Trademark Appeal Case
赤色星形図形の要部と類似性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2002−68008(T2002−68008/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件国際登録第757141号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)に示すとおりの構成よりなり、2000(平成12)年8月1日付でベネルクス商標庁においてしたパリ条約第4条に基づく優先権を主張して、2000(平成12)年12月22日を国際登録の日とし、第32類「Beers;mineral and sparkling water and other non−alcoholic beverages;syrups and other preparations for making beverages.」を指定商品として、平成14年7月26日に設定登録されたものである。
2 引用商標
(イ)本件登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用した登録第448847号商標(以下「引用1商標」という。)は、別掲(2)に示すとおりの構成よりなり、昭和27年4月4日に登録出願、第39類「麦酒」を指定商品として、同29年7月28日に設定登録され、その後、同50年10月9日、同59年9月17日及び平成7年1月30日の三回に亘り商標権存続期間の更新登録がされたものである。
(ロ)同じく、登録第1504087号商標(以下「引用2商標」という。)は、別掲(2)に示すとおりの構成よりなり、昭和34年11月25日に登録出願、商標登録原簿記載のとおりの商品を指定して、同57年3月31日に設定登録、その後、平成14年4月23日に商標権存続期間の更新登録がされ、さらに、指定商品については、同14年12月4日に、第30類「氷」及び第32類「清涼飲料,果実飲料,ソーダ水,みかん水,ラムネ,サイダー,果実シロップ,果実液」とする書換の登録がされたものである。
(ハ)同じく、登録第448847号商標に係る防護標章登録第2号(以下「引用3商標」という。)は、別掲(2)に示すとおりの構成よりなり、昭和47年6月15日に防護標章登録出願、第29類「茶、コーヒー、ココア、清涼飲料、果実飲料、氷」を指定商品として、同57年9月9日に防護標章登録がされ、その後、平成5年2月25日に当該防護標章に基づく権利についての存続期間の更新登録がされたものである。
(ニ)同じく、登録第1859173号商標(以下「引用4商標」という。)は、別掲(3)に示すとおりの構成よりなり、昭和52年8月19日に登録出願、第28類「酒類(薬用酒を除く)」を指定商品として、同61年4月23日に設定登録、その後、平成8年10月30日に商標権存続期間の更新登録がされたものである。
(ホ)同じく、登録第3181368号商標(以下「引用5商標」という。)は、別掲(4)に示すとおりの構成よりなり、平成5年1月28日に登録出願、第32類「ビール,清涼飲料,果実飲料(トマトジュースを除く。),乳清飲料,ビール製造用ホップエキス」を指定商品として、同8年7月31日に設定登録されたものである(以下、これらの引用商標をまとめていうときには、「引用各商標」という。)。
3 登録異議申立の理由の要点
(ア)商標法第4条第1項第11号該当について
本件商標は、左端に「赤色星形図形」、その右に「Heineken」の欧文字を表してなるところ、その構成中の欧文字「Heineken」が商標権者の名称「Heineken Brouwerijen B.V.」の略称を表し、オランダ産のビールの商標として世界的に著名となっているとしても、左側に表示された「赤色星形図形」は、当該文字と直接観念的な繋がりがなく、単にマークとして描かれたものであって、色彩的かつ視覚的にもそれぞれ独立した要部として認識される。
この「赤色星形図形」は、申立人の社標として明治時代から使用され、商品「ビール」はもとより、清涼飲料の分野においても防護標章登録(甲第2号証の3)を得ている登録商標と36度の傾斜角の相違を有するのみの同一図形であって、色彩も同一の類似の商標である。
そうすると、本件商標の左端の前記図形と引用1商標ないし引用4商標の図形は、ともに「赤星」「レッドスター」又は単に「星」「スター」と称呼、観念される以外あり得ず、かつ、その形状も同一であるから、両商標は、外観、観念及び称呼のいずれの点からみても類似する商標である。
なお、商標権者と申立人間で争われた平成7年(行ケ)第14号の「赤色星形図形」の審決取消訴訟においては、同「赤色星形図形」が商標権者使用のラベル全形中に一体的に埋没していると判断されたものであり、本件は、これと全く異なり、申立人所有の著名商標の指標力を全く無視した横暴な意図が明白となっている。
(イ)商標法第4条第1項第15号該当について
申立人は、「赤色星形図形」を明治5年2月より採択使用し、連綿としてそれを使用し続けている。
特に商品「ビール」及び「清涼飲料」に120余年に亘り申立人が使用してきたこの「赤色星形図形」とほとんど同一のマークを商標権者がその指定商品に使用すると、申立人と組織的又は経済的に何等かの関係を有するとの印象を与え、出所の混同を生ずることが明らかといわざるを得ない。
(ウ)むすび
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号又は同第15号の規定に違反して登録されたものであり、同法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきである。
4 当審の判断
本件商標は、別掲(1)に示すとおり、緑色を施した横長長方形図形中の左側に白色で縁取りした赤色五稜星(いわゆる「赤い星」)を配し、その右側に「Heineken」の欧文字を白抜きした構成よりなるものである。
しかして、本件商標中にあって、「Heineken」の文字に比べて、前記赤い星の図形が特に強調された構成といえるものでもなく、これが取引者、需要者に対し、特定的かつ限定的な印象を与える力は弱いといわざるを得ず、該図形と「Heineken」の文字とが一体的に看取され得る構成であることを考慮すると、本件商標がその指定商品に使用された場合に、著名な商標である「Heineken」の文字部分及び「ハイネケン」の称呼が取引者、需要者に対し、商品の出所識別標識として強い印象を与えるものとみるのが相当である。
そうすると、本件商標の構成中、前記赤い星の図形部分のみからは、商品の出所を識別する機能としての称呼、観念は生ぜず、本件商標中の「Heineken」の文字のみ、又は、前記赤い星の図形部分と「Heineken」の文字部分とが一体のものとして、「ハイネケン」又は「アカイホシノハイネケン」という称呼及び「ハイネケンのマーク」又は「赤い星のハイネケン」の観念が生ずるというべきである。
他方、引用1商標ないし引用3商標は、いずれも赤色五稜星(いわゆる「赤い星」)を36度左に傾斜させた構成よりなるものであり、これよりは「アカボシ」の称呼及び「赤い星」の観念を生ずるというのが相当である。
また、引用4商標は、五稜星の輪郭線を赤色で表示した構成よりなるものであり、これよりは「アカイリンカクノホシ」の称呼及び「赤い輪郭の星」の観念を生ずるというのが相当である。
さらに、引用5商標は、星の文字を書してなるから、「ホシ」の称呼及び「星」の観念を生ずるというのが相当である。
そこで、本件商標と引用各商標との類否について検討するに、両者から生ずる称呼及び観念は、上記のとおりであって、全く別異のものである。
また、両者の外観についても、本件商標の構成中の赤い星の図形部分がそれ自体独立して自他商品識別標識として機能するとは認められないから、判然と区別し得るものである。
してみれば、本件商標と引用各商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標であるといわなければならない。
次に、本件商標が申立人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがあるか否かについてみるに、たとえ、引用各商標が商品「ビール」に使用され、我が国において相当程度知られているとしても、上記のとおり、本件商標と引用各商標とは別異のものであるから、本件商標をその指定商品に使用した場合には、これに接する取引者、需要者が引用各商標ないしは申立人を連想・想起するようなことはなく、その商品が申立人又はそれと何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのごとく、商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものと認められる。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号又は同第15号の規定に違反して登録されたものということはできないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。