Trademark Appeal Case
図形商標の類否判断
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2002−90449(T2002−90449/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本件商標
本件登録第4556382号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成13年5月18日登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同14年4月5日に設定登録されたものである。
第2 登録異議の申立ての理由(要旨)
1 登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、次の(ア)ないし(エ)の商標を引用する。
(ア)国際登録第752774号商標は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、第3類、第9類、第14類、第16類、第18類、第19類、第20類、第21類、第24類、第25類、第27類、第34類及び第35類に属する国際商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、2000年(平成12年)11月20日を国際登録日とするもの(以下「引用商標A」という。)である。
(イ)登録第2072497号商標は、別掲(3)のとおりの構成よりなり、昭和54年9月25日登録出願、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同63年8月29日に設定登録されたもの(以下「引用商標B」という。)である。
(ウ)登録第1635912号商標は、昭和54年9月25日登録出願、別掲(3)のとおりの構成よりなり、第22類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同58年11月25日に設定登録されたもの(以下「引用商標C」という。)である。
(エ)登録第1560711号商標は、別掲(3)のとおりの構成よりなり、昭和54年9月25日登録出願、第21類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同58年1月28日に設定登録されたもの(以下「引用商標D」という。)である(以下上記各商標を一括していうときは、「引用各商標」という。)。
2 商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、引用商標Aないし引用商標Cと外観上類似する商標であり、本件商標の指定商品が引用商標Aないし引用商標Cと抵触することは明らかである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、その登録を取り消されるべきである。
3 商標法第4条第1項第15号について
引用商標Bないし引用商標Dは、申立人の製造、販売等の業務に係る商品に使用され、本件商標の登録出願前より全世界に著名なものとなっているから、本件商標がその指定商品に使用されるときは、その商品が恰も申立人の製造、販売に係る商品であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものであるから、その登録を取り消されるべきである。
4 商標法第4条第1項第19号について
本件商標は、引用商標Bないし引用商標Dの著名性を自己の利益に利用しようとするばかりでなく、引用商標Bないし引用商標Dの著名性を希釈することになるフリーライドであって不正の目的によるものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当するものであるから、その登録を取り消されるべきである。
第3 当審の判断
本件商標は、長方形を3分割にし、そのうち左右の面積部分を黒塗りにした図形の中央に上下にはみださせたローマ文字の「V」状の図形を配置してなるものであり、全体が一体的に構成された図形よりなるものである。
他方、引用A商標は、図形と「VALENTINO」の文字よりなるところ、これを一体のものとしてみなければならない特段の理由はないから、それぞれ独立して自他商品の識別標識としての機能を果たすものである。
しかして、引用A商標の図形部分及び引用B商標ないし引用D商標の図形は、ローマ文字の「V」状の図形の初筆部の左から発し、「V」状の図形の下部に接するように楕円状の輪郭を描き、該輪郭は「V」状の図形の終筆部の右に達するように描いた図形よりなるものであって、「V」状の図形のみが独立して看取されるものではない。
してみると、構成全体をもって一体のものとして看取される本件商標と引用各商標の図形部分とは、外観上明らかに区別し得る差異を有するものであるから、それぞれの商標を時と所を異にし離隔観察するとしも外観上相紛れるおそれはないものとみるのが相当である。
また、本件商標は特定の称呼、観念を生ずるものとは認められないから、この点において比較することはできない。
そうとすれば、本件商標と引用各商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれの点においても非類似の商標といわざるを得ない。
さらに、申立人の提出に係る甲第20号証ないし甲第57号証によれば、申立人は、引用各商標を申立人の業務にかかる商品「婦人服、紳士服、ネクタイ、」等に使用した結果、本件商標の登録出願時には、わが国において広く知られに至っていたものと認め得るとしても、本件商標と引用各商標とは、前記したとおり、互いに非類似の商標であり、別異の商標と認識、理解されるものであるから、本件商標は、申立人又は引用各商標を連想、想起することはないものというのが相当である。
してみれば、本件商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、申立人又は申立人と経済的、組織的に関係のある者の業務に係るものであるかの如く、商品の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。
また、本件商標は、引用各商標の周知著名性にフリーライドしようとする不正な意図があったものと断定する根拠は見あたらない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第19号に違反して登録されたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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