Trademark Appeal Case
不使用取消と指定商品の範囲
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2001−90104(T2001−90104/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
理由テキスト
第1 本件商標
本件登録第4433862号商標(以下「本件商標」という。)は、「MILESTONE」の欧文字を標準文字により横書きしてなり、第16類「印刷物、写真、写真立て」を指定商品として、1997年2月19日ドイツ国においてした商標登録出願に基づきパリ条約4条の規定による優先権を主張して、平成9年8月19日に商標登録出願、同12年11月17日に設定登録されたものである。
第2 登録異議申立の理由
1 本件商標と同一文字よりなる申立人の商標が存在した事実とそれが消滅までの経緯
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、「MILESTONE」の欧文字を横書きしてなり、第26類「雑誌、新聞」を指定商品として、昭和61年1月29日に登録出願、同63年11月30日に設定登録された登録第2090513号商標(以下「引用商標」という。)の権利者であった。上記引用商標の登録出願時における指定商品は、第26類「印刷物、書画、彫刻、写真、これらの附属品」であったが、昭和62年8月14日付けの拒絶理由通知書(甲第2号証の2)により、昭和62年10月7日に指定商品を「雑誌、新聞」に減縮し補正し設定登録されたものである。その後、当該商標は、平成11年4月30日に本件商標の権利者が請求した登録第2090513号商標の不使用取消審判事件(平成11年審判第30522号)により、「高等学校の英語の教科書に係る登録商標が使用されていることは認められるが、英語の教科書は商品『雑誌・新聞』に該当しない。」との審決が平成12年8月18日に確定し、その登録が同12年10月4日になされたものである。
2 英語教科書「MILESTONE」と教科書検定制度について
(ア)申立人が甲第3号証として引用する高等学校の英語教科書「MILESTONE」について、これら教科書の要部の一部をコピーして提出する。
(イ)「MILESTONE English Course l」(甲第3号証の1)は後掲の甲第4号証から明らかなように、昭和61年5月12日に文部省に教科書検定の申請を行い、昭和61年度の検定に合格したものである。
(ウ)文部省の検定は検定申請された教科書を三人の教師及び大学の教授などからなる調査員と文部省の教科書調査官により調査し、その調査結果を教科用図書検定調査審議会に報告する。この報告に加えて、種目ごとの別の専門の委員が調査をして審議を行い合否の判定がなされ、文部省初等中等教育局長より発行者に通知される。
(エ)検定合格の通知を入手するとすぐに教科書選定検討のための見本印刷に取りかかり、5月より都道府県の各地区教育委員会主催の展示会と共に国公私立の全高等学校に全教科書が届けられる。
(オ)各高等学校では教科別に担当教師が合議・投票等により採択を決めたものを教務主任→教頭→校長を経由して都道府県教育委員会に報告され、7月(昭和62年)までに採択する高等学校と使用冊数が都道府県教育委員会から文部省に報告されると共に都道府県毎の全教科書を一括して取り扱う卸売業者(都道府県毎に一社)が県内の数字を取りまとめ教科書発行者に連絡する。11月に文部大臣より教科書発行者宛に各教科書の発行冊数の指示があり、その翌年の1月(昭和63年)に卸売業者を経由して各高等学校の受持ちの書店に発送され、当該書店より生徒に販売されて、4月の新学期から使用される。
(カ)検定合格した教科書は3年間あるいは4年間は同一の内容のものが継続使用されるが、定期的に内容の改定が必要であり、各出版社の編集委員により改定されて検定を受け、「MILESTONE English Course l」は、平成1年度、平成4年度(甲第3号証の2、3)に検定を受けて合格し、同じく検定合格年度の翌々年4月の新学期から学校で使用されている。なお、学校で使用している教科書は各地の公立の図書館でも展示されている。
