Trademark Appeal Case
称呼の音の差異の判断
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2002−90593(T2002−90593/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4571504号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成13年8月6日に登録出願、第31類「飼料」を指定商品として、同14年5月24日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
(1)引用商標
異議申立人(以下「申立人」という。)は、下記の9件の登録商標(以下、これらをまとめて「引用商標」という。)を引用しており、いずれも現に有効に存続しているものである。
(a)「カルカン」の文字を横書きしてなり、昭和44年5月14日に登録出願、第33類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同46年12月25日に設定登録された登録第942400号商標(なお、指定商品及び商品の区分は、その後、指定商品の書換登録により、第31類「飼料」となっている。)
(b)「KALKAN」の文字を横書きしてなり、昭和51年5月29日に登録出願、第33類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同53年12月22日に設定登録された登録第1365424号商標
(c)別掲(2)のとおりの構成よりなり、昭和62年1月16日に登録出願、第33類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成1年11月28日に設定登録された登録第2191562号商標
(d)別掲(3)のとおりの構成よりなり、平成4年3月6日に登録出願、第33類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同6年6月29日に設定登録された登録第2680081号商標、同第2680082号商標、同第2680083号商標、同第2680084号商標(なお、これらの商標は、構成を同じくするものであるが、それぞれの色彩を異にするものである。)
(e)別掲(4)のとおりの構成よりなり、平成5年12月2日に登録出願、第31類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同9年5月2日に設定登録された登録第3299141号商標
(f)別掲(5)のとおりの構成よりなり、平成9年3月13日に登録出願、第31類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同10年12月25日に設定登録された登録第4223931号商標
(2)商標法第4条第1項第11号の該当性について
本件商標は「カイカン」の称呼を生ずるのに対して、引用各商標は「力ルカン」の称呼を生ずるものであるから、両者の称呼は、第2音において「イ」と「ル」の相違を有するのみである。しかも、4音から成る称呼においては、特に語頭音及び第3音にアクセントを置いて発音される場合が多く、両者ともにかかる語頭音及び第3音において同一の音を有するものである。更に、引用各商標は、申立人の周知商標であり、そこから生じる称呼「力ルカン」は、特にペットフード分野では需要者の間に慣れ親しまれていることを考慮すると両称呼は互いに相紛らわしいものであり、類似するものと言わざるを得ない。
してみれば、本件商標と引用各商標とは、少なくとも称呼において類似するものであり、その指定商品も類似するものであるから、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであり、取り消されるべきである。
3 当審の判断
本件商標は、別掲(1)に示すとおりの構成からなるところ、その構成文字に相応して「カイカン」あるいは「ウミカン」の称呼を生ずるものと認められる。
一方、引用各商標は、上記あるいは別掲(2)ないし(5)に示すとおりの構成からなるところ、その構成文字に相応して「カルカン」の称呼を生ずるものと認められる。
そこで、申立人が主張しているところの本件商標から生ずる「カイカン」の称呼と引用各商標から生ずる「カルカン」の称呼とを比較するに、この両称呼は、第2音において「イ」と「ル」の音の差異を有するものである。
しかして、「イ」の音は、唇を平たく開き、前舌面を高めて硬口蓋に接近させ声帯を振動させて鋭く発する母音であって、澄んだ音として明瞭に発音・聴取されるものであり、「ル」の音は、上歯茎と舌先との間で調音される弾音にして、こちらも比較的明瞭に発音、聴取されるものである。
そうとすれば、この両音は、調音の方法を異にし、音質を明らかに異にするものであって、いずれも明瞭に聴取し得るものであるから、この両音の差異は、中間部分における差異とはいえ、4音という比較的短い音構成からなる両称呼に与える影響は決して小さいものとはいえず、両者は、これをそれぞれ一連に称呼するも、その語調・語感を異にし、互いに聞き誤るおそれはないものというべきである。
また、両商標は、外観においても顕著な差異を有するものであり、いずれも造語と認められるものであるから、観念については比較すべくもない。
してみれば、本件商標と引用各商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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