結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 無効2001−35545(T2001−35545/J3) |
|---|---|
| 審判種別 | 無効 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4500124号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおり「クロロフイル日興製薬」の文字と「WHITENING CLEARASSIST」の文字とを二段に横書きしてなり、第3類「せっけん類、香料類、化粧品、歯磨き」を指定商品として、平成12年9月22日に登録出願、同13年8月17日に設定登録されたものである。
請求人は、本件商標の登録を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第42号証(枝番号を含む。)を提出している。
請求人が引用する登録第4429498号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲(2)のとおり「CLEAR ASSIST」の欧文字と「クリアアシスト」の片仮名文字を二段に書してなり、第3類「せつけん類、香料類、薫料、化粧品、つけづめ、つけまつ毛、かつら装着用接着剤、つけまつ毛用接着剤、洗濯用でん粉のり、洗濯用ふのり、歯磨き、家庭用帯電防止剤、家庭用脱脂剤、さび除去剤、染み抜きベンジン、洗濯用柔軟剤、洗濯用漂白剤、つや出し剤、研磨紙、研磨布、研磨用砂、人造軽石、つや出し紙、つや出し布、靴クリーム、靴墨、塗料用剥離剤」を指定商品として、平成11年12月1日に登録出願、同12年11月2日に設定登録されたものである。
(1)本件商標の構成を検討するに、上段に「クロロフイル日興製薬」を、下段に「WHITENING CLEARASSIST」をそれぞれ左横書きしてなるものであるが、上段に書されている語において、「クロロフイル」は「葉緑素」を意味する英語(甲第2号証)であって本件商品の原材料であり、権利者の登録商標である登録第4283200号、登録第4283202号、登録第4283204号及び登録第4323826号(甲第3号証乃至甲第6号証)の指定商品においては「葉緑素を配合してなる」商品に限定されており、また、「日興製薬」は権利者の名称の略称であるところ、同時に登録された商標において、登録第4500118号乃至登録第4500122号(甲第7号証乃至甲第11号証)までにおいても同様に、上段に「クロロフイル日興製薬」を書してなるので、全体が冗長にすぎることもあり、「日興製薬」の部分のみ分断して称呼・観念され、下段との関係を考慮するまでもなく、本件商標の要部の1つであると目される。
(2)次に、下段の「WHITENING CLEARASSIST」を検討してみるに、「WHITENING」(ホワイトニング)は「白くすること」を意味する英語であって、「日焼けを防ぎ、しみやそばかすを予防・回復して色白の肌にすること」の観念を有する(甲第12号証)。
例えば、日本経済新聞1997年7月5日付け夕刊において「最近の化粧品メーカーは競って肌を白く保つホワイトニング製品に力を注いでいる」のごとき記載がある。また、「情報・知識imidas2001」において、「ホワイトニング化粧品」の項目があり、そこでは「主に、日焼けによるしみ・そばかすの予防と回復を助ける、ホワイトニング(美白)効果に優れた化粧品群をいう。」と説明されている(甲第13号証)。また、「WHITENING」「ホワイトニング」は商品名としても使用されており、すなわち、登録第2190036号の指定商品において、「ホワイトニングクリーム」、「ホワイトニングローション」及び「ホワイトニングパック」と記載されており(甲第14号証)、また、国際分類アルファベット順一覧表においても、「Skin whitening creams」と記載され、その日本語訳として「スキンホワイトニングクリーム」と表示されている(甲第15号証)。さらに、「WHTENING」「ホワイトニング」の語から構成されている商標は、過去において自他商品識別力がないものとして多数拒絶されているところであり、日本化粧品工業連合会編集・発行の「拒絶文字商標集(第4類)昭和58年度版」において、「WHITENING\ホワイトニング」(39−17100)、「Whitening」(40−29833)及び「ホワイトニングVC」(39−29310)が記載されており(甲第16号証)、また、パトリス検索回答において、「エスホワイトニング」(商願平3−119109)、「ダブルデイリーホワイトニング\DOUBLE DAILY WHITENING」(商願平10−76928)、「ホワイトニングシャワー\WHITENING SHOWER」(商願平11−66572)が、同様に自他商品識別力ないものとしてされており(甲第17号証乃至甲第19号証)、さらに(a)「WHITENING\PROCESS」(商願平9−147610)(b)「ホワイトニングプロセス」(商願平10−12589)(c)「ホワイトニングシャワー\WHITENING SHOWER」(商願平11−66572)等の商標が商標法第3条1項各号・第4条1項16号の規定により拒絶されている例を甲第20号証乃至甲第25号証として提出する。また、商標「ホワイトニングデュー\WHITENING DEW」(登録第3314340号)(甲第26号証)は、全体として一連一体に書され、称呼も特に冗長にすぎることがないので、通常であれば全体にて1つの商標と認識できるところであるが、これの連合商標として、「DEW」(登録第1777122号)(甲第27号証)及び「デュウ\DEW」(登録第3284450号、商願平5−95124)(甲第28号証)が認定されているところである。してみると、登録第3314340号の商標において「ホワイトニング」「WHITENING」は自他商品識別力ない部分として判断されたものと思料する。