(キ)「MILESTONE English Course II」(甲第3号証の4)は、昭和62年度検定合格のもので、「MILESTONE English Course l」に続けて翌年の授業で使用されるものである。その後、平成2年度、平成5年度(甲第3号証の5、6)に検定を受けて合格し、同じく検定合格年度の翌々年4月の新学期から学校で使用されている。同様に、これらを改定、改称した「MILESTONE English Readers IIB」(甲第3号証の7)、「MILESTONE English Composition IIC」(甲第3号証の9)、「MILESTONE English Reading」(甲第3号証の11)、「MILESTONE English Writing」(甲第3号証の12)等があり、これらも検定を受けた後使用されている。
(ク)更に、申立人は、英語教科書「MILESTONE」に関係するものとして、(a)文部省の検定通知書(b)文部省の教科書発行指示書と発行数(c)英語教科書の都道府県別採択数と「MILESTONE」との使用状況(d)英語教科書の高等学校別採択数集計(大阪府のみ)(e)卸売業者宛の発送伝票(大阪教科書株式会社宛の教科書送品伝票)(f)高等学校用教科書目録(文部省発行)(g)教師用指導書目録(社団法人教科書協会)を甲第4号証ないし甲第10号証として提出する。
3 商標法第4条第1項第10号について
本件商標の優先権主張の登録出願日は平成9年2月19日である。甲第2号証乃至甲第10号証の証拠から明らかなように、申立人が商標「MILESTONE」を商品「高等学校の英語の教科書」として昭和61年5月12日に文部省に教科書検定申請し、昭和62年3月31日に検定合格して以来、全国の各地区教育委員会主催の教科書選定のための展示会、全国国公私立の高等学校の英語担当教師により選定検討され、昭和63年4月の新入生に教科書として採択されてから継続使用していることは、文部大臣からの各年度別の発行冊数の指示書から明らかである。また、英語の教科書にはそれぞれ同じ商標を使用した教師用の指導書、傍用問題集、自習書、単語集などが発行されており、その内のいくつかは書店に並べられている。そのため、英語の教科書に「MILESTONE」を申立人が使用していることは文部省、文部省の教科書検定委員、全国の地区教育事務所、全国の高等学校の英語担当教師、都道府県の卸売業者、高等学校担当の各書店ならびに業界であるすべての教科書発行者が熟知していることである。
また、学校の授業で使用した教科書の印象は鮮明であって、何時までも記憶に止まるものであり、授業で使用している生徒、卒業生は勿論のこと、父兄も教科書名はよく記憶しているものである。
したがって、本件商標の優先権主張の登録出願日である平成9年2月19日以前から、本件商標にかかる商標「MILESTONE」は同業者は勿論、需要者の間において申立人が使用している商標と広く認識されている商標である。しかも、我が国の高等学校の英語教育の観点からも英語教科書「MILSTONE English Course l」「MILESTONE English Course II」「MILESTONE English Reading」「MILESTONE English Writing」は現在においても文部科学省からの発行指示が続いており、これら英語教科書「MILESTONE」は継続して使用しなければならないものである。
そのため、本件商標がその指定商品の中の商品「印刷物」に使用されると誤認混同を生ずることは必須である。
4 むすび
上記するとおり、本件商標は、申立人が証拠として提出の甲第2号証乃至甲第10号証から明らかなように、その優先権主張の優先日である平成9年2月19日以前より、需要者の間において申立人の業務に係る商標として広く認識されていた商標であって、かつ申立人の使用する商標と同じ商品を含む商品に使用するものである。
したがって、本件商標の登録は、指定商品中「印刷物」について商標法第4条第1項第10号の規定に違反してされたものであるから、同法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきものである。
第3 当審の取消理由
当審では、申立人の異議理由に基づき、商標権者に対し「申立人の提出に係る各甲号証を総合勘案すれば、商標『MILESTONE』が本件商標の優先権主張の優先日には申立人の業務に係る商品『英語の教科書』の商標として取引者・需要者の間において広く認識されていたものと認められる。
そうとすれば、本件商標とこれと綴りを同じくする引用商標とは、『マイルストーン』の称呼を共通にする類似の商標であり、かつ、本件商標の指定商品中『印刷物』は申立人の業務に係る商品『英語の教科書』と同一又は類似の商品と認められる。したがって、本件商標は、その指定商品中の『印刷物』について、商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものである。」旨の取消理由を通知した。
