Trademark Appeal Case
商標の称呼類似性・周知性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2002−90468(T2002−90468/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4558769号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成13年6月19日登録出願、第18類「かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ」を指定商品として、平成14年4月12日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
本件商標は、平成11年2月5日に登録出願、「Kelly」の文字を標準文字とし、第18類「かばん類,袋物,皮革,携帯用化粧道具入れ,かばん金具,がま口口金,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄,乗馬用具,愛玩動物用被服類」を指定商品として、平成11年12月3日に設定登録された登録第4341534号商標(以下「引用商標」という。)とは類似の商標である。また、本件商標と引用商標の指定商品は互いに抵触するものである。
さらに、本件商標は、本件商標の登録出願前から、周知、著名である登録異議申立人(以下「申立人」という。)の「かばん」に係る「Kelly」「ケリー」の文字を有し、申立人の著名商標と類似する。また、申立人の「かばん」に係る「Kelly」の周知、著名度合いに鑑みれば、本件商標に接した取引者、需要者が申立人若しくは申立人と何らかの関係のある業者が申立人の同意の元に選択、使用した商標であると誤認する。かつ、本件商標が「Kelly」を結合させて出願されたことに、意図的な作為を感じざるを得ない。少なくとも、申立人が「かばん」に使用する「Kelly」の著名性に便乗しようとした不正の目的があると判断されるべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第11号、同第15号及び同第19号に該当するものであるから、その登録を取り消されるべきである。
3 当審の判断
本件商標は、別掲のとおり、「エリザベスケリー」の片仮名文字と「Elizabeth Kelly」の欧文字よりなるところ、両文字は一連一体不可分に書されているものであり、また、構成全体をもって女性の氏名を表したものと理解されるものであるから、これを殊更、分離観察してみなければならない特段の理由は見あたらない。してみると、本件商標は、「エリザベスケリー」及び「Elizabeth Kelly」の文字に相応し「エリザベスケリー」の称呼のみを生ずるものというのが相当である。
他方、引用商標は、「Kelly」の欧文字を書してなるものであるから、該文字に相応し「ケリー」の称呼を生ずるものである。
しかして、本件商標より生ずる「エリザベスケリー」の称呼と引用商標より生ずる「ケリー」の称呼とは、「エリザベス」の音の有無の差異を有するものであるから、明らかに聴別し得るものである。
また、本件商標と引用商標とは、外観において区別し得る差異を有するものであり、観念においても相紛れるおそれがあるものとする理由は見あたらない。
してみれば、本件商標と引用商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれの点においても非類似の商標といわざるを得ない
さらに、請求人の提出に係る「世界の一流ブランド・エルメス大図鑑」(甲第3号証)、「漫画、エルメスの道」(甲第4号証)、「TOKYO SUPER BRAND」(甲第5号証)及び「世界の一流品大図鑑」(甲第6号証、甲第8号証及び甲第9号証)及び「BRUTUS」(甲第7号証)によれば、請求人は、「ケリーバッグ」若しくは「Kelly」の文字を商品「女性用(婦人用)バッグ」に使用している事実は認め得るとしても、その使用は請求人の使用する商標「エルメス」を紹介する中で個別商品「女性用(婦人用)バッグ」のみに使用しているものであり、該商品に実際に付され使用されている事実及び該商品の販売量等も明らかにされていない。また、「ブランドバッグ銘柄想起調査」(甲第10号証)をみるに、その実地対象者数は、155サンプル数とそれほど多くなく、これらの証左を総合しても、「Kelly」の表示は、本件商標の登録出願時には、我が国において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、一般の需要者、取引者の間に広く認識されるに至っていたものと認めることはできない。
そうとすれば、本件商標は、申立人の使用に係る「Kelly」商標を連想又は想起させるものとはいえないから、本件商標をその指定商品に使用しても、その商品が申立人又は申立人と経済的、組織的に関係のある者の業務に係るものであるかのように、商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものというのが相当である。
さらに、本件商標は、その構成中に申立人の使用する商標「Kelly」の文字を有するとしても、これが意図的な作為によるもの又は申立人が「かばん」に使用する「Kelly」に便乗しようとした不正の目的が明らかにあったものとすることはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第11号、同第15号及び同第19号に違反して登録されたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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