上記の通り、「WHITENING」「ホワイトニング」の語は、「ホワイトニング(美白)効果を有する」意味を有し、当該業界及び特許庁の審査実務においては、本件指定商品との関係から自他商品識別力がないものとして長年認識されてきたものである。
(3)さらに、下段の「CLEARASSIST」を検討するに、「CLEARASSIST」の英語はないが、「CLEAR」(クリア)は「明晰、はっきりとしているさま」を意味する英語であり(甲第29号証)、「ASSIST」(アシスト)は「手助けをすること」を意味する英語であって(甲第30号証)、これらを結合することによって特定の意味合いを生じないので、一種の造語と判断される。そして、「WHITENING」と「CLEARASSIST」との関係を考慮するも、それぞれ上記の通りの意味を有するものであるから、両者に関連性はなく、全体にて冗長にすぎるので、下段からは、要部として独立して「クリアアシスト」の称呼が生じるものである。
さらに、本件商標の全体からしても、全体が極めて冗長にすぎ、簡易迅速を旨とする商取引においては、上記の各種事由から判断して、本件商標からは、個別商品名として、単に「CLEARASSIST」の部分を選択して、取引に資することも十分あり得る。そして、他人の登録商標を一部に保有する商標は、その登録商標が過誤登録でない限りは、正常な商取引関係を保護するため断じて登録を許すべきではない。
(4)これに対して、上記引用商標からは、その併記された片仮名文字から「クリアアシスト」の称呼が生じるものであるから、上記の本件商標から独立して生じる「クリアアシスト」の称呼と共通する類似の商標と言わざるを得ない。
したがって、本件商標をその指定商品に使用する場合には、引用商標と類似商標であって、かつ、引用商標の指定商品と同一または類似の商品に使用することとなり、本件商標は商標法第4条第1項第11号の規定に該当する。
(1)本件商標中において「クロロフィル」の語は「葉緑素」を意味する英語であって(甲第2号証)、本件商標に係る指定商品の原材料として使用されるものであり、権利者の登録商標である登録第4283200号においては「葉緑素を配合してなるジエル状洗顔料」(甲第3号証)と、登録第4283202号においては「葉緑素を配合してなる軟性栄養乳液、葉緑素を配合してなるエモリエント効果を有する軟性栄養乳液」(甲第4号証)と、登録第4283204号においては「葉緑素を配合してなる紫外線保護効果を有する化粧品」(甲第5号証)と及び登録第4323826号においては「葉緑素を配合してなるせっけん類、葉緑素を配合してなる香料類、葉緑素を配合してなる化粧品」(甲第6号証)と、それぞれ商品を限定しているところである。したがって、商品の原材料を意味する「クロロフイル」の文字を普通に用いられる方法で書してなる語を含む本件商標を「葉緑素を配合してなる商品」以外の商品に使用する場合には、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号の規定に該当する。
(2)本件商標中において「WHTENING」の語は、「ホワイトニング(美白)効果を有する」を意味するところ、前記で述べたとおり、化粧品・歯磨き業界においては、商品の効能・品質・内容を表示する語として周知である。すなわち、「ホワイトニング製品」(甲第12号証)、「ホワイトニング化粧品」(甲第13号証)、登録第2190036号の指定商品「ホワイトニングクリーム、ホワイトニングローション、ホワイトニングパック」(甲第14号証)、国際分類アルファベット順一覧表の「Skin whitening Creams」(甲第15号証)において記載されているように「WHITENING」「ホワイトニング」の語は上記意味を有する商品の内容表示語として一般に使用されており、さらには、商願平9−147610(甲第20号証)、商願平10−12589(甲第21号証)、商願平11−66572(甲第22号証)、商願平11ー78234(甲第23号証)、商願2000−18007(甲第24号証)及び商願2000−26203(甲第25号証)は、「ホワイトニング」若しくは「WHITENING」の語を含むために商標法第4条第1項第16号の規定により拒絶された。
したがって、商品の効能・品質・内容を表示する「ホワイトニング(美白)効果を有する」ことを意味する「WHITENING」の文字を普通に書してなる語を含む本件商標をその指定商品に使用する場合、「ホワイトニング(美白)効果を有する商品」を容易に想起し、これら以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号の規定に該当する。
(1) 商標法第4条第1項第11号について
ア 被請求人は、答弁書の6.答弁の理由中(5)商標法第4条第1項第11号について(第3頁の下から2行目〜第4頁の3行目)『本件商標の構成中「WHITENING CLEARASSIST」からは「ホワイトニングクリアアシスト」のみの称呼しか生じない。「ホワイトニング」や「WHITENING」がそれのみでは自他商品識別力を有さないことは、甲第12号証乃至甲第15号証を待つまでもなくそのとおりである。また、甲第16号証乃至甲第25号証において、「ホワイトニング」や「WHITENING」を含む商標が、その登録を拒絶されているのも事実である。』旨を述べている。
