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Trademark Appeal Case

結合商標の記述性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成11年審判第10169号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「CINEMA DSP」(「A」と「D」の文字間の1字分程の間隔を含む。)の欧文字を横書きしてなり、第9類「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具、電気材料」を指定商品として、平成4年3月30日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶理由

原査定は、「本願商標は、『映画(館)』の意味を有する英語『CINEMA』の文字と、『デジタル信号処理装置(Digital Signal Processor)』の略称として取引上一般に使用されている『DSP』の文字とを同列に『CINEMA DSP』と普通に用いられる方法で書してなるものであるところ、近年、デジタル信号処理装置を搭載した家庭用の映画音響機器が広く製造、販売されている実情よりすれば、これをその指定商品中『スピーカー、アンプ』等に使用するときは、該商品がデジタル信号処理装置を搭載した映画音響用のものであることを理解させるものであって、単に商品の品質、用途を表示するにすぎない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、前記したとおり、「CINEMA DSP」の欧文字よりなるところ、構成中前半部の「CINEMA」の文字は、「映画」を意味するものとして親しまれている語である。そして、後半部の「DSP」の文字は、「Digital Signal Processor」(デジタル信号処理装置:デジタル信号を加工するための特殊なマイクロプロセッサー。音声や映像、計測データなどのアナログ信号をデジタル化し、それにフィルター処理などを加える回路または装置のこと。)の略語であり、本願指定商品を取り扱う業界において、取引上普通に使用されているものである。

そうとすると、本願商標は、全体として「映画用デジタル信号処理装置」の意味合いを容易に把握し、認識されるものである。

ところで、本願指定商品中の「電気通信機械器具、電子応用機械器具」を取り扱う業界において、近年、AV機器のデジタル化が進み、家庭用についても、デジタル化された音響機器等が多数製造販売され、市場に出回っている実情にある。そして、これらの機器は、DSP(デジタル信号処理装置)を搭載することにより、あたかも映画館で観ているかのような臨場感ある映像と音響を再現することが可能になり、家庭においても映画を十分楽しむことができるようになったことは周知の事実といえる。

そうとすれば、前記した構成よりなる本願商標は、これをその指定商品中「電気通信機械器具」等について使用した場合、これに接する取引者・需要者は、上記の実情からすると、「映画を観るためのデジタル信号処理装置を搭載した商品」なる意味合いをもって、単に商品の用途・品質を表示したものと認識するにとどまるものとみるのが相当であるから、自他商品の識別標識としての機能を有しないものといわなければならない。

してみれば、本願商標は、これをその指定商品中、「デジタル信号処理装置又は同装置を搭載してなるスピーカー・アンプ等デジタル信号処理装置を搭載した音響又は映像用の機械器具」について使用しても、単に商品の用途・品質を表示するにすぎないものであり、該商品以外の「電気通信機械器具、電子応用機械器具」に使用するときは、その商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわざるを得ない。

なお、請求人は、登録例を挙げて本願商標は登録されるべきであると主張しているが、それらの登録例は、本願商標とは商標の具体的構成が相違し、事案を異にするものであるから、本件の判断に影響を及ぼすものではなく、請求人のこの主張は採用できない。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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