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Trademark Appeal Case

栄養バランスの品質表示

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成11年審判第19961号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「栄養バランス」の文字を標準文字とし、第29類「食用油脂」を指定商品として、平成10年8月18日に登録出願されたものである。

2 原査定の理由

原査定は、「この商標登録出願に係る商標は、栄養のバランスを考えた商品であることを認識させる『栄養バランス』の文字を表してなるから、これを本願指定商品に使用するときは、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示するにすぎない。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、「栄養バランス」の文字よりなるところ、株式会社岩波書店1998年11月11日発行「広辞苑 第5版」には、「栄養」の文字は、「生物が外界から物質を摂取し代謝してエネルギーを得、またこれを同化して生長すること。また、その摂取する物質。」との記載が、「バランス」の文字は、「つりあい。均衡」と記載されていることが認められる。

ところで、近時、日本人の食生活は、日常の生活の多様化等の生活環境の変化や食生活を取り巻く社会的状況において、朝食の欠如、ファーストフード等の加工食品やインスタント食品の依存度によって引き起こされる肥満、糖尿病、高血圧症等の生活習慣病の増加が深刻化する一方で、摂取される食物繊維、カルシウム、ビタミン等の栄養成分のバランス不足が健康を維持することへの障害となっていることは、一般の需要者の間にもよく知られているところである。

そして、このような食生活を取り巻く社会的状況において、食物繊維、カルシウム、ビタミン等の栄養成分を添加したことを付加価値とする商品がバランス飲料やバランス食品等の名称で市場に出回っていることも周知の事実である。このような商品は、本願指定商品の食用油脂を取り扱う分野においても、ビタミンEやリノール酸などの必須脂肪酸、健康に良いといわれるオレイン酸等の栄養成分を添加した商品が市販されている実情にある。

上記事実と取引の実情よりすると、「栄養バランス」の文字よりなる本願商標をその指定商品について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、「栄養のバランスがとれた商品」あるいは「栄養素のよい成分をバランスよく添加した商品」なる意味合いを表したものと容易に理解し、自他商品を識別する標識たる商標とは認識し得ないものとみるのが相当である。

してみると、本願商標は、これをその指定商品について使用しても、単にその商品の品質を表示するにすぎないものであるといわざるを得ない。

なお、請求人は、他の登録例を挙げて本願商標の登録適格性を主張している。しかしながら、それらの事例は、商標の具体的構成及び指定商品において本願商標とは事案を異にするものであって、それらの事例をもって本願商標の登録の適否を判断する基準とするのは必ずしも適切ではないから、請求人の主張は採用することができない。

以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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