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Trademark Appeal Case

欧文字商標の類否と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2002−90484(T2002−90484/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4559901号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4559901号商標(以下「本件商標」という。)は、「ECMR」の欧文字を横書きしてなり、平成13年6月5日に登録出願、第29類「ムコ多糖(ヒアルロン酸)等を含有した錠剤状・カプセル状・チュアブル状・顆粒状・粒状・粉状・液状の加工食品,食肉,食用魚介類(生きているものを除く。),肉製品,加工水産物(「かつお節・寒天・削り節・食用魚粉・とろろ昆布・干しのり・干しひじき・干しわかめ・焼きのり」を除く。),かつお節,寒天,削り節,食用魚粉,とろろ昆布,干しのり,干しひじき,干しわかめ,焼きのり,豆,加工野菜及び加工果実,冷凍果実,冷凍野菜,卵,加工卵,乳製品,食用油脂,カレー・シチュー又はスープのもと,なめ物,お茶漬けのり,ふりかけ,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,食用たんぱく」を指定商品として、同14年4月12日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由(要旨)

(1)引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第4242331号商標(以下「引用A商標」という。)は、「ECM・E」の欧文字を横書きしてなり、平成9年5月22日に登録出願、第29類「鳥の鶏冠から得られるムコ多糖・カロチン・海藻エキスなどを混合して顆粒状にした加工食品,肉製品,加工水産物(「かつお節,寒天,削り節,とろろ昆布,干しのり,干しひじき,干しわかめ,焼きのり」を除く。),かつお節,寒天,削り節,とろろ昆布,干しのり,干しひじき,干しわかめ,焼きのり,加工野菜及び加工果実」を指定商品として、同11年2月19日に設定登録され、同じく、登録第4520498号商標(以下「引用B商標」という。)は、「ECM」の欧文字を標準文字にて横書きしてなり、平成12年4月27日に登録出願、第29類「鳥の鶏冠から得られるムコ多糖(ヒアルロン酸)・カロチン・海藻エキスなどを混合して顆粒状又は錠剤状にした加工食品,肉製品,加工水産物(「かつお節・寒天・削り節・食用魚粉・とろろ昆布・干しのり・干しひじき・干しわかめ・焼きのり」を除く。),かつお節,寒天,削り節,食用魚粉,とろろ昆布,干しのり,干しひじき,干しわかめ,焼きのり,豆,加工野菜及び加工果実,冷凍果実,冷凍野菜,卵,加工卵,乳製品,食用油脂,カレー・シチュー又はスープのもと,なめ物,お茶漬けのり,ふりかけ,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,食用たんぱく」を指定商品として、同13年11月9日に設定登録され、同じく、登録第2092093号商標(以下「引用C商標」という。) は、「EICOMAR」の欧文字を横書きしてなり、昭和61年11月6日に登録出願、第32類「食用水産物、冷凍魚介類、水産物のかんづめ、その他本類に属する商品」を指定商品として、同63年11月30日に設定登録され、その後、平成10年7月14日に商標権の存続期間の更新登録がなされ、いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。

(2)商標法第4条第1項第11号について

(a)本件商標は、「ECMR」の欧文字を横書きしたものであって、「イイシイエムアアル」の称呼を生ずる。

一方、引用A商標は「ECM・E」の欧文字を横書きしたものであって、「イイシイエムイイ」の称呼を生ずる。

また、引用B商標は「ECM」の欧文字を横書きしたものであって、「イイシイエム」の称呼を生ずる。

そして、引用A商標と同B商標とは、要部を同じくする類似の商標である。

そこで本件商標「ECMR」と引用A商標「ECM・E」とを比較するに、両商標は、第1文字目から第3文字目までの「ECM」を共通にしているが、本件商標の4文字目が「R」であるに対して、引用A商標の4文字目は「E」であり、また、引用A商標の3文字目の「M」と4文字目の「E」の間に中黒「・」がある点で相違している。

つぎに、本件商標「ECMR」と引用B商標「ECM」とを比較するに、両商標は、第1文字目から第3文字目までの「ECM」を共通にしているが、本件商標の第4文字目には「R」があるのに対して、引用B商標には第4文字目がない。

また、本件商標と引用A商標及び同B商標の類否を、甲第5号証に示した具体的な使用態様に基づき判断するに、引用A商標「ECM・E」及び引用B商標「ECM」に接した需要者は、まず、「ECM・E」と一連に記憶するとともに、「ECM」という要部を一つの単語として認識し、記憶する。

次に、当該需要者が本件商標に接すると、引用A商標及び同B商標により、「ECM」が一つの単語として記憶されているため、無意識のうちに「ECM」を強く認識すると共に、末尾の「R」を付記的記号と認識する。

その結果、需要者が、本件商標を付した商品と引用A商標又は引用B商標を付した商品との間に、品質、出所について何らかの関係があるものと誤認する可能性が極めて高いものである。