してみれば、被請求人は「ホワイトニング」及び「WHITENING」の語自体又はこの語と他の識別力のない語との結合語あるいは複合語は、全体として自他商品識別力がなく、商標法第3条第1項各号に該当する事実を認めている。
ただし、本件の場合は「WHITENING」+「識別力を有する語」の組み合わせからなる商標であって、このような商標は、審査の実務において後半の識別力を有する語が同一又は類似するとしても、非類似の商標として区別されている。旨を述べ審査例として(ア)乃至(カ)を挙げているが、その内(ウ)は先登録商標が消滅後に登録されたものであり、(エ)は指定商品を異にするものであり、(エ)及び(カ)は被請求人も認める通り、同一人の権利者によるものである。
この場合にも、甲第31号に示す商標審査基準[改訂第7版](特許庁商標課 編)の九、「第4条第1項第11号」によれば、『4.結合商標の類否は、その結合の強弱の程度を考慮し、例えば、次のように判断するものとする。
ただし、著しく異なった外観、称呼又は観念を生ずることが明かなときは、この限りでない。(1)形容詞的文字(商品の品質、原材料等を表示する文字、又は役務の提供の場所、質等を表示する文字)を有する結合商標は、原則として、それが付加結合されていない商標と類似する。(例)類似する場合「スーパーライオン」と「ライオン」、「銀座小判」と「小判」、「レデイグリーン」と「レデイ」が示され、請求人の主張と一致しその正当性が証左されているものと確信する。
もっとも、商標審査基準は特許庁における商標登録出願の審査事務の便宜と統一のために定められた内規に過ぎず、法規としての効力を有すると解すべき根拠はないが、基準である以上、理由なく恣意的にその内容を変更することは許されない。ただし、実質的な変更の理由がある場合は、変更しても不合理とはいえない。
過去の審判決例をたどってみても、商品の区分旧第4類については、例えば、
(ア)「BABYCARE/ベビーケア」と「CARE/ケヤー」昭和45年審判第6793号審決(甲第32号証参照)
(イ)「HAIRPAN/ヘアパン」と「パン/PAN」昭和49年審判第3774号審決(甲第33号証参照)
(ウ)「バスロマン」と「ロマン」昭和51年審判第9859号審決(甲第34号証参照)
(エ)「BEAUTY DOCTER/ビューテイドクター」と「DOCTOR」昭和53年審判第17013号審決(甲第35号証参照)
その他、商品区分が異なるが、「MICROTEC」と「TEC」とは、『取引者等には「マイクロ」は通常「極小」「微小」な商品に用いると理解されるから、「MICRO」の部分は自他商品の識別機能を有しない一方、「TEC」の部分は造語であり、これが商品に使用される時は、取引者等の強い関心を引き、自他商品の識別機能を有することは明らかであり、本件商標と引用商標は類似商標である。』東京高裁第6民事部、平成2年(行ケ)99号判決(甲第36号証参照)等々が永年に亘り多数存在し、これら事例はいずれも類似する商標として、特許庁をはじめ高裁における商標類否判断の一方法として定着しているものである。
したがって、請求人は本件商標(結合商標)の類否を判断する根拠として、その結合の強弱の程度を考慮し、「WHITENING」(形容詞的文字)十識別力を有する語であって、両語は一連性の観念を持たない関連性のない、しかも、全体称呼が極めて冗長なものであるから、これら各要素を総合判断して、全体称呼の外、後半の「CLEARASSIST」の文字が自他商品識別力を有する部分として注目され、分離して「クリアアシスト」の称呼をも生ずるものであることを主張するものである。
この点に関し、被請求人は請求人の総合的判断を箇々別個に限定的に答弁することにより、その主張を弱めるものであって容認できない。
イ 甲第40号証によれば、現実に使用されている「ホワイトニング+登録商標」、「登録商標+ホワイトニング」、「ホワイトニング+記述的用語」及び「記述的用語+ホワイトニング」が、多数下記に示すとおり掲載されていることが認められる。
「ディオールのホワイトニング」(「ディオール」は「パルファン クリスチャン ディオール」の登録商標)として商品「日焼け止めクリーム」に使用され、「ホワイトニング効果を発揮する...・」の説明文が添えられている。
「ソフイーナ薬用ホワイトニングディープサイエンス」(「ソフィーナ」は花王株式会社の登録商標」として商品「ファンデーション」に使用され、「紫外線やストレス、ホルモンの乱れ...私たちの生活の中に、美白の敵はいっぱい!こんな根本原因を知らずして、ホワイトニングはあり得ません。」の説明文が添えられている。
「テイース・ホワイトニング」及び「オフィスホワイトニング」(「オフィス」はエルソルプロダクツ株式会社の登録商標)として商品「はみがき」に使用され、「美白」の漢字の振り仮名として「ホワイトニング」が示され、ホワイトニングした歯のメンテナンス用ハミガキの説明文が添えられている。
「ホワイトニングソフナー」(「ソフナー」は牛山清人の登録商標)及び「ホワイトニングトーナー」(「トーナー」は中野製薬株式会社の登録商標)として商品「美肌専用化粧水」に使用され、美白+角質防去、美白+収れんの文字が添えられている。
「カネボウブランシール」(「カネボウ」はカネボウ株式会社の登録商標)として商品「ホワイトニングローション」及び「ホワイトニングクリアコンディショナー」に使用され、美白の文字が示されている。
「エクストロオーディナリー」として商品「ホワイトニングローション」に使用され、美白効果・鎮静の説明語が示されている。
