日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用に係る「GUCCI RUSH」(半文字程度の間隔を含む。)の欧文字からなり、第3類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品とする登録第4336296号商標(平成10年11月30日登録出願、同11年11月19日設定登録、以下「引用商標」という。)は、申立人あるいはそのライセンシーが香水に使用する著名な商標である。申立人は、引用商標を「GUCCI RUSH」、「GUCCI rush」あるいは「GUCCI rush2」として使用しているが、簡易迅速を尊ぶ商取引において、引用商標は「rush」「RUSH」あるいは「ラッシュ」と省略され取引に供されている。しかるに、申立人の著名商標の一部である「RUSH」を含む本件商標を付したせっけん類、香料類、化粧品、歯磨きに接した需要者・取引者は、当該商品を申立人あるいはそのライセンシーが提供する商品であると誤認し、商品の出所の混同を生ずるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであり、その登録は取り消されるべきである。
3 当審の判断
本件商標は、前記のとおり「パールラッシュ」と「PEARL RUSH」の両文字よりなるところ、上段の「パールラッシュ」の片仮名文字は下段の「PEARL RUSH」の欧文字の読みを示したもので、それらの文字はいずれも同じ書体でまとまりよく、それぞれ一連に一体的に表され、「PEARL」と「RUSH」の文字間には特に軽重の差を見出すことができないものである。しかも、全体を一連に読んだ「パールラッシュ」の称呼も格別冗長というものでもなく、一気に淀みなく称呼し得るものであるから、本件商標は、かかる構成にあっては、欧文字、片仮名文字とも全体をもって一体不可分のものとみるのが相当である。
これに対し、申立人又はそのライセンシーが香水に使用していると述べる引用商標は、「GUCCI RUSH」の欧文字よりなるものであって、申立人の提出に係る証拠によれば、同香水が「世界の一流品大図鑑2000年度版」(甲第4号証)、「同2001年版」(甲第5号証)、「同2002年版」(甲第6号証)に掲載されており、また、「香水図鑑2002年度版」(甲第7号証)、「世界の香水コレクション2001」(甲第8号証)などの書籍、雑誌に同香水に関する紹介記事、広告等が掲載されていて、さらに、インターネット上に、同香水を販売する旨、あるいは同香水の売上が上位にランクされている旨などを記載したページが掲載されている(甲第30号証ないし同第36号証)。
上記事実よりすると、申立人の「GUCCI RUSH」の香水は、我が国において取引者、需要者の間に人気を博しているものであることは認められるところである。
しかして、申立人は、引用商標は「rush」、「RUSH」あるいは「ラッシュ」と省略され取引に供されていると述べるが、提出された甲号各証には「GUCCI RUSH」又は「グッチ ラッシュ」と記載されているほか、「rush」、「RUSH」又は「ラッシュ」と省略して記載されているものがあるとしても、その多くは、「GUCCI(グッチ)」の香水であることも併せ記載していることからして、いずれも、「GUCCI RUSH」、「グッチ ラッシュ」と需要者の間に認識されているものとみるのが相当である。
そうとすれば、それぞれの構成文字に相応して、本件商標は「パールラッシュ」、引用商標は「グッチラッシュ」の称呼を生ずるものと認められることから、両商標は、外観、観念においてはもとより、上記両称呼においても明らかな差異を有し類似するものということはできないものであり、他に混同を生ずる特段の事情は見出せないものである。
してみれば、本件商標をその指定商品に使用した場合、取引者・需要者がこれより直ちに引用商標を連想、想起するものとみることができないから、本件商標は、申立人又は申立人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものといわなければならない。
以上のとおりであり、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものと認めることはできないものである。
したがって、本件商標は、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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