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結論

敗訴(請求棄却)

第4条第1項第16号・第3条第1項第3号「ライナーレスの識別力」の商標審決・判断理由(審判番号:不服2000−4588(T2000−4588/J1)|請求不成立)

審判番号
不服2000−4588(T2000−4588/J1)
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標(図形等・本文参照)
争点(論点)
ライナーレスの識別力
適用条文
第4条第1項第16号・第3条第1項第3号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
請求不成立(敗訴(請求棄却))

この審決(審判不服2000−4588(T2000−4588/J1)・不服)は、本件商標について、商標法第4条第1項第16号・第3条第1項第3号への該当性が争われた事例です。主な争点は「ライナーレスの識別力」です。特許庁は「本件審判の請求は、成り立たない」と判断しました(請求不成立)。商品の品質や用途を直接表す語は識別力が否定されやすいため、出願前に造語化や図形との組合せを検討することが有効です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

第1 本願商標

本願商標は、「LINERLESS」及び「ライナーレス」の文字を二段に横書きしてなり、第16類に属する願書記載の商品を指定商品として、平成9年10月1日に登録出願されたものである。

そして、願書記載の指定商品については、同11年12月14日付けの手続補正書により、第16類「紙類(段ボール原紙,段ボールを除く。),家庭用食品包装フィルム,紙製ごみ収集用袋,プラスチック製ごみ収集用袋,衛生手ふき,型紙,紙製タオル,紙製テーブルクロス,紙製テーブルナプキン,紙製手ふき,紙製のぼり,紙製旗,紙製ハンカチ,紙製ブラインド,紙製幼児用おしめ,裁縫用チャコ,荷札,印刷物,書画,写真,写真立て,遊戯用カード,文房具類,事務用又は家庭用ののり及び接着剤,青写真複写機,あて名印刷機,印刷用インテル,印字用インクリボン,活字,こんにゃく版複写機,自動印紙はり付け機,事務用電動式ホッチキス,事務用封かん機,消印機,製図用具,装飾塗工用ブラシ,タイプライター,チェックライター,謄写版,凸版複写機,文書細断機,封ろう,マーキング用孔開型板,郵便料金計器,輪転謄写機,観賞魚用水槽及びその附属品」と補正されたものである。

第2 原査定の理由

原査定は、「本願商標は、『LINERLESS』と『ライナーレス』の文字とを普通に用いられる方法で上下二段に書してなるところ、構成中前半の『LINER(ライナー)』の文字部分は、裏張り等の意味を有するばかりでなく、段ボール等を取扱う業界においては、段ボール原紙の表面と裏面とに使用する用紙を指称するものとして使用されているものであり、また、後半の『LESS(レス)』の文字部分は、『〜のない、〜を欠く』という意味の接尾語として用いられていることから全体として、『段ボール原紙の表面と裏面とに使用する用紙でないもの、裏張りをしていないもの』等の意味合を容易に認識させるものであるから、これを本願指定商品中の、前記段ボール原紙及びそれらの製品に使用するときは、単に商品の品質、材料を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定して、その出願を拒絶したものである。

第3 当審の判断

1.本願商標は、前記したとおり、「LINERLESS」及び「ライナーレス」の文字を二段に書してなるものであるところ、当審において、補正後の指定商品との関係で「LINERLESS」及び「ライナーレス」の文字について行った職権による証拠調べによれば、以下の事実が認められる。

(1)株式会社ジー・サーチの提供に係る「G−Searchの新聞情報データベース」により、各紙の新聞報道において、

(ア)「東北リコー、2色印字可能な携帯型バーコードプリンター発売(2001.11.13 日刊工業新聞 12頁)」の見出しのもと「【仙台】東北リコーは、携帯型バーコードプリンター「サーマバーMP2000=写真」を発売した。価格はオープン。初年度販売目標2000台。ダイレクトサーマル方式で赤黒2色印字が可能。またインテリジェントバッテリーを採用し、低温環境での印字にも適し、長時間使用できるなどの特徴を持つ。このほか、感熱ライナーレス紙や感熱ラベル紙などの多彩なサーマル用紙にも対応し、幅広い分野での活用が可能。」との記事紹介。

(イ)「東北リコー、物流向けラベルプリンターを発売(1998.02.09 日刊工業新聞 9頁)」の見出しのもと「【仙台】東北リコー(宮城県柴田町神明堂3の1、杉田啓次社長、022・224・3071)は日東電工と協力して物流向けライナーレス・ラベルプリンター「サーマバー・IP5000L=写真」を商品化し十日に発売する。プリンター本体の標準価格は四十八万円。このラベルプリンターはライナーレス・ラベルと熱転写リボンを別々にセットする「完全分離型・熱転写方式」。プリンター本体を東北リコーが、専用サプライの「リボン/ラベル」を日東電工が担当した。ランニングコストを三〇%改善し、物流ラベルに五インチ印刷幅で対応できる高精細三百dpiヘッドを標準搭載しているのが特徴。」との記事紹介。