「イプサ ボディホワイトニングシャワー」(「イプサ」は株式会社資生堂の登録商標)が商品「ボディシャワー」に使用され、美白できる肌環境の説明文が添えられている。
上記使用の事実によれば、商標中の「ホワイトニング」の文字部分は、商品の品質、用途等を示す語として普通に使用されていることが認められる。
商標「ラビードフランスホワイトニングエッセンス」(登録第2348078号)の指定商品は「漂泊効果を有する美容液」である。
商標「ライフセラ/ホワイトニングマスク」(登録第4515776号)の指定商品は「美白効果を有するパック用化粧品,美顔用パック,化粧用パックシート,その他のパック用化粧料」である。
商標「ESTEE/」LAUDER/Swiss/Whitening」(登録第2190036号)の指定商品は「スイス製のホワイトニングクリーム、ホワイトニングローション、ホワイトニングパック」である。
上記登録例によれば、その商標中の「ホワイトニング」及び「Whitening」の文字部分は「指定商品の品質・用途・効能」等を表わす記述的な語であることが認められる。
上記各事実によれば、本件商標「WHITENING CLEARASSIST」中の「WHITENING」の文字部分は、商品が「美白効果を有する」ものであることを示す、記述的用語であることが認められ、したがって要部は「CLEARASSIST」であるということができる。又、既に「ホワイトニング」は商品「クリーム、ローション、パック」についてはその効能表示として「ホワイトニングクリーム、ホワイトニングローション、ホワイトニングパック」が商品名として指定商品に採用され、一般にも「ホワイトニングファンデーション」「ホワイトニングローション」のように普通に使用されていることが認められる。
(2)商標法第4条第1項第16号について
ア 本件商標の構成中「クロロフィル」の文字は、被請求人が過去において下記商標を出願し、原審で商標法第4条第1項第16号の拒絶理由通知を受け、それに承服して商品補正に応じている事実を審査経過の調査により明かとなった。このことは、被請求人が「クロロフィル」の語が商品の品質を表す語であることを認めたことに外ならない。
(ア)商願平10−5991(登録第4283200号)商標「クロロフィル日興製薬/エモリエント クレンジング ジェル」商品の区分第3類葉緑素を配合してなるジェル状洗顔料。(拒絶理由平11.1.29、補正書平11.3.10)(甲第37号証の1参照)
(イ)商願平10 − 5992(登録第4283201号)商標「クロロフィル日興製薬/EMOLLIENT CLEANSING GEL」商品の区分第3類葉緑素を配合してなるジェル状洗顔料。(拒絶理由平11.1.29、補正書平11.3.10)(甲第37号証の2参照)
(ウ)商願平10−5993(登録第4283202号)商標「クロロフィル日興製薬/ソフト エモリエント ミルク」商品の区分第3類葉緑素を配合してなる軟性栄養乳液,葉緑素を配合してなるエモリエント効果を有する軟性栄養乳液(拒絶理由平11.1.29、補正書平11.3.10)(甲第37号証の3参照)
(エ)商願平10 − 5994(登録第4283203号)商標「クロロフィル日興製薬/SOFT EMOLLIENT MILK」商品の区分第3類葉緑素を配合してなる軟性栄養乳液,葉緑素を配合してなるエモリエント効果を有する軟性栄養乳液。(拒絶理由平11.1.29、)(補正書平11.3.10)(甲第37号証の4参照)
(オ)商願平10−5995(登録第4283204号)商標「クロロフィル日興製薬/デイリーUVガード」商品の区分第3類葉緑素を配合してなる紫外線保護効果を有する化粧品(拒絶理由平11.1.29、補正書平11.3.10)(甲第37号証の5参照)
(カ)商願平10−45897(登録第4323826号)商標「クロロフィル日興製薬/ソフト エモリエント フエイス エッセンス」商品の区分第3類葉緑素を配合してなるせつけん類,葉緑素を配合してなる香料類,葉緑素を配合してなる化粧品(拒絶理由平11.6.4、補正書平11.7.13)(甲第37号証の6参照)
次に、本件商標の構成中「WHITENING」の文字は、甲第12号証乃至甲第16号証並びに甲第38号証の1及び甲第39号証に示すとおり、指定商品の品質を表す語として普通に使用されているものであり、これが後続の造語「CLEARASSIST」と結び付いて、全体として一連の造語を形成するとみる特段の理由もない。即ち、「識別力のない語」+「造語」が結び付いて「識別力のない語」の観念が消失する理由はなく、むしろ、その観念は後続の造語に引かれてより鮮明に認識され、理解されるものといわなければならない。
したがって、本件商標の構成中「クロロフィル」及び「WHITENING]の文字部分に相応し、これら「葉緑素」及び「ホワイトニング(美白)効果を有する」商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわざるを得ない。(甲第38号証の1及び甲第39号証参照)
イ 本件商標の構成中「WHITENING」の文字部分は商品の品質、用途、効能等を示すものとして、商品を絞り又は商品クリーム、ローション、パック等の効能表示として「ホワイトニング」が指定商品表示として採用されている事実がある(甲第40号証)。
してみれば、「ホワイトニング(美白)効果を有する」商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわざるを得ない。
以上に述べたとおり、本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同16号の規定に該当し、その登録は同法第46条第1項第1号により、無効とすべきである。