第4 取消理由に対する商標権者の意見
申立人の引用商標は、甲第2号証の3の通り、特許庁の拒絶理由に対し、指定商品を「雑誌、新聞」に補正して登録されたものである。
その後、引用商標は、「ダイムラークライスラー アクチエンゲゼルシャフト」(以下「権利者」という。)による不使用取消審判により取り消されたものである。
当該審決では、本件商標が「教科書」に使用されていることは認められるものの、「教科書」は本件商標の指定商品である「雑誌、新聞」に含まれる商品とはいえないから、結局、本件商標がその指定商品に使用されていたということはできないものである、としている。
上記の拒絶理由通知書及び不使用取消審判の審決からすると、商標「MILESTONE」を商品「雑誌、新聞」に使用する場合は、自他商品識別力を発揮する商標として機能し、当該商標には業務上の信用が化体することになる。
これに対して、「雑誌、新聞」以外の商品である「教科書」等に商標「MILESTONE」を使用する場合は、「教科書」等が「一里塚」等について書かれている場合には、商標としての自他商品識別機能は発揮されず単に「商品の内容」を表示するものにすぎない。また、「教科書」等が「一里塚」等について書かれていない場合には、「商品の品質の誤認」を生じさせるおそれがあり、商標の機能は有効に発揮されない。
従って、かかる商標の使用によっては、商標には業務上の信用は化体しない。
ところで、商標法第4条第1項第10号の立法趣旨は、商品又は役務の出所の混同防止とともに、一定の信用を蓄積した未登録有名商標の既得の利益を保護するところにもある。すなわち、商標の使用をして自己の「業務に係る商品若しくは役務を表示するものとして需要者の間に広く認識される」程度の信用を形成したときには、その者は不正競争防止法による場合は別として積極的に他人の使用を差し止める等の権利はないけれども他人の商標登録を阻止することができるのである(特許庁編工業所有権法逐条解説の商標法第4条第1項第10号の解説の該当箇所)とされている。
そして、引用商標「MILESTONE」が使用されている「英語の教科書」は、甲第3号証の各書証によれば、「一里塚」等に関する記述は全く認めらない。従って、当該商標「MILESTONE」の使用によっては商標に業務上の信用が化体ないので、商標法第4条第1条第10号により保護される「既得の利益」も引用商標には発生する余地は微塵もなく、本件商標が既得権を侵害することはない。
また、本件商標の使用によっては、商品の出所の混同も生じない。商品の出所の混同が生じるためには、引用商標の使用によって商標の業務上の信用が化体され一定の商品流通秩序が形成されていることが不可欠の前提である。
そもそも引用商標には業務上の信用の形成があり得ないために、商品流通秩序の形成はなく、本件商標の商品と引用商標の商品との間に出所の混同は生じない。
以上、本件商標は英語の教科書という書籍の題号として使用されている事実から、第一に商標が本来有する識別機能(品質保証、出所表示)を果たしていないという「商標」性において、第二に「教科書」という一般の書店で販売されるものではなく、特定のルートを通じ特定人にのみ使用されるという面、即ち一般の商品のように市場において独立して商取引の対象として流通に供されるものでなく、又英語教育の現場を離れて独立して取引の対象とされるものでなくその「商品」性において商標としての使用は認められず、このようなものを保護する(著名性を認める)ことにより著作物自体を保護することは商標法本来の趣旨に反し、また書籍の題号は商標でない(商標法第3条第1項第3号、同第4条第1項第16号の適用)とする特許庁のプラクティスにも反すると考える(第1号証)。
従って、本件商標は商標法第4条第1項第10号に該当せず、その登録には何ら暇庇はなく、同規定により本件商標を取り消すべき根拠は何ら存在しない。
第5 当審の判断
1 本件商標
本件商標は、前記のとおり「MILESTONE」の欧文字を書してなり、「一里塚」を意味する英語として比較的よく知られているから、「マイルストーン」の称呼及び「一里塚」の観念を生ずるものである。
2 引用商標
申立人の引用する商標は、次のとおりである。
(1)「MILESTONE English Course I」(甲第 3号証の1)
(2)「REVISED MILESTONE English Cour se I」(甲第3号証の2)
