Trademark Appeal Case
著名人名商標の称呼類似性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2002−90346(T2002−90346/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4545332号商標(以下「本件商標」という。)は、「TOM FORD」の文字を横書きしてなり、1998年2月24日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成10年8月24日に登録出願、第3類、第25類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品又は指定役務として、平成14年2月22日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
本件商標は、登録異議申立人の引用に係る、別掲1に示したとおりの構成よりなり、昭和58年12月17日に登録出願、第24類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、昭和61年1月24日に設定登録された登録第1836577号商標、別掲2に示したとおりの構成よりなり、昭和58年12月17日に登録出願、第22類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、昭和61年3月26日に設定登録された登録第1851140号商標、及び「フォード」の文字(標準文字よりなる)を横書きしてなり、平成9年10月3日に登録出願、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成11年10月29日に設定登録された登録第4330329号商標(以下、これらを一括して「引用A商標」という。)と外観、称呼、観念において類似する商標であり、その指定商品も同一又は類似するものである。また、別掲3に示したとおりの構成よりなり、明治43年7月22日に登録出願、第20類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、明治43年12月14日に設定登録、平成14年10月9日に第7類及び第12類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品に指定商品の書換登録がされた登録第43834号商標(以下「引用B商標」という。)は、申立人の販売する商品を表示するものとして著名になっていたものであるから、本件商標は、商品又は役務の出所について混同を生ずるおそれがある。したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものであり、その登録は取り消されるべきである。
3 当審の判断
本件商標は、前記のとおり「TOM FORD」の文字よりなるものであって、「TOM」及び「FORD」の両文字が同じ書体、同じ大きさで一体的に表されており、全体より生ずる称呼も冗長なものではなく、よどみなく一気に称呼し得るものである。そして、これら両文字は、欧米人の氏又は名として多く用いられていて、「TOM FORD」の文字全体として欧米人の氏名を表したものと看取されるものである。しかも、全国版の日刊新聞紙である「読売新聞」(平成9年4月10日付)に「グッチのブランドイメージを中心的に生み出しているのは、九四年に三十代の若さでクリエーティブ・ディレクターに就任した米国人トム・フォード氏。・・・次々と発表するコレクションは世界の注目を集め、九五年に米・年間最優秀国際デザイナー賞、九六年に日本ファッションエディターズ・クラブ賞とスペインのアグヤ・デ・オロ賞ベストデザイナー賞などを受賞。「最も才能あふれるクリエーター」と評されている。」と記載さているように、アメリカのファッションデザイナーである「TOM FORD(トム・フォード)」については新聞、雑誌等で縷々報道・紹介されていて、「TOM FORD(トム・フォード)」は、本件商標の登録出願の時には、アメリカのファッションデザイナーとして取引者、需要者の間に広く知られていたということができる。
そうすると、本件商標は、全体をもって一体不可分の構成よりなるものというべきであるから、構成文字の全体に相応して「トムフォード」の称呼のみを生ずるものと認められる。
これに対し、引用A商標は、別掲の1及び2あるいは前記のとおりの構成よりなるものであり、「Ford」又は「フォード」の文字に相応して「フォード」の称呼を生ずるものである。
してみれば、本件商標は、引用A商標と「トムフォード」、「フォード」の称呼間に構成音数、音構成に明らかに差異を有するものであるから、称呼において類似するものではなく、それぞれの構成からして、外観、観念においても類似するものではないと認められる。
また、申立人の主張するように、引用B商標は、申立人の自動車等の商標として取引者、需要者の間に広く知られ著名であるものと認められる。しかしながら、上述のとおり、本件商標は、全体として上記アメリカのファッションデザイナーの氏名を表したと認識されるものであって、これをその指定商品及び指定役務に使用した場合、これに接した取引者、需要者がこれより引用B商標を直ちに連想、想起するものとは判断することができないから、本件商標は、申立人又は申立人と関係のある者の業務に係る商品又は役務であるかのように、その出所について混同を生ずるおそれはないものと判断するのが相当である。
以上のとおりであり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものではない。
したがって、本件商標は、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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