被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第13号証を提出している。
(1)請求人の主張は、本件商標は、その構成中「WHITENING CLEARASSIST」の要部が「CLEARASSIST」であるから、「クリアアシスト」の共通の称呼を生じる引用商標「CLEARASSIST/クリアアシスト」に称呼において類似する商標であるというところにある。そして、要部を「CLEARASSIST」とする具体的理由として、本件商標はその構成中「WHITENING CLEARASSIST」において、「WHITENING」は自他商品識別力を有さず「WHITENING」と「CLEARASSIST」とは関連性がなく、さらにはその構成が冗長すぎるからである。しかしながら、本件商標の構成中「WHITENING CLEARASSIST」からは「ホワイトニングクリアアシスト」のみの称呼しか生じない。
(2)そこでまず、「WHITENING」が自他商品識別力を有さないから「CLEARASSIST」が要部であるとする主張について検討する。
請求人は、「ホワイトニング」や「WHITENING」が自他商品識別力を有さない根拠として、甲第12号証乃至甲第15号証を提出するとともにこれらを結合した又は複合した語の商標出願の登録が商標法第3条第1項各号・同法第4条第1項第16号の規定に該当するとして拒絶されていると述べている。
たしかに、「ホワイトニング」や「WHITENING」がそれのみでは自他商品識別力を有さないことは、甲第12号証乃至甲第15号証を待つまでもなくそのとおりではある。また、甲第16号証乃至甲第25号証において、「ホワイトニング」や「WHITENING」を含む商標が、その登録を拒絶されているのも事実ではある。しかしながら、これらは、いずれも結合語又は複合語であるとしても商標法第3条第1項各号又は同法同条各号・同法第4条第1項第16号に該当するというものであり、いずれも全体として自他商品識別力を有さないというものであって、本件商標と引用商標とのように類否の判断を必要とするものではないのである。
いいかえると、本件商標の該部分は「WHITENING」と「CLEARASSIST」とからなるものであって、「WHITENING」のみからなるものでもなく、また、全体として自他商品識別力を有さないという構成のものでないのであるから、単に「ホワイトニング」や「WHITENING」について、各々意味合いがあるからとか「ホワイトニング」や「WHITENING」を含む商標が全体として自他商品識別力を有さない審査例があるとかの例示は、本件商標の該部分と引用商標との比較判断には馴染まない。これまでの実際の審査の実務において、「ホワイトニング」や「WHITENING」を付加した結合語又は複合語としての商標と「ホワイトニング」や「WHITENING」が付されていない商標とが、互いに非類似の商標として併存することを認めている(乙第1号証乃至乙第13号証)。
(ア)乙第1号証及び乙第2号証
「ビオシグナル/クリスタルホワイトニング」対「クリスタル」
(イ)乙第3号証乃至乙第5号証
「サンホワイトニング」対「サン/SUN」
(ウ))乙第6号証及び乙第7号証
「CLEAR WHITENING」対「クリア/CLEAR」
(エ)乙第8号証及び乙第9号証
「SUNPLAY/SILK WHITENING」対「シルク/SILKSILK」
(オ)乙第10号証及び乙第11号証
「ホワイトニングアクティビティ/WHITENING ACTIVITY」対「ACTIVITY/アクティビティ」
(カ)乙第12号証及び乙第13号証
「ホワイトニングコンダクター/WHITENING CONDUCTOR」対「CONDUCTOR/コンダクター」
このように「ホワイトニング」や「WHITENING」を付加した商標と付加しない商標とが、互いに類似しないものとして多数併存している。これらのうち(オ)(カ)のように対比されるべき互いの商標が権利者を同一とするものもあるが、これらについては、この構成中「ホワイトニング」や「WHITENING」が付加されていても何等品質的な限定のないことからすれば互いに非類似の商標であると判断されたものと理解できる。
このような判断は、後述するように、請求人が本件商標の登録が無効であることの一つの理由として「ホワイトニング」や「WHITENING」を含む商標を「ホワイトニング(美白)効果を有する商品」以外に使用すると品質についての誤認を生じさせるおそれがあるとして商標法第4条第1項第16号の規定に問擬しているにもかかわらず、指定商品についての積極限定をする必要のないことからも正当であると窺知することができる。もとより類否の判断を越えて積極表示をすることを妨げるものではない。
以上のことから、対比されるべき商標が権利者を同一にする場合はもとより、権利者を異にする場合でも「ホワイトニング」や「WHITENING」を付加した商標と付加しない商標は、互いに類似せざるものとして審査において取り扱われていることを知ることができる。
したがって、本件商標中「WHITENING CLEARASSIST」は全体で一連不可分の称呼のみを有するというのを相当とする。
(3)次に、「WHITENING」と「CLEARASSIST」は両者に関連性はないから「CLEARASSIST」が要部となるという主張について検討する。
本件商標の該部分は、「WHITENING」と「CLEARASSIST」の文字からなる結合語又は複合語としての造語である。このような造語は、語意を有する語同士の組み合せ、語意を有する語と語意を有さない語との組み合わせ、語意を有さない語のみからなる3通りが普通に存在する。
