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Trademark Appeal Case

カタログギフトの役務性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成7年審判第23934号
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録をすべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「アズユーライク」の文字を横書きしてなり、第42類「多数の贈答品を掲載したカタログ集を顧客である贈答者を通じて被贈答者に手渡し、被贈答者がそのカタログ集より希望する品を選択してはがき等の通信手段により発注し、その発注を受けて被贈答者に直接その贈答品を配達するサービス」を指定役務とし、商標法の一部を改正する法律(平成3年法律第65号)附則第5条第1項の規定により使用に基づく特例の適用を主張して、平成4年9月29日に登録出願され、その後、指定役務については同11年10月27日付の手続補正書により「顧客である贈答者の依頼に基づき贈答品掲載カタログ集等を被贈答者へ送付し、又は贈答者が贈答品掲載カタログ集等を被贈答者へ手渡し、続いて、該カタログ集掲載品の中から被贈答者が注文した品を被贈答者へ送付する一連の労務」に補正されたものである。

2 原査定の拒絶理由

原査定は、「本願は、政令で定める商品及び役務の区分第42類の役務を指定していないものである。本願の指定役務は、カタログによる商品の販売と認められるものであるから、これは商品区分第1類から第34類に属するものであり、商標法上の役務を指定したものとは認められない。したがって、本願は商標法第6条第1項の要件を具備しない。」旨認定、判断して本願を拒絶したものである。

3 請求人の主張

現行商標法では、商品商標のみならず役務商標までもが保護対象となっているため、当該商標が商品商標であるか役務商標であるかの判断は、当該商標の使用態様により取引者、需要者が自他商品又は自他役務を識別できるかどうかにより決せられるべきである。

そこで本願商標の使用態様を検討してみると、本願商標は各メーカーズブランド、ディーラーズブランド等種々の商標が付された不特定多数の商品を一冊のカタログ集に満載し、そのカタログ集の表紙に本願商標を付して贈答者が被贈答者に頒布し、「被贈答者の好みにあった贈答品を家庭にいながら選択できる機会を与えるサービス」を提供する目的で使用されるものである。したがって、そのカタログ集の表紙に付された本願商標は、そのカタログ集に掲載されている各商品について自他商品識別機能を有している訳ではなく、上記サービスに使用されることにより、他社の同種役務との識別機能を果たしていることに疑いがない。

よって、本願商標は、あくまでも「被贈答者の好みにあった贈答品を家庭にいながら選択できる機会を与える」役務に使用される役務商標であり、この自他役務の識別力を有している点で、保護され登録されるべきである。

4 当審の判断

商標法は、「自己の業務に係る商品又は役務について使用をする商標については、....商標登録を受けることができる。」と規定する(同法第3条第1項)とともに、商標及びその使用については定義規定(同法第2条参照)を置いているが、商品及び役務が何であるかについては特に定義しておらず、これは専ら社会通念に委ねられているものといえる。しかして、社会通念に照らし、商標法にいう「商品」は「商取引の対象となる有体動産であって、それ自体流通過程にのせられ転々流通するもの」と解されるのに対し、「役務」は「他人のために提供する労務又は便益であって、独立して取引の対象となるもの」と解するのが相当である。

これを本件についてみるに、請求人が原審において提出した「商標の使用説明書」によれば、本件の指定役務の内容として以下の事実が認められる。

▲1▼請求人は、ギフトシステムと称し、多数の商品を掲載した数種類のカタログ集、商品の贈答者のプレゼント・お返し等のあいさつ状(メッセージ)、商品申込み希望カード(返信はがき)等がセットになった目録セットを予め用意しておく。

▲2▼目録セットには、贈答者の予算に合わせて13コースが用意され、各コースの金額には別途システム料(宅配料、カタログ、化粧箱、返信切手等が含まれる。)が加算される。

▲3▼贈答者が自己の予算に合わせてカタログ集、あいさつ状を選択し、贈り先リストを請求人に提示して申し込むと、請求人は、上記目録セットを贈り先に送付する。

▲4▼目録セットを受け取った被贈答者は、返信はがきに好みの商品を選んで記入し請求人に宛てて送付する。

▲5▼請求人に返信はがきが到着すると、請求人は直ちに指定された商品を被贈答者に送付する。

以上によれば、請求人と贈答者との間には商品の直接的な取引はなく、請求人は、贈答者の申込みを受けて贈答者のために(贈答者に代わって)カタログ集に掲載された商品を被贈答者に送付するという一連の行為を行っており、かつ、この行為は独立して経済取引の対象となっているものというのが相当である。

なお、請求人は「被贈答者の好みにあった贈答品を家庭にいながら選択できる機会を与える」役務であることを強調しているが、上記指定役務の内容からすれば、請求人による行為(労務)を受けるのは贈答者であって、この場合の請求人の顧客は贈答者というべきであり、被贈答者は結果的に商品を選択できることになるというべきである。

以上を総合すると、請求人による上記一連の行為は、カタログ集に掲載された個々の商品の販売とみるべきではなく、商標法にいう役務の提供とみるのが相当である。

したがって、本願は、商標法第6条第1項の要件を具備しないとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。

よって、結論のとおり審決する。

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