1 本願商標
本願商標は、「小江戸時の鐘」の文字を書してなり(標準文字による商標)、第30類「菓子及びパン,コーヒー及びココア,コーヒー豆,茶,みそ,ウースターソース,ケチャップソース,しょうゆ,食酢,酢の素,そばつゆ,ドレッシング,ホワイトソース,マヨネーズソース,焼肉のたれ,角砂糖,果糖,氷砂糖,砂糖,麦芽糖,はちみつ,ぶどう糖,粉末あめ,水あめ,ごま塩,食塩,すりごま,セロリーソルト,化学調味料,香辛料,米,脱穀済みの大麦,食用粉類,穀物の加工品,サンドイッチ,すし,ピザ,べんとう,ミートパイ,ラビオリ,即席菓子のもと,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,氷,酒かす」を指定商品として、平成11年7月2日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、小江戸とも呼ばれる川越市と、そのシンボルとして世人に知られている建造物名を認識させる『小江戸時の鐘』の文字を書してなるものであるが、前記都市、或いはその建造物は、首都圏の観光都市、或いはそのシンボルとして知られていること、さらに、観光地等においては観光名所の名をつけた土産物、飲食物等が製造、販売されている実情がみられることから、本願商標をその指定商品に使用しても、『上記都市、或いはそのシンボルの観光名所近辺で製造・販売されている商品』であることを認識するに止まり、単に商品の生産地、販売場所を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、上記のとおりの構成よりなるところ、構成中の「小江戸」の文字部分は、「小さな江戸」の如き意味合いから、江戸時代の面影を残す町並みを有する都市について愛称的に使用しているものであって、行政区画のように特定の都市、地域を表すものではないばかりでなく、そのように称している都市は全国に栃木県栃木市、埼玉県川越市、滋賀県彦根市等、多数存在している。
また、「時の鐘」の文字部分は、江戸時代の頃、庶民に時間を知らせる時報として使用され、各地に点在していた鐘を認識させ、この鐘は今日でも全国に多数現存している。
そうとすると、これらを「小江戸時の鐘」と一連に書した本願商標をその指定商品に使用しても、原審説示の如く商品の産地、販売地を特定するとまではいい得ず、その商品の産地、販売地等を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標ということもできない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶することはできない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。