(3)「MILESTONE English Course I」(甲第 3号証の3)
(4)「MILESTONE English Course II」(甲第 3号証の4)
(5)「REVISED MILESTONE English Cour se II」(甲第3号証の5)
(6)「MILESTONE English Course II」(甲第 3号証の6)
(7)「MILESTONE English Readers IIB」( 甲第3号証の7)
(8)「REVISED MILESTONE English Read ers IIB」(甲第3号証の8)
(9)「MILESTONE English Composition IIC」(甲第3号証の9)
(10)「REVISED MILESTONE English Com position IIC」(甲第3号証の10)
(11)「MILESTONE English Reading」(甲第 3号証の11)
(12)「MILESTONE English Writing」(甲第 3号証の12)
(13)「MILESTONE English Course I TE ACHER’S MANUAL」(甲第3号証の13)
(14)「MILESTONE English Course(啓林館準 拠 研究とコーチ)」(甲第3号証の14)
これらの引用各商標は、高等学校で使用する英語用教科書等の表紙、裏表紙、背表紙、奥付等に題号として顕著に表されている。
そして、引用(1)ないし(12)商標の構成文字中「English Course I,II」、「English Readers IIB」、「English Composition IIC」、「English Reading」、「English Writing」、「REVISED」等の文字部分は、教科書の内容・用途あるいはそれが改訂版であることなどを表示していると認められるから、これらの文字部分には自他商品の識別力があるとはいえない。
また、引用(13)商標の構成文字中「English Course I TEACHER’S MANUAL」及び引用(14)商標の構成文字中「English Course」の文字部分についても、同様にこれらに自他商品の識別力があるとはいえない。
これに対して、「MILESTONE」の欧文字部分は、比較的よく知られた英語であり、これよりは「マイルストーン」の称呼及び「一里塚」の観念を生ずるものであって、自他商品の識別機能を有するものと解される。
申立人は、昭和63年4月頃から「MILESTONE」の文字よりなる商標を、高等学校で使用する英語用教科書に甲第3号証の1ないし12に示すとおり使用してきたものである。
これらの英語用教科書「MILESTONE」は、一部発行開始年度の異なるものもあるが、昭和63年から平成8年までに総計約377万冊が発行され、全国多数の県の高等学校で使用されきたものである。また、上記教科書中「MILESTONE English Course I」、「MILESTONE English Course II」、「MILESTONE English Reading」、「MILESTONE English Writing」に関しては、文部省より平成9年から平成12年までの間に毎年約28万冊〜30万冊程の発行指示がなされ(乙第5号証の11ないし14)、指示された部数が発行されたものと推認される。
申立人の引用商標「MILESTONE」は、同商標が付された教科書が昭和63年以来全国各県において多数の高校生に使用されてきた結果、遅くとも本件商標の優先権主張がなされた第一国出願の日である1997年(平成9年)2月19日までには、申立人の業務に係る英語の教科書に使用される商標として、取引者、需要者間に周知となり、その後においても周知性が継続しているものと認められる。
なお、引用商標は教科書の教師用指導書や自習書としても使用されている。
3 教科書の商品性について
商標権者は、引用商標「MILESTONE」が使用されている書証によれば「一里塚」等の記述は全く認められない、当該商標の使用によっては商標に業務上の信用の形成があり得ないために、商品流通秩序の形成はなく、本件商標と引用商標との間に出所の混同は生じない、また書籍の題号は商標ではない旨述べている。
そこで、我が国における教科書制度の概要についてみれば以下のとおりである。
ア.教科書の定義
教科書とは、「小学校、中学校、高等学校、中等教育学校及びこれらに準ずる学校において、教科課程の構成に応じて教科の主たる教材として、教授の用に供せられる図書である。
