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Trademark Appeal Case

周知性立証の証拠不十分

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2002−90434(T2002−90434/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4555230号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4555230号商標(以下「本件商標」という。)は、平成13年4月13日に登録出願され、「フレックス」の文字と「FLEX」の文字とを二段に横書きしてなり、第5類「薬剤」を指定商品として、同14年3月29日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由

(1)商標法第4条第1項第10号について

異議申立人(以下「申立人」という。)は、診断薬を中心に、臨床検査市場において幅広い製品群及びサービスを提供するリーディングカンパニーである。

「FLEX」の文字からなる商標(以下「引用商標」という。)は、申立人が提供する多目的用自動分析システム「Dimension」において使用する試薬であり、アメリカ合衆国においては、1999年8月17日付で登録されている(登録番号第2270686号)。日本においては、昭和61年6月24日付で医薬品輸入承認申請書が提出され、同年11月26日付で輸入承認を受けた後、日本全国において販売され、使用されてきた。

申立人は、「FLEX」の名称で67製品に及ぶ商品を展開し、各種パンフレットを作成し、全国の医療機関に販売してきた。又、各地の大学病院の検査部においても使用されており、平成14年9月12日、13日に行われた第34回日本臨床検査自動化学会大会においても、「フレックス」を対象とした研究発表が複数人により行われている。

その結果、本件商標の出願時ばかりでなく登録査定時においても、引用商標は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されていたことは明らかである。そして、両商標は、称呼及び外観において類似し、類似する商品について使用をするものである。

(2)商標法第4条第1項第15号について

引用商標の周知性は、上記のとおりであるところ、「医薬品」は世界的に流通、使用されることが多い性格の商品であり、米国において登録されている引用商標と類似する本件商標がその指定商品に使用された場合、需要者をして、申立人の業務に係る商品であるかのように、誤認混同を起こす可能性が高いといわざるを得ない。

また、引用商標が使用される商品の取引者及び需要者層は医療関係者という限られた層であり、このような取引実情及び本件商標と引用商標の類似性の強さに鑑みると、引用商標は必ずしも全国的に著名性を獲得していなくとも、医療関係者の間で周知であれば、出所の混同のおそれは生ずると考えられる。

(3)したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号及び同第15号に違反してされたものであるから、その登録は取り消されるべきである。

3 当審の判断

本件商標は、前記のとおりの構成よりなるところ、申立人の提出に係る甲第6号証(輸入承認申請書及び輸入承認書)によれば、申立人の前身であるデュポンジャパンリミテッドは、昭和61年6月24日付で、我が国に医薬品輸入承認申請書を提出し、同年11月26日付で輸入承認を受けていたこと、甲第7号証(パンフレット)によれば、各種商品を紹介する頁毎に「Dimension(マルアールの記号が右肩に付されている)/FLEX CARTRIDGE」の標章が表示されていたこと、甲第8号証(富山医科薬科大学附属病院検査部ホームページ)によれば、富山医科薬科大学附属病院検査部おいて「DIMENSION用フレックス試薬カートリッジ」が使用されていたこと、甲第9号証(第34回日本臨床検査自動化学会大会ホームページ)によれば、平成14年9月12日及び13日に開催された第34回日本臨床検査自動化学会大会において、「ディメンションフレックスカートリッジ」を対象とした研究発表が複数人により行われていたことの各事実を認めることができる。

しかしながら、「FLEX」あるいは「フレックス」の文字が「試薬」の表示中に用いられていたことは認められるにしても、該商品の販売数量、販売高、販売先等の取引状況、パンフレットの配布状況等、引用商標の周知・著名性を具体的に裏付ける証拠が提出されていないため、申立人の提出に係る証拠をもってしては、本件商標の登録出願時において、引用商標が申立人の業務に係る商品「試薬」を表示する商標として、取引者・需要者の間に広く認識されていたものと認めるに十分なものとはいえない。

なお、申立人は、取引記録、医学関係雑誌等、申立人(デイド ベーリング インコーポレーテッド)の著名性を証明する資料を追って提出する旨述べているが、その後、この点についての証拠も提出されていない。

してみれば、本件商標の登録出願時において、引用商標が申立人の業務に係る商品を表示する商標として取引者・需要者の間に広く認識されていたものとは認められないから、その余の要件について判断するまでもなく、申立人の主張は採用できない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号及び同第15号に違反してされたと認められないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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