Trademark Appeal Case
成分名の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2002−90525(T2002−90525/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4566771号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成13年6月21日に登録出願、第30類「キシリトール入り菓子」を指定商品として、同14年5月10日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
(1)本件商標は、登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用に係る、「キシリトール」の片仮名文字と「XYLITOL」の欧文字を二段に併記してなり、昭和51年7月8日に登録出願、第30類「菓子、パン」を指定商品として、同59年6月21日に設定登録された登録第1692144号商標(以下「引用商標」という。)と類似する商標であり、かつ、その指定商品も同一又は類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)引用商標が我が国において周知・著名であった事実を添付の甲第2号証ないし同第7号証により証明する。
したがって、本件商標がその指定商品に使用された場合、申立人若しくは申立人と関係のある者の業務に係る商品と誤認され、出所につき混同を生ずるおそれがあるから、本件商標は商標法第4条第1項第10号及び同第15号に該当する。
(3)商標権者は引用商標の著名性を充分認識しながら、不正の目的をもって他人の著名商標を自らの商標に取り込もうとするものであるから、商標法第4条第1項第19号に該当する。
(4)本件商標は、引用商標の価値を著しく損ない、商標法第1条の法の精神にも反するものであるから、商標法第4条第1項第7号に該当する。
3 当審の判断
(1)「キシリトール(xylitol)」とは、キシロースに水素添加し炭素1位の還元性基をアルコールに変えて得られた糖アルコールのことをいい、多数開発されている低エネルギーの糖質甘味料の一つである(株式会社同文書院発行「総合食品事典 ハンディ版」平成10年4月5日第六版第5刷発行)。また、東洋経済新報社発行の「現代商品大辞典 新商品版」(昭和61年10月18日発行)によれば、「キシリトール(xylitol)」は「食品添加物としてのその他の糖質甘味料の一つ」として掲載されている。さらに、1998年2月10日発行の日本食糧新聞によれば、「キシリトールはイチゴやプラムなどに含まれる五単糖の糖アルコールで、工業的に白樺の木などから作る。口中で溶けると冷涼感がある甘さが広がるのが特徴だ。糖アルコールでは、最も砂糖に近い甘さがある。国内では、医療品、化粧品の原料として二〇年以上も前から使用されていた。この優れた特性から、菓子業界は五年前から食品添加物として申請していたもので、97年4月17日に厚生省が、食品添加物として指定した。」との掲載記事がある。
以上の事実によれば、本件商標中の「XYLITOL」の文字部分は、その指定商品である「キシリトール入り菓子」との関係においては、その商品の原材料表示であるとみるを相当とし、独立して自他商品の識別標識として機能するものとは認められない。
そうとすれば、本件商標より「XYLITOL」の文字部分を抽出し、そのうえで本件商標と引用商標とが称呼、外観上類似するものであるとする申立人の主張は、採用の限りでない。
その他、本件商標と引用商標とを類似のものとすべき事由は見出せない。
(2)また、申立人は、引用商標は本件商標の登録出願時には申立人の業務に係る商品を表示するものとして取引者・需要者の間において広く認識されていた旨主張し、その著名性を証する書面として甲第2号証ないし甲第7号証を提出しているが、その使用例は甲第7号証(東京商工会議所の証明書)に顕著にみられるように図形商標と共に使用されているか、或いは「ロッテ」又は「LOTTE」の文字と共に使用されているものであり、「XYLITOL」又は「キシリトール」の文字のみによる使用とはいえないものである。
そして、本件商標中の「XYLITOL」の文字部分が独立して自他商品の識別標識として機能し得ないこと前記のとおりである。
してみれば、本件商標をその指定商品に使用しても、その商品が申立人又は申立人と関係のある者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものである。
(3)さらに、本件商標は、その構成自体が矯激、卑猥、差別的な印象を与えるような文字又は図形からなるものでなく、これをその指定商品について使用することが社会公共の利益・一般道徳観念に反するものでもないし、かつ、商標権者が本件商標を採択使用する行為に不正の目的があったものとは認められないところである。
(4)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同第10号、同第11号、同第15号及び同第19号のいずれの規定にも違反して登録されたものではない。
よって、商標法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。
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