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Trademark Appeal Case

効能表示の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2001−90869(T2001−90869/J7)
審判種別異議
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4499524号商標の商標登録を取り消す。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4499524号商標(以下「本件商標」という。)は、平成12年8月28日に登録出願され、「ポアイレーサー」の片仮名文字と「pore eraser」の欧文字とを二段に横書きしてなり、第3類「せっけん類,香料類,化粧品」を指定商品として、同13年8月17日に商標権の設定登録がされたものである。

2 登録異議の申立理由

登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、甲第1号証ないし甲第6号証を提出し、その登録は取り消されるべきである旨申し立て、その理由を要旨次のように述べている。

<申立理由要旨>

本件商標は、これをその指定商品に使用するときは、「毛穴を隠すための化粧品」を直感させ、単に商品の効能、用途、品質を表す標章にすぎないものであって、これ以外の指定商品に使用するときは、その商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるから、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。

3 本件商標に対する取消理由

本件登録異議の申し立てがあった結果、本件商標を商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものとして商標権者に対して通知した取消理由は、次のとおりである。

<取消理由要旨>

申立人の提出に係る甲号各証によれば、「pore(ポア)」の語は「毛穴」の意味を表す英語であり、例えば、「ポアクイックカバー ぬるだけで毛穴を目立たなくするサラサラクリーム」の如く、該商品が毛穴用の商品であることを表す語として普通に使用されており、また、「eraser(イレーサー又はイレーザー)」の語は「消しゴム」の意味を表す英語であるが、本件指定商品との関連においては、例えば、「ポイントイレーザーステック〈部分用ファンデーション〉くま・シミなどの肌色の悩みや、毛穴や小じわなどの肌の凹凸を光の反射効果で消して・・」「シミイレーサー ・・気になるシミをサッとひとぬりで隠します」の如く、肌のくまやシミ等を隠す商品等の用途を表す語として普通に使用されている事実を認めることができる。してみれば、本件商標は、全体として特定の意味合いを表す成語ではないとしても、容易に「毛穴を隠すもの」の如き記述的な意味合いを想起・認識させるものであるから、上記のような商品取引の実情のもとにあっては、これをその指定商品中の「毛穴を隠すための化粧品」について使用しても、これに接する取引者・需要者をして、単に商品の効能、用途、品質を表したものと理解・認識させるにすぎないものであり、また、これを上記以外の指定商品に使用するときは、その商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。したがって、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反してされたものである。

4 商標権者の意見

上記3の取消理由の通知に対し、商標権者は、本件登録異議の申立ては「取り消す理由がない」ものとする、との決定を求め次のように意見を述べ、証拠方法として、平成12年(行ケ)第164号審決取消請求事件の判決を証拠資料1、及び商標登録公報を証拠資料2ないし証拠資料10として提出した。

<意見内容要旨>

(1)本件商標は、商標権者(出願人)が造り出した特定の語義を有さない造語である。すなわち、本件商標は、「ポア」「pore」と「イレーサー」「eraser」の語の結合により生じる種々のイメージを需要者に暗示させることがあるとしても、それぞれの言葉の意味を解して、取消理由中に述べられているような「毛穴を隠すもの」なる意を直接的かつ具体的に認識させるというものではない。

(2)「eraser」の語は、何か書かれているものを消すといった意味はあるものの、取消理由中に述べられているような「隠す(もの)」といった意味合いは有していないものと思料する。

(3)取消理由中において、「pore(ポア)」と、「eraser(イレーザー)」の各語について、商品、用途を表す語として普通に使用されていると判断しているが、この根拠となる申立人の提出した証拠資料は、いずれもインターネットのホームページに掲載されている資料であって、これをもって直ちに、「(毛穴用の商品として或いは肌のくまやシミ等を隠す商品等の用途を表す語として)一般に使用されている」という事実の根拠とすることはできないものと思料する。これを証拠資料1として提出した判決により更に証明される。

