1 本願商標
本願商標は、「グレイス」及び「GRACE」の文字を二段に書してなり、第28類「樹脂粘土,磁器粉粘土,小麦粘土,その他の粘土」を指定商品として、平成6年5月6日に登録出願、その後、指定商品については、同9年2月17日付け手続補正書により、第16類「工芸用粘土(陶土を除く。)」と補正されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第2289507号商標は、「Grace」の欧文字を書してなり、昭和53年7月5日に登録出願、第24類「おもちゃ、人形、娯楽用具、運動具、楽器、演奏補助品、蓄音機(電気蓄音機を除く)レコード、これらの部品および附属品」を指定商品として、平成2年12月26日に設定登録、その後、同12年12月26日に存続期間の更新登録がされ、同13年9月26日に指定商品の書換登録がなされた結果、指定商品は、第25類「運動用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。)」及び第28類「おもちゃ,人形,運動用具」となったものである。
同じく登録第2709145号商標は、「グレースレインボーカラー」の文字を横書きしてなり、平成3年12月18日に登録出願、第25類「文房具類」を指定商品として、平成7年7月31日に設定登録されたものである。(以下これらをまとめて「引用各商標」という。)
3 当審の判断
原査定は、引用各商標の指定商品中「文房具類」又は「おもちゃ,人形」(以下「引用商品」という。)と本願指定商品とが、互いに類似する商品であると認定した上で本願を拒絶したものと認められるから、この点について検討する。
本願指定商品「工芸用粘土(陶土を除く。)」は、樹脂、コーンスターチ、小麦粉等を主原料とするものであって、造形性に優れており、専ら造花、ブローチ、人形等の手工芸作品の製作に用いられ、その流通経路としては、メーカーから手芸問屋を経由し手芸材料を専門に取り扱う店舗、あるいは日用雑貨品等を一手に取り扱う大型店舗において、手芸材料とともに販売されているのが実状である。
上記事実からすれば、「工芸用粘土」は、手芸材料の一つとして取り扱われているものと認めることができる。
一方、「文房具類」は、通常、文房具店で販売されるものであるが、本願指定商品が文房具店で販売されることはほとんどなく、また、本願指定商品は、「おもちゃ」の範疇に属する商品ではないから、本願指定商品と引用商品は、その用途、流通経路(販売店)及び需要者を異にするものといえる。
そうとすれば、本願指定商品と引用商品とは、非類似の商品であると判断するのが取引の実状に照らし相当である。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は妥当でなく、その理由をもって本願を拒絶することはできない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。