結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 無効2001−35131(T2001−35131/J3) |
|---|---|
| 審判種別 | 無効 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第3130133号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成5年1月25日に登録出願され、「ナチュラルコレクション」の文字と「NATURAL COLLECTION」の文字を二段に横書きしてなり、第3類「せっけん類,香料類,化粧品,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,歯磨き,家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用漂白剤,つや出し剤,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し布,靴クリ―ム,靴墨,塗料用剥離剤」を指定商品として、同8年3月29日に設定登録されたものである。
請求人は、本件商標の登録を「せっけん類,香料類,化粧品,歯磨き」について無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求めると申し立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第34号証を提出した。
本件商標は、ゴシック体様のカタカナ文字で書された「ナチュラルコレクション」の文字を上段に配し、同じくゴシック体様の欧文字で書された「NATURAL COLLECTION」の文字を下段に配し、普通に用いられる方法で二段に併記したものである。
(1)商標法第3条第1項第6号該当性
本件商標中の「ナチュラル」「NATURAL」は、「自然な、自然」等の意味を有する周知な英単語(甲第2号証)であり、我が国においてもかかる意味の外来語として普遍的に定着している語である(甲第3号証)。
また、「コレクション」「COLLECTION」の語は、「集めたもの」等の意味を有する英単語(甲第4号証)であるが、該語も我が国において外来語として普遍的に定着しているものであり(甲第5号証)、「〜コレクション」「〜COLLECTION」という用法で、「〜を集めたもの」「〜の集合物」を意味するものとして一般に使用されている。
したがって、「ナチュラルコレクション」「NATURAL COLLECTION」の語句は、全体として「自然のものを集めたもの」の観念を生ずるものである。
この場合、「ナチュラルコレクション」「NATURAL COLLECTION」の文字よりなる本件商標を付された商品に接した需要者は、それが何人かの業務に係わる商品であることを認識し得ないといえる。
よって、本件商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
(2)商標法第3条第1項第3号該当性
(a)「ナチュラル」「NATURAL」は、「自然」「自然材料(で作られた製品)」等の意味を有する英単語(甲第2号証)及びその発音をカタカナで表記したものであるが、これを「せっけん類、香料類、化粧品、歯磨き」に使用する場合、「自然の物を原材料として作られた化粧品等」の意味合いで認識・把握されるというべきである。
すなわち、洗顔料・化粧水・肌用クリーム等のスキンケア製品は、日常的に直接肌につけて使用するものであることから、特にその主たる消費者である女性の間では、肌への刺激が少ない製品が好まれる傾向にある。植物抽出成分等の自然の物を原材料として作られた製品は、化学的に合成された成分のみからなる製品に比して、肌への刺激が穏やかであるので、従来から高い人気を得ている。
このような製品は、化粧品及びその関連製品を取り扱う業界において「自然化粧品」「自然派化粧品」等と称され、商品取引においてのみならず、雑誌記事等においても使用されており、最終消費者の間でも「自然化粧品」「自然派化粧品」といえば、自然の物を原材料として作られた製品を指すものであるとの認識が定着している(甲第11号証ないし第28号証)。
そして、「ナチュラル」「NATURAL」の語は、外来語として我が国において既に定着しており(甲第3号証)、その意味は従来から極めて周知であったといえる。よって、該語の周知性と上述の「自然化粧品」「自然派化粧品」の人気に鑑みると、スキンケア製品について「ナチュラル」「NATURAL」の語が使用された場合、本件商標の出願時において、これらの語は「自然の物を原材料として作られた」という商品の品質を表示すると認識されていたというべきである。
現に、スキンケア製品の宣伝広告において、例えば「ナチュラルコスメ」「ナチュラル派スキンケア」「ナチュラル・スキンケア」「Natural Cosmetics」等の語が使用されており(甲第11・18・21・24号証)、「ナチュラル」「NATURAL」が従来からスキンケア製品の商品の品質を表示する語として使用されていたことは明らかである。
また、「せっけん類、香料類、歯磨き」も「化粧品」と用途が同一であり、需要者層・取引者層を共通にする商品であるといえる。例えば「オリーブ油からつくられたせっけん」「植物から抽出したエッセンシャルオイル」「自然塩を配合した歯磨き」等の自然の物を原材料として作られた商品が存在する。よって、これらの製品について「ナチュラル」「NATURAL」が使用された場合も、自然の物を原材料として作られたという商品の品質を表示するものと認識されるというべきである。審査例、審決例として、甲第29号証ないし同第32号証を提出する。
(b)「コレクション」「COLLECTION」の語は、「集めたもの」等の意味を有する英単語(甲第4号証)及びその発音をカタカナで表記したものであり、外来語として我が国において既に定着しており(甲第5号証)、その意味は従来から極めて周知であったといえる。
