Trademark Appeal Case
「HUGO」の著名性と類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2002−90259(T2002−90259/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
理由テキスト
1 本件登録第4537504号(以下「本件商標」という。)は、別掲に示すとおりの構成よりなり、平成12年5月22日に登録出願され、第25類「被服」を指定商品として、同14年1月18日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由要旨
本件商標は、登録異議申立人 ヒューゴ・ボス株式会社(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、「hugo」の文字を横書きしてなり、昭和63年11月7日に登録出願、第17類「被服、布製身回品、寝具類」を指定商品として、平成3年2月27日に設定登録され、その後、指定商品及び区分については、指定商品の書換により、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子」及び第9類、第20類、第21類、第22類、第24類を各商品及び役務の区分とする商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として登録されている登録第2301695号商標(以下「引用商標」という。)と称呼、観念において類似する商標であって、両者の指定商品も同一のものである。また、本件商標は、フーゴ・ボス・アクチエンゲゼルシャフトの著名な略称「HUGO」の文字を含むものであり、かつ、これと類似する本件商標がその指定商品に使用された場合、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。さらに、本件商標は、申立人の商標に化体した信用、名声、顧客吸引力等を毀損させるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第8号、同第15号及び同第19号に該当し、その登録は取り消されるべきである。
3 当審が通知した取消理由
申立人の提出に係る甲号各証によれば、申立人は、ドイツ最大の紳士服メ一カーであるヒューゴ・ボス・アクチエンゲゼルシャフト(以下「ヒューゴ・ボス社」という。)の日本法人として、1992年に設立され、ヒューゴ・ボス社の製品の日本における輸入及び販売を独占的に行ってきたこと、ヒューゴ・ボス社は、1923年にドイツにおいて設立され、現在まで世界各国において、「HUGO BOSS」「BOSS/HUGO BOSS(HUGO BOSSの文字はBOSSの文字の下段に小さく書されている。以下の表示において同じ。)」の商標を使用して高級紳士服及び高級紳士服用品の製造販売を行ってきたこと、1998年現在、我が国を含め世界14ヵ国に子会社を有し、それ以外の40ヵ国に総販売代理店を有していること、2000年の総販売高は、5年連続二桁増の18億600万DM(ドイツ・マルク)であること、世界の約150ケ国(地域)に、1000件以上の「BOSS/HUGO BOSS」商標等の登録商標を有し、我が国においても被服類をはじめ各種商品、役務について43件の登録商標を有していること、この間、多額の費用を費やして「BOSS/HUGO BOSS」商標等に係る商品の広告宣伝に努めてきたことを認めることができる。
加えて、ヒューゴ・ボス社及び申立人は、1994年頃より、若者向けの商品に「HUGO/HUGO BOSS(HUGO BOSSの文字はHUGOの文字の下段に小さく書されている。以下の表示において同じ。)」商標の使用を始め、その商品の販売高も1999年には8640万DM(ドイツ・マルク)、2000年には1億1220万DM(ドイツ・マルク)となっており、その売上げを急速に伸ばしていることを認めることができる。 以上の事実からすれば、「HUGO BOSS」「BOSS/HUGO BOSS」の商標は、申立人らの業務に係る商品「高級紳士服及び高級紳士服用品」を表示する商標として、遅くとも、本件商標の出願時までには、広く一般に知られるに至っていたものと認められ、「HUGO/HUGO BOSS」の商標も上記商品について相当程度知られていたものとみるのが相当である。
そして、我が国の新聞、雑誌等における紹介記事、宣伝広告には、これらの商標は、しばしば、単に「HUGO BOSS(ヒューゴ・ボス)」「BOSS(ボス)」「HUGO(ヒューゴ)」の如く表示されていることを認めることができる。
しかして、本件商標は、別掲に示すとおりの構成からなるところ、「SURFBOARD」と「HUGO」との文字の間には半文字程度の間隔があることから、構成上、容易に上記2語からなるものと認識されるものである。そして、「SURFBOARD」の語は「波乗り板」を意味する一般的名称であるのに対して、「HUGO」の語は、人名を表すものではあるが、我が国においては、人名としては馴染みのない語であり、むしろ、造語として認識されるものというべきであるから、この両語が結合して、全体として特定の意味合いを理解・認識させるものとはいえず、これらの文字を常に一体不可分のものとして把握しなければならない格別の理由があるものとは認められない。
そうとすれば、本件商標は、その構成中に、申立人らの商標として知られている「HUGO」の文字を含むものであるから、これに接する取引者・需要者は、出所識別標識として強く支配的な印象を与える「HUGO」の文字部分に注意を惹かれ、該文字部分をもって、取引にあたる場合も決して少なくないものとみるのが相当である。
してみれば、本件商標は、「HUGO」の文字に相応して、単に「ヒューゴ」の称呼をも生ずるものといわなければならない。
他方、引用商標は、その構成文字に相応して「ヒューゴ」の称呼を生ずるものと認められる。
してみれば、本件商標と引用商標とは「ヒューゴ」の称呼を共通にするものであり、引用商標の周知性をも勘案すれば、互いに出所の混同のおそれのある類似の商標といわなければならない。そして、本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似するものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
4 前記の取消理由を通知し、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、商標権者からは何らの応答もない。
5 当審の判断
本件商標は、前項3のとおりの取消理由により、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものと認められる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第43条の3第2項の規定に基づき、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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