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結論

敗訴(請求棄却)

商標「MCast」:記号「@」の称呼解釈と類似性(第4条第1項第11号|審判異議2002−90418(T2002−90418/J7))

審判番号
異議2002−90418(T2002−90418/J7)
審判種別
異議

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標「MCast」引用商標「MC@STAR」
争点(論点)
記号「@」の称呼解釈と類似性
適用条文
第4条第1項第11号
指定商品・役務の区分
第42類
最終結論
登録維持(敗訴(請求棄却))

この審決(審判異議2002−90418(T2002−90418/J7)・異議)は、本件商標「MCast」と引用商標「MC@STAR」について、商標法第4条第1項第11号への該当性が争われた事例です。主な争点は「記号「@」の称呼解釈と類似性」です。指定商品・役務は第42類に属します。特許庁は「登録第4553709号商標の商標登録を維持する」と判断しました(登録維持)。類似する商標を出願する際は、本件の判断枠組みを踏まえて称呼・外観・観念や指定商品の重なりを事前に確認することが重要です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

登録第4553709号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4553709号商標(以下「本件商標」という。)は、「MCast」の文字を標準文字により書してなり、平成13年2月7日に登録出願、第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同14年3月22日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由

(1)引用商標

異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録第4442338号商標(以下「引用商標」という。)は、「MC@STAR」の文字を横書きしてなり、平成11年11月10日に登録出願、第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同12年12月22日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

(2)商標法第4条第1項第11号の該当性について

本件商標は、その構成文字から「エムキャスト(エムカスト)」又は「エムシーアスト」の称呼を生ずる。

一方、引用商標は、ローマ文字の大文字「MC」と「@」とローマ文字の大文字「STAR」とを一連に横書きして構成されているところ、「@」はローマ文字「a」と同様に称呼されている実情にあるから、引用商標からは「エムキャスター(エムカスター)」又は「エムシーアスター」の称呼を生ずる。

両称呼において相違するのは語尾音の「ト」と長音を伴った「夕」の音のみであり、この差異音は、比較的弱い音として発音又は聴取される語尾に位置し、相違する音の差が夫々の称呼全体に及ぼす影響は少ないといえるから、本件商標と引用商標とは、取引者・需要者をして類似する商標として認識されるものであり、指定役務も同一又は類似するものである。

したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであるから取り消されるべきである。

3 当審の判断

本件商標と引用商標とは、前記のとおりの構成からなるところ、本件商標は、その構成中の「Cast」の文字部分が「配役」等の意味をも有する英語として知られていることから、「M」の文字と「Cast」の文字とを結合させたものと理解され、これより「エムキャスト」の称呼を生ずるものとみるのが相当である。

一方、引用商標は、外観上、「MC」と「@」と「STAR」の各部分に分離して認識されるばかりでなく、その構成中の「@」は「アットマーク」と称され、メールアドレスに用いられる表示として知られており、又、「STAR」の文字は「星、人気俳優」等を意味する英語として親しまれ、熟知されている語であって、「@」と「STAR」の文字の印象が極めて強く、全体を一連の語として認識しなければならない格別の理由もないことから、ローマ文字の「MC」と「@」と「星、人気俳優」を意味する「STAR」の英語を組み合わせたものとして理解・認識されるものとみるのが相当である。

そうとすれば、引用商標は、その構成文字に相応して「エムシーアットマークスター」の称呼のみを生ずるものといわなければならない。

この点について、申立人は、「@」はローマ文字「a」と同様に称呼されている実情にあること、引用商標は現に「MC@STAR(エムキャスター)」と記載され「エムキャスター」と称呼されていることを挙げ、引用商標からは「エムキャスター」の称呼をも生ずる旨主張している。

確かに、申立人の提出に係る甲各号証によれば、「@」をローマ文字「a」と同様に理解し、一連の文字構成のものとして称呼されている事例があることを否定するものではない。しかしながら、それらの事例の多くのものは、元々、一連の成語として理解される単語の「a」の文字部分に「@」を当てたものであったり、一連に称呼することが格別、不自然とはいえない文字構成からなるものである。ところが、引用商標は、上記のように理解されるばかりでなく、その構成中の「@」を「a」とみても「MCaSTAR」、「CaSTAR」あるいは「aSTAR」の綴りからなる親しまれた成語もないから、甲各号証の事例と同列に論ずることはできない。また、申立人が引用商標を「エムキャスター」の読みをもって使用しようとしていることは認められるにしても、引用商標には甲第16号証のように「エムキャスター」の文字が併記されている訳でもなく、「エムキャスター」の称呼をもって広く知られていることを明らかにする証拠も提出されていない。

してみれば、引用商標から「エムキャスター」の称呼をも生ずるものとする申立人の主張は採用し難く、本件商標は「エムキャスト」の称呼を、引用商標は「エムシーアットマークスター」の称呼のみを生ずるものと認められるから、本件商標と引用商標とは、その音構成において明らかな差異を有するものであって、称呼において類似するものとはいえない。

その他、本件商標と引用商標とを類似のものとすべき事由は見出せない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたと認められないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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