(4)本件商標と同一または類似の指定商品において、本件商標の構成語の一部である「eraser」と同義である語を含む商標が庁の審査において、登録されている例を挙げる。

ア.「クリアダスター/CLEAR DUSTER」(証拠資料2)

イ.「クリーンダスター/CLEAN DUSTER」(証拠資料3)

ウ.「VANISH NAIL PAINT REMOVER」(証拠資料 4)

上記登録例の個々の構成語の語義を本取消理由と同様に解釈すれば、例えば、「肌などの汚れや脂などをきれいに取り除く化粧品」「爪にかかれたものをきれいに取り去る商品」などを容易に理解させることになるが、全体として一連一体の造語商標として直接的にそのような意味合いを認識させず、商標としての識別機能を有すると認められ登録に至ったものと思料する。これらの商標は、当該商標から生じる種々のイメージを需要者に暗示させるものとして登録に至っていると思料する。

(5)本件商標と同一または類似の指定商品において、本件商標の構成語の一部である「pore」を含む商標が庁の審査において、登録されている例を挙げる。

エ.「ポアズ/PORES」 登録第2464956号(証拠資料5)

オ.「ポアスムーザー/PORE SMOOTHER」 登録第4395 041号(証拠資料6)

カ.「ポアブロック/PORE BLOCK」 登録第3369171号 (証拠資料7)

キ.「ポアリフト/PORELIFT」 登録第4105786号

(証拠資料8)

ク.「ポアクィック/PORE QUICK」 登録第3150092号

(証拠資料9)

上記登録例の個々の構成語の語義を本取消理由と同様に解釈すれば、「毛穴用の商品」「毛穴をしっとりなめらかにする商品」「毛穴を汚れ等から守る商品」「毛穴から汚れや不純物を取り除く商品」「毛穴に対してすばやく反応する商品」などを容易に理解させることになるが、全体として一連一体の造語商標として直接的にそのような意味合いを認識させず、商標としての識別機能を有すると認められ登録に至ったものと思料する。これらの商標は、当該商標から生じる種々のイメージを需要者に暗示させるものとして登録に至っていると思料する。上記例エ.ないしク.に挙げた商標は、いずれもその指定商品を何ら限定されていない。

また、一方で本件商標と同一または類似の指定商品において、

ケ.「クレネ毛穴シート」 登録第4292636号 (証拠資料10)についての商標は、構成中に「毛穴」という語を有しているため、その指定商品は、「シート状の毛穴用の化粧品」に限定されている。

このことから、上記例エ.ないしク.に挙げた商標の構成中の語「PORE」から直ちに取消理由中に述べられているような「毛穴用の商品」であることを想起させるものではないとの判断でその指定商品を何ら限定することなく登録されたものであると思料する。

そして、上記例オ.の商標の構成中の語である「SMOOTHER」「スムーザー」の語は、肌をなめらかにする商品等の用途・品質を表す語として普通に使用されている語であると思料する。

同様に、上記例に挙げた商標の構成語から「ポア」「PORE」を除いた語の内、「クイック」「リフト」については、登録要件を具備しないとして拒絶が確定しているものがある。

これらの事実から、「ポア」「PORE」なる語は、本来、識別力の極めて弱いと思われる語との組み合わせであっても、一連一体の結合商標となることによって本来の語義とは別意の識別力を生じ、何ら具体的な商品の効能、用途、品質を表すものではないものと思料する。

(6)したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反するものではなく、取り消される理由は存在しないものと思料する。

5 当審の判断

本件商標についてした取消理由の通知(上記3)は妥当であって、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反してされたものといわざるを得ない。

商標権者の述べる意見は、以下に述べる理由により、いずれも採用の限りでなく、先の認定を覆すことはできない。

(1)商標権者は、本件商標は商標権者(出願人)が造り出した特定の語義を有さない造語であって、「毛穴を隠すもの」なる意を直接的かつ具体的に認識させるというものではない旨述べている。

