Trademark Appeal Case
語尾差異による称呼・観念
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2001−90734(T2001−90734/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4487130号商標(以下「本件商標」という。)は、「インスピレーショナル」の文字と「INSPIRATIONAL」の文字とを二段に横書きしてなり、平成12年7月24日に登録出願、第3類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成13年6月29日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
本件商標は、以下の(1)及び(2)の商標(以下、これらを一括して「引用商標」という。)と称呼及び観念において類似する商標であり、指定商品も互いに抵触するものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきである。
(1)平成9年6月11日に登録出願、「INSPIRATION」の文字を標準文字として書してなり、第3類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成12年1月7日に設定登録された登録第4349716号商標
(2)平成9年6月11日に登録出願された平成9年商標登録願第125543号に係る商標登録出願を分割し、新たな商標登録出願として平成11年9月13日に登録出願、「INSPIRATION」の文字を標準文字として書してなり、第3類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成12年8月25日に設定登録された登録第4411709号商標
3 当審の判断
(1)本件商標は、「インスピレーショナル」及び「INSPIRATIONAL」の両文字を併記してなるものであるのに対し、引用商標は、「INSPIRATION」の文字よりなるものであるから、両商標は、その構成において明らかに差異があるものであり、互いに見誤るおそれはないものといえる。
また、本件商標中の「INSPIRATIONAL」の文字のみを分離抽出し、これと引用商標とを比較した場合においても、両者は、語尾において「AL」の文字の有無に差異を有するものであり、かつ、両文字間にその外形的特徴が極めて酷似しているなどの彼此混同を生ずるような視覚上の共通点も見出し得ないものあるから、この点においても両商標は、外観上相紛れるおそれはないというべきである。
(2)次に、称呼上よりみるに、本件商標は、「インスピレーショナル」の文字及び「INSPIRATIONAL」の文字に相応して「インスピレーショナル」の称呼を生ずるものと認められる。
これに対し、引用商標は、「INSPIRATION」の文字に相応して「インスピレーション」の称呼を生ずるものである。
そこで、本件商標より生ずる「インスピレーショナル」の称呼と引用商標より生ずる「インスピレーション」の称呼とを比較すると、両称呼は、末尾からの2音ないし1音において「ナル」と「ン」の音に差異を有するものである。そして、「ナル」と「ン」の両音は、音数が異なり、音質に明らかな差異を有するものであり、また、「ナル」の音は、末尾に位置するとはいえ、「ナ」「ル」の両音が共に有声の音であることから、比較的明瞭に発音されるのに対して、「ン」の音は前音の「ショ」に吸収されやすい極めて弱い鼻音である。
そうすると、これらの差異音が両称呼における音調、音感に与える影響は大きいといわざるを得ないから、両称呼をそれぞれ一連に称呼した場合、彼此相紛れるおそれはないといわなければならない。
してみれば、本件商標は、引用商標と称呼において類似するものとは判断することができない。
(3)また、観念上よりみるに、本件商標は、前記のとおり、「インスピレーショナル」の文字が「INSPIRATIONAL」の文字の読みを併記したものといえるところ、「INSPIRATIONAL」の文字は、「霊感(神感)の、霊感(神感)に関する」などを意味する英単語の「inspirational」(甲第4号証)を大文字で表したものといえる。
しかしながら、「inspirational」の語は、上記意味合いを有するものと直ちに理解し認識される程に一般に親しまれている英単語とは認め難く、申立人の提出に係る証拠を検討しても、商取引の実際において、一般的な取引者・需要者に、一見して直ちに上記意味合いを理解し認識されるものと認めるに足りる証拠はない。
そうとすると、取引場裏において、本件商標は、「霊感(神感)の、霊感(神感)に関する」などを意味を有するものとして直ちに理解し認識されるものということはできないから、たとえ引用商標が「インスピレーション、霊感」などの観念を生ずるものであるとしても、本件商標は、引用商標と観念において類似するものとは認められない。
(4)以上のとおりであり、本件商標は、引用商標と外観、称呼及び観念のいずれからみても類似するものではなく、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではない。
したがって、本件商標は、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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