結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2002−30368(T2002−30368/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第2682750号商標(以下「本件商標」という。)は、「キッセス」の片仮名文字と「KISSES」の欧文字を上下二段に書してなり、平成4年3月25日に登録出願、第1類「化学品(他の類に属するものを除く)薬剤、医療補助品」を指定商品として、同6年6月29日に設定登録されたものであり、現に有効に存続している。
請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のとおり述べ、本件商標の登録原簿の写しを提出した。
1.請求の理由
本件商標はその指定商品中「薬剤」については、継続して過去3年以上日本国内において使用されている事実はない。
また、本件商標の登録原簿によれば、専用使用権及び通常使用権が設定登録されている事実もない。
したがって、本件商標は、その指定商品中の「薬剤」についての登録は、商標法第50条の規定により、その登録の取消を免れ得ないものである。
2.答弁に対する弁駁
(1)被請求人は、本件商標の使用証拠として「キッセス 薬用リップクリーム A」及び「キッセス 薬用リップクリーム W」流通向け案内書及び「キッセス 薬用リップクリーム W」商品台紙及び「売上返品管理表」を提出し、「薬剤」についての取消請求は成り立たない、との審決を求めている。
(2)しかしながら、提出証拠掲載の「キッセス 薬用リップクリーム A」及び「キッセス 薬用リップクリーム W」は、「薬剤」ではなく「化粧品」に分類されるべき商品であり、本件商標の指定商品「薬剤」としての使用証拠足り得ない。
(3)本件商標の指定商品「薬剤」としての使用であるならば、医療用又は一般用医薬品として厚生労働省の製造輸入承認を取得していなければならないが、調査の結果、これらの商品について厚生労働省の製造輸入承認を取得している事実は発見されなかった。
(4)薬用又は医薬部外品であるリップクリームを含むクリーム等の化粧品は、国際分類第3類(04C01)、日本分類第4類(04C01)に分類されるべきものであり、国際分類第5類「薬剤(01B01)」の範疇に属さない。
(5)したがって、本件商標は取消を免れないものである。
被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第3号証を提出した。
1.本件商標は、以下に提示する証拠からも明らかな如く、過去3年以内に指定商品中「薬剤」に使用されている。
(1)乙第1号証は、1997年8月1日に発売された商品「キッセス 薬用リップクリーム A」と「キッセス 薬用リップクリーム W」の流通向け案内書であるが、掲載商品に本件商標「キッセス」及び「KISSES」の文字が付されている。
(2)乙第2号証は、前記「キッセス 薬用リップクリーム W」の商品台紙であり、被請求人の住所及び名称が付されている。
(3)乙第3号証は、最近の資料として1999年12月分、2000年12月分、2001年12月分「全国商品別売上返品管理表(抜粋)」であるが、コンピューター入力用名称として当該商品「SBLキッセスヤクヨーリップ」及び「SBLキッセスリップクリムA」の出荷・返品・売上実績が記載されている。
2.以上のとおり、本件商標の過去3年以内の使用は明らかである。
1.乙第1号証ないし乙第3号証によれば、以下の事実が認められる。
(1)乙第1号証(商品「キッセス 薬用リップクリーム A」と「キッセス 薬用リップクリーム W」の流通向け案内書:リーフレット)の表面には、「薬用リップクリーム A」に関し、「アロエ メントール爽快感/薬用荒れ止め アロエリップ」、「¥198」、「アロエエキス配合/保湿成分/唇にうるおいを与えます。」などの文字とともに、「KISSES」の文字が表示されている。また、「薬用リップクリーム W」に関し、「薬用/医薬部外品/無香料」、「薬用荒れ止めリップ」、「うるおい成分で(ヒアルロン酸、コラーゲン配合)/荒れ止め/カサツキを防ぎうるおいを与えます。」、「口紅下地/口紅のにじみを防ぎます。」、「¥138」などの文字とともに、「KISSES」の文字が表示されている。