(ウ)「日東電工 環境に優しい粘着ラベル開発 熱転写プリンターも(1998.02.05 日本工業新聞 19頁)」の見出しのもと「日東電工は粘着ラベルの裏についている剥離紙(ライナー)をなくした「ライナーレスラベル」、および、熱溶融方式で印刷する「熱転写プリンター」=写真=を開発、粘着ラベルの現場発行システムとして三月二日発売する。現在、はがした剥離紙はそのままゴミとして捨てられており、環境にやさしい粘着ラベルとして売り込む。・・・・」との記事紹介。

(エ)「シーアイ化成、カナダのムーアと粘着ラベルで業務提携(1997.03.26 日刊工業新聞 19頁)」の見出しのもと「シーアイ化成(社長石谷博氏)は二十五日、世界最大のビジネスフォームメーカーであるカナダのムーア社(オンタリオ州)と粘着ラベル事業で業務提携したと発表した。ムーア社がラベリングのシステムなどの技術を供与、シーアイ化成が製造・販売を行う。ラベル部門のアジアでの事業拡大を狙うムーア社は日本市場を開拓、シーアイ化成は同分野に進出する。まず九七年末からゴミになるライナー(離型紙)がないライナーレスラベルの生産から始め、バーコードや自動認識技術を活用する粘着ラベルに展開していく予定。工場など詳細は四月に決める。」との記事紹介が認められる。

(2)同じく、インターネットにより情報を公開しているサイトをみると、

(ア)「東北リコー株式会社(宮城県柴田郡柴田町中名生神明堂3-1所在)」が一般に公開しているホームページ(http://www.ricoh.co.jp/tohoku/barcode/printer/linerless.html)において「ライナーレスラベルの特徴は? 」と題して「ライナーレスラベルを使うと、次のような利点があります。

クリーンな環境:台紙を捨てる必要が無いので、ゴミの出ないクリーンな環境で仕事ができます。 また、エコロジー対応により、企業・団体のイメージアップに貢献します。

コストダウン :台紙が無いこと、型代が不要なことで、ラベルのコストを押さえることができます。 また、産業廃棄物になる台紙を処理する必要がないので、回収・処理コストがかかりません。 その積み重ねが、全体のコスト削減につながります。

ラベルの長さが自由自在 :印刷する長さを変えることで、さまざまなラベルを発行することができるので、 ラベルを交換する必要がありません。」と紹介。

(イ)日東電工株式会社(大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号)が一般に公開しているホームページ(http://www.nitto.co.jp/company/98_1_30/98_1_30.htm)において「剥離紙のない『ラベル現場発行システム』を発売」と題して「水や薬品にも強い粘着ラベルも併せて開発日東電工株式会社は、粘着ラベルの剥離紙(ライナー)を不要にした「ライナーレスラベル」と、熱溶融方式で印刷する「熱転写プリンタ」を開発し、ラベル現場発行システムとしてこの3月から販売します。・・・・」と紹介。

(ウ)トッパン・フォームズ株式会社(本社 東京都千代田区神田駿河台1-6お茶の水スクエア)が一般に公開しているホームページ(http://www.toppan-f.co.jp/profile/fb.html)でも「実績とクオリティのリーダー。トッパン フォームズのビジネスフォーム」のページで「●ライナーレスラベル」と題して「ラベル台紙(ライナー)をなくすことで、低価格化を実現するとともに、環境保護に貢献できるラベル。」と紹介。

(エ)日昌株式会社(大阪市北区西天満4丁目8番17号(宇治電ビル9階))が一般に公開しているホームページ(http://www.nissho.org/seihin/info/sehin-b_06.html)において「バーコードラベル」の項目で「バーコードラベルとして過酷な環境に耐える熱転写印字用ラベルを各種取り揃えております。洗浄に強く熱に強いラベルなど基板実装工程でも可能です。また環境にやさしいライナーレス(台紙のない)タイプも品揃えしております。インクリボン・プリンターもございます」との紹介が認められる。

2.上記1.で認定した事実を総合すれば、本願補正後の指定商品中「ラベル」を取り扱う業界において、「LINERLESS」及び「ライナーレス」の文字は、「粘着ラベルの剥離紙(台紙)が不要、又は、貼付されていないもの」を意味する文字(語)として普通に使用されていることが認められる。

してみると、前記した構成文字よりなる本願商標は、これをその指定商品中、「ラベル」について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、該商品が「粘着ラベルの剥離紙(台紙)が不要な、又は、貼付されていない商品」の意味合いを表したと理解するにとどまり、自他商品を識別する標識としての商標とは認識し得ないというのが相当である。

3.そうとすれば、本願商標は、これをその指定商品中、「粘着ラベル等の剥離紙(台紙)が不要な、又は、貼付されていない商品」について使用しても、単に商品の品質を表示するにすぎないものであり、また、前記商品以外の粘着面を構成要素としてもつ商品について使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわざるを得ない。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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