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Trademark Appeal Case

称呼類似と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2002−90458(T2002−90458/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4557742号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4557742号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成13年10月11日登録出願、第33類「ウォッカ」を指定商品として、同14年4月5日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立の理由

本件商標は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、平成2年12月7日登録出願、第28類「酒類(薬用酒を除く)」を指定商品として、同5年7月30日に設定登録された登録第2560817号商標(以下「引用商標A」という。)、別掲(3)のとおりの構成よりなり、平成9年7月30日登録出願、第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」を指定商品とする商願平9−142909号商標(以下「引用商標B」という。)、及び「WYBOROWA」の文字を標準文字として、平成12年2月1日登録出願、第33類「ウォッカ,ブランデー,その他の洋酒,果実酒,日本酒,中国酒,薬味酒」を指定商品とする商願2000−6764号商標(以下「引用商標C」という。)と称呼及び外観において類似する商標であって、その指定商品も同一又は類似の商品である。

また、登録異議申立(以下「申立人」という。)が引用する引用各商標「WYBOROWA」は、本件商標の登録出願日前より、申立人の取扱いに係る商品「ウォッカ」を表示するものとして、取引者、需要者の間に広く認識されていたものであり、引用各商標に類似する本件商標をその指定商品に使用する場合には、出所の混同を生ずるおそれがある。

のみならず、著名な「WYBOROWA」と類似する本件商標を登録することは、申立人が長年にわたる宣伝・輸出活動により築き上げた知名度を利用して不正に利益を得ようとするものである。したがって、本件商標は、不正の目的をもって使用するものである。

さらに、申立人は、本件商標の権利者との間で「商標合意契約書」を取交わしており、該契約の中で本件商標の権利者は、「WYBOROWA」及びこれに類似する商標の使用及び法的保護を要求しないことを約束している。それにもかかわらず、「WYBOROWA」商標に類似する登録出願をして本件商標の登録を得たことは、その契約に反するものであって、公序良俗に反するものである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同法第8条第1項、同法第4条第1項第15号、同第19号及び同第7号に該当するので、商標法第43条の2第1号の規定により、その登録を取り消されるべきである。

3 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、別掲(1)のとおり、図形と「WYBORNA」、「VODKA」の各文字よりなるところ、図形部分と文字部分を常に一体のものとして見なければならない特段の理由はないから、図形部分と文字部分は、それぞれ独立して自他商品の識別標識としての機能を果たすものといえる。

そして、本件商標中の文字部分である「WYBORNA」、「VODKA」は、「WYBORNA」が特定の意味を有しない造語よりなるものと理解されるのに対し、「VODKA」は「ウォッカ」を意味し、本件商標の指定商品を指称する語であって、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものであるから、本件商標に接する取引者、需要者は、「WYBORNA」の文字部分を捉え、これより生ずる称呼のみをもって商品の取引に当たる場合が多いというのが相当である。

そこで、本件商標中の「WYBORNA」の文字部分より生ずる称呼についてみるに、該文字は、わが国の一般世人においては、馴染みの薄い極めて特異な綴り文字よりなるものであり、その読み方については、にわかに判然としないところはあるが、全体が欧文字より構成されており、また、わが国で最も親しまれている外国語が英語であることからすると、これを英語の読み方に倣い、「ワイボーナ」又は「ウィボーナ」と称呼して、商品の取引に当たる場合が多いと考えられ、したがって、本件商標は、その構成中の「WYBORNA」の文字部分に相応して、「ワイボーナ」又は「ウィボーナ」の称呼をも生ずるものといわなければならない。

他方、引用商標A及び引用商標Bは、別掲(2)、(3)のとおり、いずれも図形と文字との組合せよりなるものであるところ、本件商標と同様に、その構成中のそれぞれ文字部分である「WYBOROWA」(引用商標A)、「Polmos」、「WODKA」、「WYBOROWA」(引用商標B)は、それ自体独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものである。

そして、引用商標B中の文字部分は、前記のように「Polmos」、「WODKA」、「WYBOROWA」と書されているものであるところ、「Polmos」の文字部分は、比較的小さく花文字風に読みにくい態様で書されているものであるから、見やすく顕著に書された「WODKA」、「WYBOROWA」の文字部分を捉えて商品の取引に当たるものとみられ、その場合、「WODKA」の文字部分は、「ウォッカ」を意味し、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものであるから、これに接する取引者、需要者は、「WYBOROWA」の文字部分より生ずる称呼をもって自他商品の識別標識とするとみるのが相当である。