しかしながら、取消理由は、化粧品を取り扱う業界においては、「pore(ポア)」の語は毛穴用の商品であることを、また、「eraser(イレーサー又はイレーザー)」の語は肌のくまやシミ等を隠す商品等の用途を表す語として普通に使用されている取引の実情に照らし、当業者であれば勿論のこと、この種商品の取引者・需要者をして、本件商標からは「ポア」と「イレーサー」及び「pore」と「eraser」の各語を結合したものと容易に把握させるものであって、全体として特定の意味合いを表す成語ではないとしても、本件商標からは「毛穴を隠すもの」なる記述的な意味合いを想起・認識させると認定したものであり、これをその指定商品中の「毛穴を隠すための化粧品」について使用する場合、単に商品の効能、用途、品質を表したものとしか理解・認識し得ないものとみるのが相当であるから、その認定・判断に誤りはない。

したがって、この点を述べる商標権者の主張は妥当でなく、採用することができない。

(2)商標権者は、申立人の提出した証拠資料はいずれもインターネットのホームページに掲載されている資料であって、これをもって直ちに、「一般に使用されている」という事実の根拠とすることはできない。また、これを証拠資料1として提出した判決により更に証明する旨述べている。

しかしながら、近時におけるインターネットの普及に伴い、各種のおよその企業は、インターネット上にホームページを開いているところであって、企業概要や企業理念などのほかに、それら企業のホームページの多くは商品情報の掲載広告の媒体としても広く利用され、かつ、インターネットを通じた商取引も行われているのが近時商取引の実情である。そうすると、インターネットのホームページに掲載されている資料であるとの理由をもって、直ちに一般に使用されているという事実の根拠とすることはできないといい得ないから、ホームページ上に掲載の「pore/ポア」及び「eraser/イレーサー又はイレーザー」の語は、他の甲各号証と総合してみれば、かかる意味合いのものとして普通に使用されているというべきである。

したがって、この点を述べる商標権者の主張は妥当でなく、採用することができない。

(3)商標権者は、本件商標と同一または類似の指定商品において、本件商標の構成語の一部である「pore」を含む商標、同じく構成語の一部である「eraser」と同義である語を含む商標(「クリアダスター/CLEAR DUSTER」(証拠資料2)、「クリーンダスター/CLEAN DUSTER」(証拠資料3)及び「VANISH NAIL PAINT REMOVER」(証拠資料4))等の登録例を挙げて、いずれもその指定商品を何ら限定されていないこと、「ポア」「PORE」なる語は、本来、識別力の極めて弱いと思われる語との組み合わせであっても、一連一体の結合商標となることによって本来の語義とは別意の識別力を生じ、何ら具体的な商品の効能、用途、品質を表すものではない旨述べている。

確かに、例えば、商標権者の挙げる登録商標中の「ポアスムーザー/PORE SMOOTHER」ないし「ポアブロック/PORE BLOCK」の登録商標が「毛穴をしっとりなめらかにする商品」ないし「毛穴を汚れ等から守る商品」などを容易に理解させることになると述べる点は認め得るものとして、これがたとい、商標本来の機能・役割(自他商品の識別標識)を有するとなし得ないものであったとしても、それら事例をもって本件商標の適否を判断する基準とするのは必ずしも適切でなく、かつ、本件商標にあっては前記認定を相当とするものであり、本件商標を構成する「ポア」と「イレーサー」及び「pore」と「eraser」の各語が結合し本来の語義とは別意の識別力を生じると述べる商標権者の意見は主観的なものといわざるを得ない。また、本件商標を「毛穴を隠すための化粧品」以外の指定商品に使用するときは、その商品の品質について誤認を生じさせるおそれがある。

したがって、商標権者の挙げる商標登録例をもって、前記認定を覆すに足りる証拠とすることができないから、この点を述べる商標権者の主張は妥当でなく、採用することができない。

(4)結語

以上のとおり、本件商標は、商標権者の述べる意見及び証拠をもって、その登録を維持し得るものはいい難く、前記法条に違反してされたものといわざるを得ないから、その登録は、商標法第43条の3第2項により、取り消すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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