いずれの場合も形成された造語は、全体として何となく意味合いを感じさせる場合と全く意味合いを感じさせない場合とがある。造語はそれでよいのであって、結合又は複合した語との間に関連性がなければいけない必然性はないのである。事実、請求人自身、「CLEA1RASSIST」の文字を目して「CLEAR」と「ASSIST」の意味合いを解説するとともに特定の意味合いを生じないので一種の造語と判断できると述べている。そうすると引用商標は「CLEAR」と「ASSIST」との間に関連性はないからという理由で、ー方を要部とすると、どちらが要部であるかはともかく、引用商標も「クリア」と「アシスト」又「CLEAR」と「ASSlST」とに分離されて、件外商標である「クリア」「アシスト」「CLEAR」「ASSIST」と比較しなければならないことになる。しかしながら、実際には、引用商標は「クリアアシスト」又は「CLEARASSIST」と一連不可分の商標として審査されているはずであるし、また請求人もそのように理解していると考えられる。
したがって、結合語や複合語において、結合又は複合される語が互いに関連性を有することは必要としないし、関連性がないからという理由で分離して称呼するとする主張は成り立たない。当然、本件商標の構成中「WHITENING CLEARASSIST」においてもまた、「WHITENING」と「CLEARASSIST」に互いの関連性がなくても全体として一連に称呼することの妨げとはならず、全体として一連不可分の称呼のみを有する。
(4)「WHITENING CLEARASSIST」は冗長にすぎるから「CLEARASSIST」が要部になるという主張について検討する。本件商標は、一見して明らかなように「WHITENING」と「CLEARASSIST」を半スペース又は1スペースを設けて一連に書した複合語である。この複合語としての「WHITENING」と「CLEARASSIST」との結び付きはきわめて自然で、外観上も左右バランス良く、称呼上も7音といういずれにも片寄ることのないバランスのとれた構成である。しかも、例えば、乙第1号証に見られる商標の「クリスタルホワイトニング」の称呼に比し、格別に冗長という程のものでもない。また、乙第10号証に見られる「ホワイトニングアクティビテイ」、乙第12号証に見られる「ホワイトニングコンダクター」の称呼と比較しても長さにおいて遜色はない。したがって、本件商標の該構成を一連に称呼することの妨げになるものはないから、本件商標のこの構成は全体として一連不可分の称呼のみを有する。
(5)以上のとおりであるから、本件商標の構成中「WHITENING CLEARASSIST」は、上述の審査例に鑑みても「WHITENING」と「CLEARASSIST」に分離して「クリアアシスト」の称呼も生じるとしなければならない必然性はなく、全体として一連不可分の称呼のみを生じるというのを相当とする。
よって、本件商標は引用商標とは非類似の商標である。
請求人の主張は、本件商標は、その構成中に「クロロフイル」の文字を含むから「葉緑素を配合してなる商品」以外の商品に使用すると商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあり、また「WHITENING」の文字を含むから「ホワイトニング(美白)効果を有する商品」以外の商品に使用すると同じく品質について誤認を生じさせるおそれがあるというものである。しかしながら、本件商標を「葉緑素を配合してなる商品」以外の商品や「ホワイトニング(美白)効果を有する商品」以外の商品に使用しても商品の品質について誤認を生じさせるおそれはない。
(1)まず、「日興製薬」の文字に付加されている「クロロフイル」の文字は原材料を表示するから「葉緑素を配合した商品」以外に使用すると品質の誤認を生じるおそれがあるとの主張について検討する。
請求人は、「クロロフイル」は「葉緑素」を意味する英語であると述べ甲第2号証を提出するとともに甲第3号証乃至甲第6号証に示す商標の指定商品においては「葉緑素を配合してなる」商品に限定されていると述べている。たしかに「クロロフイル」は「葉緑素」を意味する英語であることは、甲第2号証を待つまでもなくそのとおりである。また、甲第3号証乃至甲第6号証において、指定商品が「葉緑素を配合してなる」と限定されているのもそのとおりである。
しかしながら、かかる事実をもって本件商標を「葉緑素を配合した商品」以外に使用すると商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるというのは相当ではない。
一見して明らかなように「クロロフイル」の文字は請求人も認めているように被請求人の略称である「日興製薬」の文字の前に一連に付加されているものである。
このような構成すなわち「ク口口フイル日興製薬」は、「ク口口フイル日興製薬」を全体として被請求人の通称名称と理解するか、せいぜい「クロロフイルで有名な日興製薬」とか「クロロフイル製品を製造販売している日興製薬」というように理解するのが普通である。指定商品そのものに「ク口口フイル」が配合されていることを示す表示ではなく、いわば商品についての出所表示としての機能に重点を置くものである。個々の商品に「クロロフイル日興製薬」を付すことで、該部分は傘ブランド的機能を果たすこととなる。したがって、本件商標に係る指定商品は必ずしも「葉緑素」が配合されることを必須要件とするものではないのである。たまたま請求人の指摘する甲第3号証乃至甲第6号証に見られる商標の指定商品は「葉緑素を配合してなる商品」と限定されているが、これは該商品を使用する商品が「葉緑素を配合してなる商品」に限ることから、積極表示をすることにしたまでのことである。商標の構成において、積極表示をする必要のないものであっても、実際の使用に合せて積極表示することは何等問題はない筈である。また、その逆に上述の理において、「葉緑素を配合してなる商品」に本件商標を使用しても殊更に「ク口口フイルを配合してなる商品」とは理解しないのが普通である。
