Trademark Appeal Case
結合商標の要部認定
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2002−90583(T2002−90583/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4571993号商標(以下「本件商標」という。)は、「Marine Breeze」の文字と「マリン ブリーズ」の文字とを二段に横書きしてなり、平成13年6月8日に登録出願、第3類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同14年5月24日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
(1)引用商標
異議申立人(以下「申立人」という。)は、下記の3件の登録商標(以下、これらをまとめて「引用商標」という。)を引用しており、いずれも現に有効に存続しているものである。
(a)「SEA BREEZE」の文字を横書きしてなり、昭和43年3月28日に登録出願、第4類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同48年5月1日に設定登録された登録第1010941号商標
(b)「シーブリーズ」の文字を横書きしてなり、昭和61年6月20日に登録出願、第4類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同63年10月26日に設定登録された登録第2086993号商標
(c)別掲のとおりの構成よりなり、昭和62年7月3日に登録出願、第4類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成2年4月23日に設定登録された登録第2225737号商標
(2)商標法第4条第1項第11号について
「マリン」の語は、「海の」の意味を表す語として我が国で良く知られた語であり、「SEA」の語も「海」を表す語として知られている。また、「Breeze」の語は、「そよ風」の意味を表す語として我が国で良く知られた語であることから、本件商標と引用各商標の全体の観念は、共に「海のそよ風」である。
したがって、本件、引用各商標は、観念を共通にする類似の商標である。
加えて、本件商標と引用商標は、2語により構成されていて、共に観念が「海のそよ風」であるが、その意味するところのポイントは、「そよ風」部分にあり、このことからすると、「ブリーズ」「Breeze」部分が商標としてのポイント部分として認識される。
そうとすると、両商標は、称呼、外観においても類似する商標である。
(3)商標法第4条第1項第10号及び同第15号について
引用商標は、1902年アメリカで誕生し、既に100年以上の歴史を有する商標であり、世界60カ国以上で登録され、世界的にヘルスケア/パーソナルケアの商標として特に北米、カリブ海地域、アジア地域で広く知られた商標である。
2000年春に、商標の権利者はブリストル・マイヤーズ・スクイブ社から株式会社エフティ資生堂に変更された。株式会社エフティ資生堂は、日本全国の化粧品店、デパート、スーパー、コンビニ等を通じて、多種の引用商標商品を販売し、その売上高は、2000年4月以降2002年7月までに175億円であり、テレビ等の宣伝広告費用に25億円を、販売促進費として約14億円を投じ、その後も継続して宣伝活動を行っており、引用商標は、株式会社エフティ資生堂の商標として取引者・需要者間に広く知られているものである。
(4)したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号、同第10号及び同第15号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、前記したとおりの構成からなるところ、構成各文字は、外観上まとまりよく一体的に表現されており、特に、軽重の差を見出すことはできないものであって、これより生ずる「マリンブリーズ」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものである。また、「Marine Breeze/マリン ブリーズ」の語は、取引者・需要者をして、さほど良く知られている英語とは認められないから、これより直ちに「海のそよ風」の観念を生ずるものとはいい難く、むしろ、その構成全体をもって一体不可分の造語を表したものと認識し把握されるとみるのが自然である。
そうとすれば、本件商標は、その構成文字全体に相応して「マリンブリーズ」の称呼のみを生ずるものであり、特定の観念を認識させることのない一種の造語とみるべきものであって、構成中の「Breeze/ブリーズ」の文字部分のみが独立して認識されるとみるべき特段の事情も見い出せない。
他方、引用各商標は、前記あるいは別掲のとおりの構成よりなるところ、引用各商標についても、上記したところと同様の理由から、その構成文字全体に相応して「シーブリーズ」の称呼のみを生ずるものであり、特定の観念を認識させることのない一種の造語とみるべきものであって、構成中の「BREEZE」「ブリーズ」の文字部分のみが独立して認識されるとみるべき特段の事情も見い出せない。
してみれば、本件商標から生ずる「マリンブリーズ」の称呼と引用各商標から生ずる「シーブリーズ」の称呼とは、その音構成及び構成音数において顕著な差異を有するものであるから、称呼において類似するものとはいえず、外観においても明らかな差異を有するものであり、観念については比較することができない。
したがって、本件商標と引用各商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標である。
(2)商標法第4条第1項第10号及び同第15号について
引用商標が本件商標の登録出願時において、申立人あるいは株式会社エフティ資生堂の業務に係る商品を表示する商標として取引者・需要者の間に広く認識されていたものであるとしても、本件商標と引用各商標とは、上記のとおり、十分に区別し得る別異の商標であるから、商標権者が、本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者をして引用各商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人又は同人と何らかの関係のある者の業務に係るものであるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。
(3)むすび
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号、同第11号及び同第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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