Trademark Appeal Case
新選果実の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2002−90144(T2002−90144/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4525827号商標(以下「本件商標」という)は、「新選果実」の漢字を標準文字により書してなり、第29類「加工果実、冷凍果実、果実入り乳製品」を指定商品として、平成13年2月27日に登録出願、同13年11月30日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
本件商標は、「新選果実」の構成であるが、これを指定商品中「果実入り乳製品」に使用しても、単に商品の品質を表示するにすぎないものである。 すなわち、本件商標を構成する「新選」は「新たに選びつくること」を意味する言葉として知られており、これに「果実」を結合した「新選果実」からは「果実を加えた新たな乳製品」なる意味合いを容易に認識させるから、「果実入り乳製品」の品質を端的に表現しているに止まるのである。
その証拠として、申立人は、平成6年12月20日付で第29類「乳製品」を指定商品として「新撰果実」を出願(商願平6−128362号)したが、拒絶された経緯がある(甲第2号証)。
この拒絶理由通知書によれば、『この商標登録出願に係る商標は、「新たに選びつくること」を意味する「新撰」の文字と「果実」の文字を「新撰果実」と普通に用いられる方法をもって書してなるものであるから、これを本願の指定商品について使用しても、「果実の味を加味した新たに開発した乳製品」の意味合いを認識させるにとどまり、単に商品の品質を表示するにすぎないものと認める。また、果実の味を加味した商品以外の商品に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがある。』との理由で拒絶査定されたのである。
したがって、両者は構成態様上「新選」と「新撰」の違いがあるとはいえ、「シンセンカジツ」の称呼が同一で、意味合いもほぼ同じであることからして、本件商標もその指定商品中「果実入り乳製品」については、同様の判断がなされるべきである。
この点、商品「果実入り乳製品」につき「新選果実」は設定登録、商品「乳製品」につき「新撰果実」は拒絶査定ということであれば審査に矛盾があると言わざるを得ない。
以上のとおり、本件商標はその指定商品中「果実入り乳製品」については自他商品の識別機能を具備しないから、商標法第3条第1項第3号、同法第4条第1項第16号に該当し、同法第43条の2第1号に基づき、その登録は取り消されて然るべきものである。
3 当審の判断
本件商標は、前記のとおり「新選果実」の漢字を標準文字により書してなるところ、構成全体が特定の意味合いを有する語として広く知られていないし、また一般に使用されてもいないが、構成中の「新選」の文字部分が「新たに選ぶこと」などを意味し、「果実」の文字部分が「植物の実、くだもの」を意味するものである。
「新選」及び「新撰」の漢字表記は、前記のとおり「新たに選ぶこと」を意味し、例えば「新選国語辞典」のように使用され、また、新しく書物を編集することを意味するものとして使用されている。一般に、果物、野菜等が新しいものであることを漢字で表記する場合には、「新選」ではなく「新鮮」の漢字が広く使用されているのが実情である。登録異議申立人は、「新選果実」からは「果実を加えた新たな乳製品」なる意味合いを容易に認識させる旨主張するが、その事実を認めるに足りる証拠はない。
これらの認定事実よりすれば、本件商標は、「新鮮」の文字から生ずる称呼と同一の「シンセンカジツ」の称呼を生ずるところから「新しい果実」の意味合いを間接的に連想させる場合があるとしても、特定の意味合いを看取することのできない造語よりなるというのが相当である。そうすると、本件商標は、「果実入り乳製品」に使用しても、特定の意味合いを認識させるものではないから、商品の品質を普通に用いられる方法で表した商標とはいえず、その商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるともいえないものである。
したがって、本件商標の指定商品中「果実入り乳製品」についての登録は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反してされたとは認められないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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