上述の事実を裏付けるように「クロロフイル日興製薬」を有する商標が、その指定商品を「ク口口フイルを配合した」と限定することなく多数登録されている。ちなみに、請求人が提出した甲第7号証乃至甲第11号証を援用して示せば、第4500118号、第4500119号、第4500120号、第4500121号、第4500122号、第4500123号である。このようにして見てくると、「クロロフイル日興製薬」の文字において「日興製薬」が被請求人の名称の略称であったとしても「クロロフイル」は品質を表示するための表示ではなく、「日興製薬」の文字を「ク口口フイルで有名な」とか、「クロロフイルを製造販売している」とかいう意味合いで修飾するところの修飾語であることは明らかである。そのため本件商標を付した商品「WHITENING CLEARASSIST」は、「クロロフイルで有名な日興製薬」から販売されている商品ですよという意味合いを看取することができるものである。したがって、本件商標の構成中「グロ口フイル日興製薬」に「クロロフイル」の文字が含まれているからという理由で、「葉緑素を配合してなる商品」以外の商品に本件商標を使用すると商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるというのは相当ではない。
(2)つぎに、「WHITENING CLEARASSIST」の構成中「WHITENING」は品質等を表示するから「ホワイトニング(美白)効果を有する商品」以外の商品について使用すると品質の誤認を生じるおそれがあるとの主張について検討する。
請求人は、「ホワイトニング」や「WHITENING」は品質等を表示する語であるとして甲第12号証乃至甲第15号証を提出するとともに甲第16号証乃至甲第25号証を提出して、これらに示されている商標は拒絶されていると述べている。たしかに、「ホワイトニング」や「WHITENING」がそれのみでは自他商品識別力を有さないことは、甲第12号証乃至甲第15号証を待つまでもなくそのとおりではある。また、甲第16号証乃至甲第25号証において、「ホワイトニング」や「WHITENING」の文字を含む商標が、その登録を拒絶されているのも事実ではある。しかしながら、これらはいずれも結合語又は複合語であるとしても商標法第3条第1項各号又は同法同条各号・同法第4条第1項第16号に該当するというものであり、いずれも全体として自他商品識別力を有さないというものであって、本件商標のように全体として自他商品識別力を有する商標についての判断ではない。いいかえると、本件商標の該部分は「WHITENING」と「CLEARASSIST」とからなるものであって、「WHITENING」のみからなるものでもなく、また、全体として自他商品識別力を有さないという構成のものでないのであるから、単に「WHITENING」について、これこれしかじかの意味合いがあるからとか、「ホワイトニング」や「WHITENING」を含む商標が全体として自他商品識別力を有さない審査例があるとかの例示は、全体で自他商品識別力を有する該部分での判断には馴染まない。すでに、本件商標と引用商標との比較において述べたように、「WHITENING CLEARASSIST」の構成は「ホワイトニングクリアアシスト」のみの称呼を生じる。このような構成において「WHITENING」は決して品質ではないとも述べた。これらのことについては乙第1号証乃至乙第13号証を提示した。これらの乙号証を一瞥しただけで分るように、「ホワイトニング」又は「WHITENING」を有する商標と、この「ホワイトニング」又は「WHITENING」を有さない商標とが同時に併存している。しかも、「ホワイトニング」又は「WHITENING」を有する商標にあって、乙第1号証、乙第3号証、乙第6号証、乙第10号証、乙第12号証のように「ホワイトニング(美白)効果を有する商品」としての限定表示はない。もとより乙第8号証のように積極表示を妨げるものではない。
このような事実からしても全体として自他商品識別力を有する構成にあっては、「ホワイトニング」又は「WHITENING」の文字を有するからといって品質の誤認を生じさせるおそれがあるとするのは相当ではない。もともと本件商標は全体として「ホワイトニングクリアアシスト」の称呼しか生じないのであるから、「WHITENING」のみを抽出して品質等に問擬するのは既述したように相当ではなく、本件商標を「ホワイトニング(美白)効果を有さない商品」に使用しても品質の誤認を生じさせるおそれはない。
(3)以上のとおりであるから、本件商標を「葉緑素を配合した商品」及び「ホワイトニング(美白)効果を有する商品」以外に使用しても商品の品質の誤認を生じさせるおそれは皆無である。
叙上のとおり、本件商標と引用商標とは、外観、観念においてはもちろん称呼においても類似せざるものであるから、たとえ指定商品に抵触するものがあったとしても、この種商品の取引者や需要者は両者を截然と区別することができるから、また、本件商標は、その指定商品について使用しても商品の品質の混同を生じさせるおそれはないものであるから、本件商標が商標法第4条第1項第11号及び同16号の規定に該当し、同法第46条第1項第1号の規定により無効とすべきであるとする請求人の主張は排斥されるべきものである。
