Trademark Appeal Case
周知商標の不正登録
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2001−90369(T2001−90369/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
理由テキスト
1 本件商標
本件商標は、商標の構成を別掲に示すとおりとし、指定商品を第18類「袋物,かばん類,携帯用化粧道具入れ,がま口口金,かばん金具」及び第25類「靴類,ネクタイ,スカーフ,手袋,ショール,靴下,マフラー,ネッカチーフ」として、平成12年3月21日に登録出願、平成13年3月2日に商標権の設定登録がされたものである。
2 登録異議の申立理由
本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第15号、同第16号及び同第19号に該当するため、その登録は取り消されるべきであるとして、登録異議申立人(以下、「申立人」という。)は、本件登録異議の申立ての理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第21号証を提出した。
<申立理由要旨>
(1)申立人の使用に係る商標(以下、「引用商標」という。)は、本件商標の指定商品中「袋物,かばん類」に関する分野に属する需要者、取引者に広く知られており、本件商標と引用商標は類似し、本件指定商品と引用商標の使用商品も抵触する、また、これら以外の指定商品についても、周知となっている引用商標との関係において、出所の混同を生ずるおそれがある。
(2)申立人の製造に係る商品はその品質が高いことが広く知られているので、第三者の製造に係る商品に本件商標を使用すると、申立人の商品との関係において、品質の誤認を生ずるおそれがある。
(3)商標権者は、申立人が引用商標を使用するかばん類に関する我が国における総代理店であるにもかかわらず、申立人に無断で本件商標を出願したものであるから、不正の目的で出願したこと明らかである。
3 本件商標の取消理由
本件登録異議の申立ての結果、当審において、商標権者に対して平成14年3月11日付取消理由通知書をもって、本件商標の登録を取り消す旨通知した本件商標の取消理由は、要旨次のとおりである。
<取消理由>
申立人の主張及び提出に係る甲各号証によれば、申立人は、1930年ドイツにおいて創業された、クロコダイル(ワニ)革やオーストリッチ(ダチョウ)革など高級皮革を使用したハンドメイドによる高級バッグを製造販売する会社であり、申立人が製造販売する革製バック等の商品には、別掲に示すとおりの本件商標と同じ構成よりなる引用商標を長年に亘って使用し、その結果、引用商標は、本件商標の登録出願日には、申立人の本国であるドイツのみならず、我が国においても、申立人の製造販売にかかる高級革製バッグを表すものとして、取引者、需要者の間で広く知られていたといえるものである。そして、本件商標は、特徴のある引用商標と同一の構成からなるものであり、しかも、本件商標の指定商品には「袋物,かばん類」のほか、これらとトータルコーディネートの対象となることの多いファッション関連商品を含むものであって、引用商標の使用に係る商品とは、互いに密接な関連性を有するものである。
また、甲第3号証ないし甲第6号証、甲第8号証ないし甲第9号証の雑誌広告及び甲第19号証の申立人と商標権者との間の取引書類(写し)によれば、商標権者は、申立人の我が国における総代理店として、輸入販売を継続して行ってきたことが認めらる。
そうとすれば、商標権者は、本件商標が申立人の業務に係る商品を表示するものとして、取引者、需要者の間に広く認識されている引用商標であることを承知のうえ、当該商標が未だ登録されていないことを奇貨として、これについて商標登録を受けたことは一種の剽窃行為であり、公正な競業秩序を乱し公序良俗に反すものであり、引用商標に化体した顧客吸引力、信用に只乗りしする等の不正の目的のもとに出願して権利を取得したものといわざるを得ない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第19号に違反して登録されたものである。
4 商標権者の意見
商標権者は、上記3の取消通知書に対し、所定の期間を経過するも、何らの意見を述べるところがない。
5 当審の判断
本件商標についてした商標法第4条第1項第19号に該当することを理由とする先の取消理由は妥当なものと認められる。したがって、本件商標の登録は、この理由をもって商標法第43条の3第2項により、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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