Trademark Appeal Case
称呼の類似性と要部認定
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2002−90512(T2002−90512/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4563417号商標(以下「本件商標」という。)は、「キシリデント」の文字と「XYLITOL MINT」の文字を二段に横書きしてなり、平成13年4月16日に登録出願され、第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成14年4月26日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、「キシリトール」の文字と「XYLITOL」の文字を二段に横書きしてなり、昭和51年7月8日に登録出願され、第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、昭和59年6月21日に設定登録された登録第1692144号商標(以下「引用商標」という。)を引用し、本件商標の登録は取り消されるべきであるとして、その理由を次のように述べている。
(1)引用商標は、少なくとも本件商標の出願時には著名な存在となっており、このような著名商標が本件商標に取り込まれることにより両商標が需要者にとって類似の商標と理解されることは明らかであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当する。
(2)本件商標は、引用商標とその外観、称呼並びに観念においても類似するものであるから、同法第4条第1項第11号に該当する。
(3)引用商標は、著名な存在の商標であり、このような著名商標を取り込んだ本件商標を需要者が指定商品「菓子,パン」に関連してみるとき、出所の混同を生ずることもまた明らかであるから、本件商標は、同法第4条第1項第15号に該当する。
(4)引用商標が著名な存在になっていたことは本件商標が出願された時点で商標権者は充分認識されていたはずであり、他人の著名商標を自らの商標に取り込むという行為は明らかに不正の目的を持っていたものと思われるから、本件商標は、同法第4条第1項第19号に該当する。
(5)本件商標が許されるとすれば、申立人の所有する引用商標の価値は著しく損なわれ、商標法第1条の法の精神にも反するから、本件商標は、同法第4条第1項第7号に該当する。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第10号及び同第11号について
本件商標は、前記のとおりの構成よりなるところ、その構成中の「XYLITOL MINT」の文字部分が、その指定商品との関係において「キシリトール」と「はっか」を使用した商品であるかの如く、すなわち、商品の品質、原材料を表示したものとしか認識し得ないから、該欧文字部分は自他商品の識別力がないか、識別力が極めて弱いものである。
してみれば、本件商標に接する取引者、需要者は、「XYLITOL MINT」の文字部分を省略して、上段に表示されている「キシリデント」の文字部分を自他商品の識別機能を有するものとして把握し、これをもって商取引にあたるものとみるのが相当である。
そうとすると、本件商標は、その構成文字全体から生ずる「キシリデントキシリトールミント」の一連の称呼のほかに、その構成文字中の「キシリデント」の文字部分に相応して、単に「キシリデント」の称呼を生ずるものといわざるを得ない。
他方、引用商標は、その構成文字に相応して、「キシリトール」の称呼を生ずること明らかである。
そこで、本件商標より生ずる「キシリデントキシリトールミント」及び「キシリデント」の各称呼と引用商標より生ずる「キシリトール」の称呼とを比較するに、両称呼は、その音構成及び音数に明らかな差異が認められるものであるから、両称呼は容易に区別し得るものである。
また、本件商標は、その構成中「XYLITOL MINT」の文字部分を品質、原材料を表したものと認識するにすぎないこと前記のとおりであり、かつ、全体よりは特定の観念を生ずるものとは認められないから、引用商標と観念上比較すべくもない。
さらに、本件商標と引用商標とは、その外観においても十分区別し得るものである。
してみれば、本件商標と引用商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標といえるものである。
(2)商標法第4条第1項第15号について
本件商標は、前記のとおり、引用商標とは類似しないものであり、他に混同を生ずるとすべき格別の事情も見出し得ないものである。
すなわち、引用商標が本件商標の登録出願時には申立人の業務に係る商品「チューインガム」の商標として取引者・需要者の間において広く認識されていたとしても、本件商標を指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、本件商標中の「XYLITOL MINT」の文字部分を商品の品質、原材料を表示したものと認識するに止まり、この部分から引用商標を直ちに連想又は想起するようなことはなく、該商品が申立人又は申立人と関係のある者の業務に係る商品であるかのように、その出所について混同を生ずるおそれのないものである。
(3)商標法第4条第1項第7号及び同第19号について
本件商標は、その構成自体が矯激、卑猥、差別的な印象を与えるような文字又は図形からなるものでなく、また、本件商標をその指定商品について使用することが社会公共の利益・一般道徳観念に反するものとすべき事実は認められず、他の法律によってその使用が禁止されているものとも認められない。
また、本件商標は、前記のとおり、引用商標とは類似しないものであり、その出願の段階において不正の目的があったと推認し得るような事情も見出せない。
(4)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同第10号、同第11号、同第15号及び同第19号に違反して登録されたものではない。
よって、商標法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。
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