このことは、甲第10号証によっても裏付けられる。すなわち同号証は「ECMR」の通信販売に関するホームページであるが、同号証の第1頁中央には「ECM・R」という表示があり、取扱業者でさえ混同しているのである。

以上のように、本件商標は、引用A商標及び同B商標に対し商品の品質、出所について誤認混同を生じさせるおそれがあるものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。

(b)なお、本件商標権者の出願に係る商願2001−71882(甲第12号証)等を参酌すると、本件商標権者は、「ECMR」から、「エコマー」の称呼が生ずると考えているようであるが、仮に、「ECMR」から、「エコマー」の自然な称呼が生ずるのであれば、本件商標は、引用C商標と類似する。

すなわち、引用C商標は、「EICOMAR」とアルファベットで横書きしたもので、「エイコマー」の自然な称呼が生ずる。そして、「エコマー」と「エイコマー」を比較すると、両称呼は、弱音である「イ」の有無に相違点があるにすぎないのであって、聞き取りにくく彼此混同のおそれがある。

よって、本件商標から「エイコマー」の自然な称呼が生ずるのなら、本件商標は、引用C商標と称呼上明らかに類似し、商標法第4条第1項第11号に該当する。

(2)商標法第4条第1項第7号について

本件商標を付した商品の包装箱の表示は、意図的に商品の出所、品質について需要者を誤認混同させるものである。このことは本件商標を付した商品の包装箱に申立人の件外登録第4545899(甲第18号証)のロゴマークに酷似するマークまでも使用していることから明白である。

このような行為は社会の一般的道徳観念に反するものであり、そのような不道徳な使用を行う目的でなされた商標を保護することは競業秩序の維持を図らんとする法目的に反し不当である。

よって、本件商標は公序良俗に反するものとして商標法第4条第1項第7号の規定に該当し、取り消されるべきものである。

3 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、「ECMR」の欧文字を同じ書体、同じ大きさ、同じ間隔で一連に横書きしてなるものであるから、外観上一体として把握し得るものである。

また、これより生ずると認められる「イーシーエムアール」の称呼も格別冗長というべきものではなく、よどみなく、一連に称呼し得るものである。 さらに、本件商標を、殊更、「ECM」と「R」との文字部分に分離して称呼、観念しなければならないとする特段の事由を見いだすことはできない。

そうとすれば、本件商標は、「ECMR」の構成全体をもって、一体不可分の造語を表したものと認識し、把握されるとみるのが自然であり、本件商標は、「イーシーエムアール」の一連の称呼を生ずる造語を表してなるものと認められる。

他方、引用A商標は「ECM・E」の欧文字を横書きしてなるところ、「イーシーエムイー」の称呼を生ずる造語を表してなるものと認められ、引用B商標は「ECM」の欧文字を横書きしてなるところ、「イーシーエム」の称呼を生ずる造語を表してなるものと認められ、引用C商標は「EICOMAR」の欧文字を横書きしてなるところ、「エイコマー」の称呼を生ずる造語を表してなるものと認められる。

そこで、本件商標と引用A商標及び同B商標との類否について判断するに、本件商標より生ずる「イーシーエムアール」の称呼と引用A商標より生ずる「イーシーエムイー」の称呼及び引用B商標より生ずる「イーシーエム」の称呼とは、いずれも、前半部の「イーシーエム」の音を共通にするものの、後半部において「アール」と「イー」及び「アール」の音の有無という顕著な差異を有するものであるから、称呼上相紛れるおそれのないものである。

つぎに、本件商標と引用C商標との類否について判断するに、本件商標より生ずる「イーシーエムアール」の称呼と引用C商標より生ずる「エイコマー」の称呼とは、語韻、語調を著しく異にするものであるから、称呼上相紛れるおそれのないものである。

また、本件商標と引用各商標とは、外観については判然と区別し得る差異を有するものであり、観念については、いずれも造語よりなるものと認められるものであるから、比較すべくもないところである。

してみれば、本件商標と引用各商標とは、称呼、外観及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない、非類似の商標と認められるものである。

(2)商標法第4条第1項第7号について

請求人は、「被請求人による本件商標の具体的な使用態様をみれば、被請求人の意図が、引用A商標及び同B商標を附した商品と出所を混同させ、商品の品質について誤認を生じさせることにあるのは明白であり、このような商標の不正使用は、社会の一般道徳観念に反する。」旨主張する。

しかしながら、本件商標と引用A商標及び同B商標とが非類似の商標であることは、上記のとおりであり、また、請求人が提出した証拠によっては、「被請求人意図が、引用A商標及び同B商標を附した商品と出所を混同させ、商品の品質について誤認を生じさせることにある。」と認めるには、不十分である。

また、本件商標は、構成自体が矯激、卑猥、差別的な印象を与えるような文字からなるものでなく、また、これを商標権者がその指定商品に使用しても、社会公共の利益、一般道徳観念に反するものではない。

したがって、請求人の主張は、採用することはできない。

(3)結び

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び第7号の規定に違反してされたと認められないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものとする。

よって、結論のとおり決定する。

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