イ.教科書の使用義務
すべての児童生徒は、教科書を用いて学習する必要があり、学校教育法第21条には、小学校においては、文部科学大臣の検定を経た教科書又は文部科学省が著作の名義を有する教科書を使用しなければならないと定められており、この規定は、中学校、高等学校、中等教育学校等にも準用されている。
ウ.教科書の種類
教科書には、文部科学省の検定を経た教科書(文部科学省検定済教科書)と、文部科学省が著作の名義を有する教科書(文部科学省著作教科書)とがある。
エ.教科書の採択
検定済教科書は、通常、一種目について数種類存在するため、この中から学校で使用する一種類の教科書が決定(採択)される必要があり、採択の権限は、公立学校については所管の教育委員会に、国・私立学校については、校長にあり、採択された教科書の需要数は、文部科学大臣に報告される。
教育委員会は、学校の校長及び教員、採択関係者の調査・研究のため毎年、6月から7月にかけて一定期間、教科書展示会を行っている。
オ.教科書の発行(製造・供給)及び使用
文部科学大臣は、報告された教科書の需要数の集計結果に基づき、各発行者に発行すべき教科書の種類及び部数を指示し、この指示を承諾した発行者は、教科書を製造し、供給業者に依頼して各学校に供給する。
カ.検定
教科書検定制度は、教科書の著作・編集を民間に委ねることにより、著作者の創意工夫に期待するとともに、検定を行うことにより、適切な教科書を確保することをねらいとして設けられており、また、小・中・高等学校の学校教育においては、国民の教育を受ける権利を実質的に保証するため、全国的な教育水準の維持向上、教育の機会均等の保障、適正な教育内容の維持、教育の中立性の確保などの要請から検定を実施している。
キ.教科書採択の公正確保
教科書の採択に際し、各発行者は、その教科書の特徴などがよく理解さるよう宣伝活動を行うが、適正な宣伝活動のため、金銭・物品の提供、中傷・ひぼう等が禁止され、文部科学省は、公正な採択が確保されるよう、発行者だけでなく採択関係者に対しても指導を行っている。そして、教科書業界においても、教科書発行者、教科書供給業者等により、「教科書公正取引協議会」が設立され、また「社団法人教科書協会」も、教科書の宣伝自粛に関する申し合わせを行い、宣伝の自粛に努めている。
以上のとおり、教科書は、教育に供される教材でその重要性から、行政による検定制度があること、教科書の採択や流通の形態に特徴があること、公正確保の点から宣伝の自粛があること等様々な点で他の印刷物やその範疇の商品である他の書籍と異なる点があるとしても、現実に商取引の対象とされており、いわゆる商標法上の商品といって差し支えないものである。
4 題号の出所表示機能
書籍の題号については、題号がただちに書籍の特定の内容を表示するものと認められるときは、商品の品質を表示するものとみられ、自他商品の識別標識として機能しないため商標とみることはできない。
しかし、引用商標「MILESTONE」は、「一里塚」の意味を有する語であるとしても、上述したとおり、英語用教科書に使用されており、これに接する取引者、需要者をして、ただちに「一里塚」に関することを内容としていると理解、認識するとはいえず、自他商品の識別標識としての機能を果たしており、永年の使用により申立人の業務上の信用が蓄積されている商標というのが相当である。
5 本件商標と引用商標の類否について
本件商標と引用商標の構成及び使用の態様は、それぞれ前記1及び2で述べたとおりであり、ともにその構成文字から生ずる「マイルストーン」の称呼、「一里塚」の観念を同じくするものであるから、外観における相違を考慮しても、称呼上及び観念上類似の商標であるといわざるを得ない。
また、請求人が引用商標を使用する「教科書」は、本件商標の指定商品中の「印刷物」と同一又は類似の商品である。
6 むすび
本件商標は、英語用教科書として周知な引用商標と類似するものであり、かつ、その指定商品中の「印刷物」は引用商標の使用されている前記商品と同一又は類似するものである。
したがって、本件商標の登録は、指定商品中「印刷物」について、商標法第4条第1項第10号に違反してされたものと認められるものであるから、商標法第43条の3第2項の規定により取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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