Trademark Appeal Case
ef shopとEFの称呼・外観類似性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2002−90350(T2002−90350/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4545930号商標(以下「本件商標」という。)は、「ef shop」の欧文字を標準文字で横書きしてなり、平成12年6月30日に登録出願、商品及び役務の区分、第9類、第37類、第38類、第41類、第42類の商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同14年2月22日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由(要旨)
(1)引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第3120177号商標は、別掲(ア)の構成よりなり、平成4年9月30日に登録出願、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授」を指定役務として、同8年2月29日に設定登録され、同登録第4126845号商標は、 別掲(イ)の構成よりなり、平成6年6月14日に登録出願、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授」を指定役務として、同10年3月20日に設定登録されたものである(以下、これらを一括して「引用商標」という。)。
(2)商標法第4条第1項第11号について
申立人は、1965年に設立された世界最大級の語学教育機関であるEF Educationのグループ企業に属するスイス法人であり、引用商標の商標権者である。
我が国においては、グループ傘下企業である昭和48年設立のイー・エフ・力レッジズ・インタースタディ・ファーイースト株式会社が、長年にわたり欧州その他の国への語学研修旅行の計画斡旋や、旅行業を営んできている(甲第3号証及び甲第4号証)。
1996年度から1998年度(会計年度)迄の同社の記事・広告宣伝印刷物費用は、甲第5号証に記載のとおりである。
甲第6号証乃至甲第28号証は、1985/1986年版以来、本件商標の出願前に発行された2000−2001年版の同社のパンフレット写しである。甲第29号証乃至甲第42号証は、94年から2000年6月30日以前に頒布された同社の新聞・雑誌の記事・広告類写しである。
甲第43号証乃至甲第47号証は、申立人等の提供する役務を紹介する最近のウェブページのハードコピーである。甲第9号証のパンフレット第4頁及び第5頁には、以下のような記載がある。
「EFは,12の条件をそろえています」「1 各国機関が公認するスクール 英米には、語学学校やその他の教育機関を監視する公的機関があります。EFは、25年にわたって語学教育の高い水準を保ってきました。そして今では最高のレベルを誇るランゲージ・スクールとして、ブリティッシュ・カウンシルや合衆国各種学校・カレッジ協会などの各国の公的教育機関に公認されています。イギリスにおいては、公認語学教育機関連盟にも加入しています。」「2 世界的な名声 EFの学生は世界各国から集まってきます。どのクラスもインターナショナルなクラス編成をとっており、マスターしたい言葉で会話が進みますので、語学力は刻々と上達してきます。そしてEFが提供するハイクオリティーなランゲージ・コースでは自然に国際性が養われます。この豊かな国際性こそEFが世界的リーダーという名声を獲得した要因のひとつなのです。」「10 大学寮生活経験 アメリカのEF校では、大学寮滞在という独特の経験もできます。...」また、甲第9号証の第6頁以下には、「EF独自の教育システム」として語学教育のコースが紹介されている。更に、例えば甲第9号証の第25頁の右下には、「費用に含まれるもの」として「宿泊施設 大学の学生寮の個室。またはホストファミリーの2人部屋。(個室希望者は、週3,500円の追加料金が必要)」との記載がある。同第30頁には、「EF渡航サービス コースお申し込み時にEFの渡航サービスをご利用になれます。EF日本事務局のスタッフによりコース開始日および期間、出発地、目的地を可能な限り安価な費用で最も便利な旅行を手配致します。...」との記載がある。
甲第6号証乃至甲第8号証、甲第10号証乃至甲第28号証のパンフレットの記載も上記と類似のものである。甲第20号証第23頁には、「EFの寮は、2ヶ所ある学生会館...のひとつに隣接しています。」、甲第26号証第29頁には、「EFでは、2ケ所ある学生会館のひとつ...に隣接して、専用の寮を確保しています。」等の記載に加え、基本的に寮の宿泊費用も費用に含まれる旨の説明がある。
甲第3号証乃至甲第47号証から明らかな通り、申立人等のグループは長年にわたり語学教育を行ってきており、宿泊施設(寮)の提供、語学研修旅行の計画斡旋、宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎを含む旅行業をも営んできている。役務提供に当たり、申立人の所有する図案化された引用EFロゴ商標が使用されている他、通常書体の「ef」若しくは「EF」の欧文字又は「イー・エフ」の片仮名文字が上記役務に関して使用されている。
したがって、本件商標出願以前に、引用商標及び「ef」、「EF」、「イー・エフ」は、申立人等の業務に係る上記役務を表示する商標として我が国において著名となっていた。
引用商標は、必ずと言って良いほど「ef」、「EF」、「イー・エフ」の文字商標と共に使用されてきており、これより「イーエフ」の称呼を生ずる。
そして、本件商標は「ef shop」の文字からなるところ、「shop」の文字部分は「店舗」を意味する英語として識別力が弱いこと、また本件商標出願以前から著名となっていた引用商標が「イーエフ」の称呼を生ずることから、少なくとも引用商標の指定役務と同一又は類似の役務につき「ef」の文字部分が要部となり、これより「イーエフ」の称呼を生ずる。したがって、本件商標は称呼において引用商標と類似し、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第15号について
引用商標及び「ef」、「EF」、「イー・エフ」の各商標が、本件商標の出願前に申立人等の提供する語学教育、宿泊施設(寮)の提供、及び宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎを含む旅行業につき我が国において著名となっていた。従って、「ef」の欧文字を構成文字中に含む本件商標は、少なくともこれらと同一、類似又は密接な関連を有する第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授」、第42類「宿泊施設の提供、宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ」につき、申立人等の業務に係る役務と混同を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第15号に該当する。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、「ef shop」の欧文字を横書きに書してなるものであるところ、前半部の「ef」と後半部の「shop」は、同じ書体で左右バランスよく表わされていることから、外観上一体として把握し得るものである。また、「ef shop」より生ずると認められる「イーエフショップ」の称呼は、それ程冗長なものとはいえず、よどみなく一連に称呼し得るものである。さらに、本件商標を、「ef」と「shop」とに分離して称呼しなければならないとする格別の事情も認められない。
そうとすれば、本件商標中、後半部の「shop」の文字が「店舗」の意味を有する英語であるとしても、かかる構成においては、全体をもって一連の造語を表した商標とみるのが相当である。
してみれば、本件商標は、「イーエフショップ」の一連の称呼のみを生じ、造語を表した商標であると認められる。
ゆえに、本件商標中の「ef」の文字部分のみをとらえ、これより「イーエフ」の称呼をも生ずるものとし、その上で本件商標と引用商標とが称呼上類似するという申立人の主張は、採用することができない。
また、本件商標と引用商標とは、外観及び観念において類似とすべき点は見出せない。
したがって、本件商標と引用商標とは、称呼、外観及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標といい得るものである。
(2)商標法第4条第1項第15号について
本件商標と引用商標とが別異の商標であること、上記(1)認定のとおりである。
また、申立人は引用商標の周知・著名性を立証する証拠として、パンフレット、カタログ、雑誌の広告、新聞広告・記事等を甲号証として提出しているが、それらは、語学研修、留学希望者等、特定の需要者を対象とするものであり、かつ、使用されている商標も引用商標とは態様を異にするものが多く、当該証拠によっては、引用商標が、申立人の役務を表すものとして、一般の取引者、需要者間に広く認識されていると認めるには足りない。
したがって、本件商標をその指定役務に使用した場合、引用商標を連想・想起したり、また、その役務が申立人及び申立人と何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかの如く、取引者、需要者間にその役務の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわざるを得ない。
(3)結び
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号の規定に違反してされたものでないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
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