また、引用商標Cは、前記のとおり、「WYBOROWA」の文字よりなるものである。

そこで、引用各商標を構成する「WYBOROWA」の文字(部分)より生ずる称呼についてみるに、該文字は、本件商標中の「WYBORNA」の文字部分より生ずる称呼と同様の理由により、これを英語風に読んだ場合の「ワイボロワ」又は「ウィボロワ」の称呼が生ずるものというのが相当である。したがって、引用商標A及び引用商標Bは、その構成中の「WYBOROWA」の文字部分に相応して、「ワイボロワ」又は「ウィボロワ」の称呼をも生ずるものであり、また、引用商標Cは、その構成文字より「ワイボロワ」又は「ウィボロワ」の称呼を生ずるものといわなければならない。

してみると、本件商標より生ずる「ワイボーナ」又は「ウィボーナ」の称呼と引用商標Aないし引用商標Cより生ずる「ワイボロワ」又は「ウィボロワ」の称呼とは、後半部において本件商標における「ボ」の長音及び「ナ」、引用各商標における「ロワ」の音の差異を有するものであるから、それぞれを全体として称呼した場合においても、互いに聴別し得るものである。

また、本件商標と引用各商標は、それぞれ前記した構成よりみて、外観上明らかに区別し得る差異を有するものである。仮に、本件商標の「WYBORNA」の文字部分と引用各商標の「WYBOROWA」の文字部分とを抽出してこれを比較した場合においても、後半部において「N」と「OW」の文字の差異を有するものであり、別異の字形として認識、看取されるものであるから、通常の注意力をもってすれば、見誤るおそれはないものというのが相当である、

さらに、本件商標の「WYBORNA」の文字部分と引用各商標の「WYBOROWA」の文字部分は、前記のとおり、造語よりなるものと認められるものであるから、観念においては比較することができない。

したがって、本件商標と引用各商標とは、その称呼、外観及び観念のいずれからしても非類似の商標といわざるを得ない。

(2)商標法第4条第1項第15号、同第19号及び同第7号について

申立人は、「申立人は、1962年から現在に至るまで『WYBOROWA』商標を使用したウォッカを国際的な品評会に出品し賞を獲得とした」旨主張し、甲第5号証を提出しているが、甲第5号証は、いかなる事柄を内容とするカタログであるか把握することができないのみならず、その発行年月日も不明である。そして、甲第5号証のみをもってしては、引用各商標が、申立人の取扱いに係る商品「ウォッカ」を表示するものとして、少なくとも日本国内において本件商標の登録出願前より、その取引者、需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。

してみると、本件商標は、これをその指定商品について使用しても、その取引者、需要者をして、引用各商標を連想、想起させるものとはいえないから、本件商標を使用した商品が、申立人又は申立人と経済的、組織的の関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その出所について混同を生じさせるおそれがあるものとは認めることはできない。

その他、本件商標が、申立人の業務に係る商品と混同を生じさせるおそれがあると認めるに足る証左は見出せない。

また、ポーランド国ポズナン地方裁判所の決定(甲第7号証)が、わが国において拘束力を有するものとは認め難いところであるから、これをもって直ちに商標権者が本件商標を不正の目的をもって使用をするものであるとすることはできない。

さらに、申立人は、申立人と本件商標の権利者との間で取り交わした「商標合意契約書」(甲第6号証)を提出し、本件商標の権利者は、「WYBOROWA」及びこれに類似する商標の使用・法的保護を要求しないことを約束したにもかかわらず、本件商標を登録出願し、登録を受けたことは上記契約に反するから、公序良俗に反する旨主張するが、本件商標と引用各商標は、同一の商標でないことはいうまでもなく、前記認定のとおり、類似の商標とも認めることはできない。したがって、上記契約違反をもって、公序良俗に反する旨の申立人の主張は採用できない。

(3)むすび

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同法第8条第1項、同法第4条第1項第15号、同第19号及び同第7号に違反して登録されたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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