Trademark Appeal Case
称呼の類似性と聴別
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2002−90443(T2002−90443/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4558107号商標(以下「本件商標」という。)は、「VOLTZ」の欧文字を標準文字とし、平成13年1月17日登録出願、第12類「航空機並びにその部品及び附属品,鉄道車両並びにその部品及び附属品,自動車並びにその部品及び附属品,二輪自動車並びにその部品及び附属品,自転車並びにその部品及び附属品,乳母車,車いす,人力車,そり,手押し車,荷車,馬車,リヤカー,タイヤ又はチューブの修繕用ゴムはり付け片」を指定商品として、同14年4月5日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立の理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録第477334号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、昭和30年5月14日登録出願、第20類「車輌、船舶、その他運搬用機械器具及びその各部」を指定商品として、同31年2月25日に設定登録されたものである。同じく、登録第477335号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、昭和30年5月14日に登録出願、第20類「車輌、船舶、その他運搬用機械器具及びその各部」を指定商品として、同31年2月25日に設定登録されたものである。同じく、登録第1050692号商標(以下「引用商標3」という。)は、「ボルボ」の片仮名文字を横書きしてなり、昭和45年10月21日登録出願、第12類「輸送機械器具、その部品及び附属品」を指定商品として、同49年1月14日に設定登録されたものである。
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、引用商標1及び引用商標2に類似し、その指定商品も同一又は類似するものである。
(2)商標法第4条第1項第10号について
本件商標は、申立人の商標として広く一般に知られている引用商標1ないし引用商標3に類似し、その指定商品と同一又は類似する商品について使用するものである。
(3)商標法第4条第1項第15号について
引用商標1及び引用商標2は、申立人の商標として広く一般に知られているから、これと類似する本件商標がその指定商品に使用された場合、商品の出所について混同を生じさせるおそれがある。
(4)商標法第4条第1項第7号について
本件商標は、申立人の著名商標にフリーライドするものであり、公序良俗に反するものである。
(5)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第10号、同第15号及び同第7号に該当するものであるから、その登録を取り消されるべきである。
3 当審の判断
本件商標は、「VOLTZ」の文字に相応し、「ボルツ」の称呼を生ずるものである。
他方、引用商標1は、「VOLVO」の欧文字よりなるものであり、引用商標2は、その構成中に「VOLVO」の欧文字を有するものであるから、引用商標1及び引用商標2は、「VOLVO」の文字に相応し「ボルボ」の称呼を生ずるものである。また、引用商標3は、「ボルボ」の文字に相応し「ボルボ」の称呼を生ずること明らかである。
そこで、本件商標より生ずる「ボルツ」の称呼と引用各商標より生ずる「ボルボ」の称呼を比較すると、両称呼は、共に3音からなり、前半部において「ボル」の音を共通にし、語尾において「ツ」と「ボ」の音の差異を有するものである。
しかして、その差異音である「ツ」と「ボ」の音は、前者が舌尖を上前歯のもとに密着して破裂させて発する無声子音(ts)と母音(u)との結合した音節に対し、後者が両唇の閉鎖による有声破裂音(b)と母音(o)との結合した音節であって、その音質、音感が異なり、3音という短い全体の称呼に及ぼす影響は大きく、両者をそれぞれ一連に称呼するとしても、互いに聴別し得るものというのが相当である。
また、本件商標は、特定の意味を有しない造語よりなるものと認められるから、観念においては比較することはできなものであり、外観においても互いに区別し得る差異を有するものである。
してみれば、本件商標と引用各商標とは、その称呼、観念及び外観のいずれの点においても非類似の商標といわざるを得ない。
さらに、申立人の提出に係る甲第6号証ないし甲第36号証によれば、申立人は、引用商標1及び引用商標2を自動車等に長年使用して本件商標の登録出願時には既に我が国において取引者、需要者の間に広く知られていたものと認め得るとしても、前記したとおり、本件商標とは非類似の商標であり、別異の商標と認識、理解されるものである。
そうとすれば、本件商標は、これをその指定役務に使用した場合、申立人の使用商標を連想、想起させるものとはいえないから、申立人又は申立人と経済的、組織的の関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれがあるものとは認められない。
また、本件商標権者が申立人の業務に係る引用商標にフリーライドする不正の目的があったものと断定することはできないし、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがあるものとする理由も見あたらない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同第10号、同第11号及び同第15号に違反して登録されたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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