同裏面には、「キッセス 薬用リップクリーム A」と「キッセス 薬用リップクリーム W」に関するバーコード、内容量、国内参考販売価格、商品のサイズ等ととに、「販売店様へ」としてそれぞれの商品の発注方法、商品入数等が記載されている。また、「ビー・エル・オーバーシーズ株式会社」等の文字とともに、注文及び問い合わせの電話番号が記載されている。さらに、「ビー・エル・オーバーシーズ株式会社」の文字等の右には、「キッセス 薬用リップクリーム A」と「キッセス 薬用リップクリーム W」が陳列台紙に陳列された状態の写真が掲載されているところ、それぞれの陳列台紙には、「医薬部外品」の文字が記載されている。
(2)乙第2号証(商品「キッセス 薬用リップクリーム W」の商品台紙)の表面には、「KISSES」、「only $1.50」、「薬用/荒れ止め&口紅下地/キッセス 薬用リップクリーム W」、「医薬部外品」の文字が記載され、また、同裏面には、「荒れ止め&口紅下地」、「1.唇の荒れ・かさつきを防ぎ、うるおいを与えます。2.口紅のにじみを防ぎます。3.唇を乾燥から守ります。」、「唇生体成分配合/コラーゲン/ヒアルロン酸」、「発売元 B・L・オーバーシーズ株式会社」、「輸入元 株式会社 伊勢半」などの文字が記載されている。
(3)乙第3号証(99年12月分、00年12月分及び01年12月分 全国商品別売上返品管理表)には、「SBLキッセスヤクヨーリップ」及び「SBLキッセスリップクリムA」に関し、その年間売上、年間返品、年間正味などが記載されている。
2.そこで、使用に係る「薬用リップクリーム」(以下「使用商品」という。)が取消に係る商品「薬剤」に含まれる商品であるか否かについて検討する。
(1)前記1.で認定した事実によれば、使用商品は、いずれも医薬部外品と認められるところ、薬事法(昭和35年法律第145号)第2条第2項によれば、「医薬部外品」とは、「同法第2条第2項第1号から第4号に挙げることが目的とされており、かつ、人体に対する作用が緩和な物であって器具器械でないもの及びこれらに準ずる物で厚生労働大臣の指定するものをいう」のであって、同規定中、「厚生労働大臣の指定するもの」には、「薬事法第2条第3項に規定する使用目的のほかに、にきび、肌荒れ、かぶれ、しもやけ等の防止又は皮膚若しくは口腔の殺菌消毒に使用されることもあわせて目的とされる物」、いわゆる「薬用化粧品」が含まれる。
ところで、商標法上の「薬剤」には、薬事法上の規定に基づく医薬品の大部分及び同法にいう医薬部外品の一部が含まれるものであるところ、医薬部外品であっても、その使用目的において身体を清潔にし、美化し、魅力を増す等の用途に使用されるもの、例えば、薬用化粧品は、化粧品の概念に属する商品であると解され、また、同じく「化粧品」中の「薬用クリーム」は、薬事法上の医薬部外品としての薬用化粧品であると解される(特許庁商標課編「商品及び役務区分解説」改訂第3版)。
(2)使用商品は、前記1.で認定したとおり、「薬用リップクリーム」の表示があり、「薬用荒れ止め」、「唇にうるおいを与えます。」(薬用リップクリーム A)、「薬用/医薬部外品/無香料」、「薬用荒れ止めリップ」、「うるおい成分で(ヒアルロン酸、コラーゲン配合)/荒れ止め/かさつきを防ぎうるおいを与えます。」、「口紅下地/口紅のにじみを防ぎます。」(薬用リップクリーム W)などの効能を表示した文言が記載されているところ、上記効能表示からは、唇の乾燥等による荒れ、かさつき等を防ぎ、唇にうるおいを与え、唇を健やかに保つために塗布する商品と認められ、このような効能の点において薬用化粧品の範囲を出ないものということができる。
そして、上記したとおり、「薬用クリーム」が商標法上化粧品の範疇に属する商品であることを併せて考えると、使用商品は、化粧品の範疇に属する商品というのが相当である。他に、使用商品が薬剤の範疇に属する商品であると認めるに足る証拠は見出せない。
そうすると、本件商標は、取消請求に係る指定商品「薬剤」について使用されているものとは認めることができない。
3.以上のとおりであるから、被請求人が本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが取消請求に係る「薬剤」について本件商標を使用していたことを証明したものとは認めることはできず、また、被請求人は、使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていないといわざるを得ない。
したがって、本件商標は、その指定商品中の「薬剤」についての登録は、商標法第50条の規定により、その登録を取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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