結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 無効2002−35242(T2002−35242/J3) |
|---|---|
| 審判種別 | 無効 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第4452081号商標(以下「本件商標」という。)は、「コンプリート」の片仮名文字と「complete」の欧文字を二段に横書きしてなり、平成11年12月28日登録出願、第3類「せっけん類,香料類,化粧品,歯磨き,つや出し剤,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し布,靴クリーム,靴墨,塗料用剥離剤」を指定商品として、同13年2月9日に設定登録されたものであるが、その後、指定商品については、平成14年8月9日付の指定商品一部放棄書をもって、指定商品中の「つや出し剤,靴クリーム,靴墨,塗料用剥離剤」についての登録が放棄され、その登録が同14年8月27日になされたものである。
請求人が本件商標の登録無効の理由に引用する登録第1215039号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、昭和46年3月24日登録出願、第3類「染料、顔料、塗料、印刷インキ、くつずみ、つや出し剤」を指定商品として、同51年8月19日に設定登録されたものである。
請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第6号証を提出した。
(1)引用商標は、「Johnson」の部分が図案化されているのに対し、「COMPLETE」の部分は通常の字体で表されている。また、引用商標は、全体から特定の観念を想起させものではない。さらに、引用商標全体から生ずる称呼「ジョンソンコンプリート」は10音と長く決して一気に称呼し易いとはいえない。
このように、外観、観念及び称呼のいずれの点から考えても引用商標は一体性が強いとはいえないものであるから、引用商標が必ず一連一体にのみ認識されると考えるべきではなく、むしろ、需要者及び取引者が引用商標を見るとき、「Johnson」部分と「COMPLETE」部分を分離して認識するのが自然であると考えるべきである。
したがって、引用商標中「Johnson」部分は、いわゆるハウスマーク、「COMPLETE」部分は、いわゆるペットネームとして認識されているのであるから、結局、両部分はそれぞれ独立して要部となる。
以上より、引用商標中「COMPLETE」部分は独立して要部となり、引用商標から、この英単語に相応する「コンプリート」の称呼が生じ、「完全な、全部の」というような観念が想起される。
一方、本件商標からも、これを構成する片仮名部分及び欧文字部分に相応して、「コンプリート」の称呼が生じ、「完全な、全部の」というような観念が想起される。
したがって、本件商標と引用商標は、「コンプリート」の称呼及び「完全な、全部の」というような観念を共通にする類似する商標である。
また、本件商標の指定商品中「つや出し剤,靴クリーム,靴墨,塗料用剥離剤」は、引用商標の指定商品と同一又は類似である。
以上のとおりであるから、本件商標は、その指定商品中の「つや出し剤,靴クリー ム,靴墨,塗料用剥離剤」は、商標法第4条第1項第11号に該当すること明らかである。
(2)答弁に対する弁駁
被請求人は、本件商標の指定商品から、引用商標の指定商品と同一又は類似の指定商品、すなわち、「つや出し剤,靴クリーム,靴墨,塗料用剥離剤」を放棄したので、商標法第4条第1項第11号に該当するという無効理由は解消されている旨を主張している。
しかしながら、説明するまでもなく、無効審判は登録の適否を判断するものであり、登録査定の時点で無効理由があったか否かを判断するのであるから、登録後に無効理由に該当する指定商品を一部放棄したからといって、無効理由が解消する訳ではない。この点、被請求人は明らかに誤解しており、被請求人の上記主張には理由がない。
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない。審判費用は、請求人の負担とする。との審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べた。
被請求人は、本日別途提出した商標権の一部抹消申請書により、本件商標の指定商品から「つや出し剤,靴クリーム,靴墨,塗料用剥離剤」を放棄したので、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とは同一又は類似することはなく、非類似の商標であることが明確となった。
したがって、請求人が主張する本件商標は引用商標と類似であるため、商標法第4条第1項第11号を理由に拒絶されるべきであったとする無効理由は解消した。
(1)本件商標と引用商標の類否について
本件商標は、前記のとおりの構成よりなるものであるから、その構成文字に相応して「コンプリート」の称呼を生ずるものである。
これに対し、引用商標は、別掲のとおりの構成よりなるものであるところ、その構成中の「Johnson」の文字部分と「COMPLETE」の文字部分は、書体を異にして表記されているばかりでなく、「Johnson」と「COMPLETE」の両語をもって、親しまれた熟語的意味合いを表したものとも認め難いところである。さらに、引用商標は、構成全体をもって称呼した場合、その称呼は、冗長なものということができる。
してみると、引用商標を構成する「Johnson」と「COMPLETE」は、これらを常に一体不可分のものとして把握、認識しなければならないとする格別の理由は見出せないものであるから、それぞれが独立して自他商品の識別標識としての機能を果たすものと判断するのが相当である。
そうすると、引用商標は、「COMPLETE」の欧文字に相応して「コンプリート」の称呼をも生ずるものといわなければならない。
したがって、本件商標と引用商標は、「コンプリート」の称呼を共通にする称呼上類似の商標といわざるを得ない。
(2)両商標の指定商品について
本件商標は、「せっけん類,香料類,化粧品,歯磨き,つや出し剤,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し布,靴クリーム,靴墨,塗料用剥離剤」を指定商品として設定登録されたものであり、その指定商品中の「つや出し剤,靴クリーム,靴墨,塗料用剥離剤」は、引用商標の指定商品中の「塗料、くつずみ、つや出し剤」とその用途、販売場所等を共通にする類似の商品と認められる。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標は、その指定商品中の「つや出し剤,靴クリーム,靴墨,塗料用剥離剤」ついての登録は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものといわざるを得ず、同法第46条第1項の規定により無効とすべきものである。
なお、被請求人は、本件商標は、その指定商品中の「つや出し剤,靴クリーム,靴墨,塗料用剥離剤」についての登録を放棄したものであるから、本件審判の無効理由は解消した旨主張するが、本件審判は、本件商標が商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたか否かについて判断すべきところ、その判断の時期は本件商標の登録査定時と解されるから、本件商標の商標権の設定以降において、本件商標の指定商品中、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品を放棄したとしても、本件審判の無効理由が解消したことにはならない。したがって、被請求人のこの点に関する主張は理由がない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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