(1)商標法第4条第1項第11号の該当性について
本件商標は、別掲(1)のとおり「クロロフイル日興製薬」の片仮名文字及び漢字と「WHITENING CLEARASSIST」の欧文字とを二段に横書きした構成よりなるものである。
本件商標の上段部分は、「クロロフイル」の文字部分が「葉緑素」を意味する外来語として親しまれた「クロロフィル」を想起させるものであり、「日興製薬」の文字部分が商標権者の商号の略称表記と認められるものであるから、その構成文字に相応して「クロロフィルニッコウセイヤク」の称呼を生じ、「クロロフィル製品を取り扱う日興製薬」との意味合いを看取させるものである。本件商標の下段部分は、「WHITENING」文字部分が「白くすること」を意味する英語と認められ、「CLEARASSIST」の文字部分が特定の意味合いを有しない造語よりなるものと認められるから、その構成文字に相応して「ホワイトニングクリアアシスト」の称呼を生じ、特定の意味合いを看取させるものではない。本件商標は、その構成文字全体が「クロロフィルニッコウセイヤクホワイトニングクリアアシスト」と称呼されるものであるが、同称呼は26音にもなる長い音構成であること、上段と下段との横幅については中心線を同一にし構成全体としての一体感をもたせているが上段より下段が長く表されその長さが異なること、上段が片仮名及び漢字による日本語表記であるのに対して下段が欧文字による英語表記でありその文字の種類及び言語が異なること、上段と下段とが常に一体不可分のものとして把握しなければならない特別の事由はは認められないことよりすれば、簡易、迅速を尊ぶ取引場裡においては、「クロロフィルニッコウセイヤク」、「ホワイトニングクリアアシスト」の各称呼、「クロロフィル製品を取り扱う日興製薬」の観念をもって取引に資される場合も決して少なくないというのが相当である。
他方、引用商標は、別掲(2)のとおり「CLEAR ASSIST」の欧文字と「クリアアシスト」の片仮名文字を二段に横書きした構成よりなるものであるから、「クリアアシスト」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
本件商標と引用商標とは、それぞれより生ずる称呼「クロロフィルニッコウセイヤクホワイトニングクリアアシスト」「クロロフィルニッコウセイヤク」「ホワイトニングクリアアシスト」と「クリアアシスト」とを比較すると、「クリアアシスト」の音を共通にする場合があるとしても、これ以外の構成音が著しく相違するので、称呼上明らかに聴別し得るものである。両商標は、観念において比較することができず、外観においては構成文字の一部「CLEARASSIST」と「CLEAR ASSIST」とが近似するとしても、これ以外の構成文字が著しく相違するので、明らかに区別し得るものである。
したがって、本件商標と引用商標とは非類似の商標というべきである。
この点について、請求人は、「本件商標は、その構成中の『CLEARASSIST』の部分が他の構成部分より独立して自他商品の識別力を有するので『クリアアシスト』の称呼を生じるから、『クリアアシスト』の称呼を生じる引用商標と称呼上類似の商標である。」旨主張している。
しかしながら、本件商標は、その構成中の「CLEARASSIST」の部分が他の構成部分より独立して自他商品の識別力を有するとすべき合理的理由は認められない。もっとも、請求人は、下段部分が個別商品名を表すこと、全体にて冗長すぎること、「WHITENING」文字部分が自他商品の識別力を有しないことを理由とするが、本件商標の下段部分のみが個別商品名を表すとすべき具体的事実を請求人は何ら立証するところがなく、また下段部分より生じる「ホワイトニングクリアアシスト」の称呼は一気一連に称呼し得ない程冗長とまではいえないものであり、さらに「WHITENING」の文字部分が指定商品との関係から単独では自他商品の識別力を有しない場合があるとしても、本件商標の構成上においては上述した理由により下段部分は一体不可分のものとして認識されるというべきであるから、請求人の主張する理由はいずれも採用することができない。
(2)商標法第4条第1項第16号の該当性について
本件商標構成中の「クロロフイル」の文字部分は、商標権者の商号の略称表記に冠して表されていることからすれば、指定商品の原材料を表記したとの印象を与えるというよりは、むしろ「日興製薬」と一連一体のものとして認識されるから、本件商標を指定商品中「クロロフィルを原材料とする商品以外の商品」に使用したとしても、商品の品質について誤認を生じさせるおそれはないというべきである。
本件商標構成中の「WHITENING」の文字部分は、上述したとおり本件商標の構成上においては下段部分が一体不可分のものとして認識され、指定商品の品質を表記したとの印象を与えものでないから、本件商標を指定商品中「美白効果を有する商品以外の商品」に使用したとしても、商品の品質について誤認を生じさせるおそれはないというべきである。
したがって、本件商標は、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがある商標に該当しない。
(3)以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び第16号の規定に違反してされたと認められないから、請求人の主張には理由が無く、無効にすべきではない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。