Trademark Appeal Case
地名と普通名称の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2001−21627(T2001−21627/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「八重洲コンタクトレンズ」の文字を横書きしてなり、第9類「コンタクトレンズ,その他の眼鏡並びにコンタクトレンズ,その他の眼鏡の部品及び附属品」及び第35類「雑誌による広告の代理,新聞による広告の代理,テレビジョンによる広告の代理,ラジオによる広告の代理,インターネットによる広告の代理,商品の販売に関する情報の提供」を指定商品及び指定役務として、平成12年7月7日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶理由
原査定は、「本願商標は、東京都中央区西部の東京駅八重洲口前及びその周辺(地下を含む)の商業地区名として著名な『八重洲』の文字に、商品『コンタクトレンズ』の文字とを『八重洲コンタクトレンズ』と書してなるにすぎないものであるから、これを本願の指定商品中『コンタクトレンズ』及び指定役務中『雑誌による広告の代理,新聞による広告の代理,テレビジョンによる広告の代理,ラジオによる広告の代理,インターネットによる広告の代理,商品の販売に関する情報の提供』中、コンタクトレンズに関する上記役務に使用するときは、需要者が何人かの業務に係る商品(役務)であることを認識することができないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、前記商品(役務)以外の商品(役務)に使用するときは、商品(役務)の品質(質)の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記のとおり「八重洲コンタクトレンズ」の文字を書してなるものであるところ、構成中前半の「八重洲」の文字部分は、東京都中央区西部の東京駅八重洲口前及びその周辺(地下を含む。)の商業地区名であり、八重洲口近くには大地下街があり、各種商品・役務が提供されており、その利用者も非常に多いことからすれば、「八重洲」の名称は、東京駅八重洲口周辺の地区名として広く知られているものといえる。そして、後半の「コンタクトレンズ」の文字部分は、本願指定商品との関係においては、商品名を表示したものと認められるものである。
そうとすると、本願商標は、全体として、「東京駅八重洲口周辺の商業地区で製造又は販売されるコンタクトレンズ」あるいは「当該商業地区でコンタクトレンズに関して提供されるサービス」の意味合いを容易に認識させ得るものといえる。
ところで、請求人(出願人)は、先に登録された「株式会社八重洲コンタクトレンズ」商標(登録第1635421号商標、昭和55年12月1日登録出願、同58年11月25日設定登録、平成5年11月25日商標権の存続期間満了により消滅。)が「株式会社」の文字を小さく、「八重洲コンタクトレンズ」の文字を大きく書してあることから、「八重洲コンタクトレンズ」の文字部分に重点をおいた商標であり、需要者は、それより有名なコンタクトレンズブランドを連想して購入すると述べている。
さらに、請求人は、本願商標を昭和45年12月1日から、30年にわたって使用するとともに営業活動(コンタクトレンズ等の商品の宣伝と販売行為)を行っており、現在は、八重洲本社以外に渋谷店、横浜店を有し、本願商標が首都圏地域(東京都内とその周辺地域)で有名なコンタクトレンズのブランドとなっていると述べると共に、「著名商標証明書」を提出し、本願商標は登録されるべきであると主張している。
しかしながら、請求人が引用した登録第1635421号商標は、構成中に「株式会社」の文字を有し全体として商号を表示したものと認められるものであって、本願とは事案を異にするものであるから、これを本件審理の参考とすることはできない。
また、請求人が提出した「著名商標証明書」(請求人の代理人作成)は、単に、本願商標についての説明、請求人会社の概要、会社案内及び取り扱っている商品の広告からなるものであり、商品の製造・販売量等の営業規模、宣伝広告の地域・回数、公的機関等の証明等を示す資料が何ら提出されていない。なお、提出された宣伝広告に関する資料も30周年の際のちらし1件のみであり、その商品広告は、インターネット上のものと推測されるものであり、新聞、雑誌等におけるものと異なり、特定の条件を指定して検索しないと見ることができないものであり、また改竄できるものであるから、証明資料としての信頼性は高いものとはいえない。
そうとすれば、上記請求人提出の証拠によっては、本願商標をその指定商品及び指定役務について使用した結果、需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識するに至っているものと認めることはできないので、上記請求人の主張を採用することはできない。
してみれば、本願商標をその指定商品中「コンタクトレンズ並びにその部品及び附属品」、又は、その指定役務中「コンタクトレンズに関して提供される役務」について使用するときは、これに接する需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができないものであり、前記商品及び役務以外の商品及び役務に使用するときは、商品の品質又は役務の質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわざるを得ない。
したがって、本願商標を商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして拒絶した原査定は、妥当であって、取消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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