そして、化粧品やファッション関連製品の業界においては、「コレクション」「COLLECTION」の本来の意味から派生して、同種・同用途の製品を集めたものを「〜コレクション」と称して広告宣伝・販売等することが、販売手法として従来から採用されている。
特に、化粧品等の取引業界においては、例えば「メイクアップコレクション」「サマースキンケアコレクション セット」のように同種・同用途の化粧品等を集めたものを指す語として「コレクション」「COLLECTION」の語が使用されている。したがって、化粧品等について「〜コレクション」「〜COLLECTION」の語句が使用された場合は、商品の品質や販売形態を指すものであって、識別力のない商標であるというべきである。
審査例、審決例として、甲第33号証及び同第34号証を提出する。
(c)本件商標は、「ナチュラル/NATURAL」と「コレクション/COLLECTION」の語を通常用いられる用法に従い単に結合したものであり、一般には「自然のものを集めたもの」の観念を生ずるものであるが、これを化粧品等に使用した場合、該語句は「自然の物を原材料として作られた商品を集めたもの」の意味を認識させるというのが相当である。現に、自然の物を原材料として作られた化粧品やその他の商品について「NATURAL COLLECTION」の語句を用いて広告・宣伝等行なっている例が国内外において多数見受けられる(甲第6・7号証)。
また、請求人は、本件商標出願前に英国の特許庁商標登録局に対し、商標「NATURAL COLLECTION」を本件と同じ指定商品に出願していたが、商品の品質の表示であって識別力がないという理由で登録を拒絶された(甲第8号証)。更に、請求人は、世界各国において「NATURAL COLLECTION」の語及び「Boots」のロゴマークからなる商標を、本件と同じ商品を指定して出願し登録しているが、権利不要求の制度のある台湾、フィンランド、イスラエル、南アフリカ共和国、ウズベキスタン、エストニア、ロシア、香港、二ユージーランド、シンガポール、マルタ、タイの各国においては、「NATURAL COLLECTION」の語に対し排他的権利を要求しないことを条件として登録が認められたものである(甲第9号証)。かかる事実は、これら各国において「NATURAL COLLECTION」の語句が指定商品の品質の表示であると判断されたことを示している。
前述の通り、「NATURAL COLLECTION」の語句が我が国で極めて周知な英単語を結合してなる語句であって、我が国の取引者・需要者が容易にその意味を理解できることを考慮すれば、英語を母国語としない国においても商品の品質の表示であると判断された本件商標は、我が国においても商品の品質の表示にすぎないと判断されるべきものであったというべきである。
更に、請求人は、我が国においても「NATURAL COLLECTION」の語句及び「Boots」のロゴマークからなる商標を本件と同じ商品を指定して出願したが、本件商標の後願であったにもかかわらず登録が認められている(登録第4167918号:甲第10号証)。これは、「NATURAL COLLECTION」の語句は指定商品の品質の表示であって識別力がないと判断されたため、本件商標が登録の障害とならなかったことによるものである。したがって、かかる判断に照らしても、化粧品等の商品に使用される「ナチュラルコレクション」「NATURAL COLLECTION」には識別力がないというべきである。
よって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第10号証を提出した。
(1)商標法第3条第1項第3号違反について
「ナチュラル」「NATURAL」および「コレクション」「COLLECTION」の語が、仮に単独で識別力を有さないとしても、本件商標は、「ナチュラルコレクション」「NATURAL COLLECTION」であって、請求人の指摘するような、「ナチュラル」「NATURAL」と「コレクション」「COLLECTION」に分離されるものではない。
また、「ナチュラルコレクション」「NATURAL COLLECTION」からは「自然の蒐集」のような意味合いが感得され、あるいは一種の造語として認識されるものであって、「自然の物を原材料として作られた商品を集めたもの」という意味合いは生じない。
そして、「ナチュラルコレクション」「NATURAL COLLECTION」の語が、指定商品との関係において「自然の物を原材料として作られた商品を集めたもの」の意味で、本件商標の登録時に使用されていた事実は見いだすことができない。
甲第6号証及び甲第7号証の証拠は、いずれも我が国以外の外国企業のホームページ上での使用にすぎず、かつ、この証拠の成立日は、いずれも本件商標の登録後のものであり、我が国での取引界の実情を示すものではない。
甲第8号証及び甲第9号証は、諸外国での判断例であり、外国の審査例をもって、我が国の識別力の有無を論ずるのは理由がない。自他商品識別力の有無は、我が国における需要者の判断を基準とするべきであって、商標制度が異なると共に、英語を母国語とする外国人の認識を基に我が国の商標の自他商品識別力を判断すべきでないのは自明のことがらである。
甲第10号証の被請求人所有の商標については、「Boots」のロゴを中央に配し、左右に「Natural」と「Collection」の文字をそれぞれ分離すると共に個別に枠で囲った図形と結合された特殊の構成よりなっており、一連の「NaturaI Collection」として表示されたものではなく、上記商標登録の存在は、本件商標の自他商品識別力に何ら関連性を持たない。
甲第11号証から甲第28号証の雑誌記事は「NATURAL」の語がスキンケア製品の分野において、単独では識別力がない旨の立証に過ぎない。
甲第29号証から甲第32号証の審決例及び審査例は「NATURAL」の語が、単独では識別力がない旨の立証に過ぎず、甲第33号証及び甲第34号証の審決例・審査例も「コレクション」「COLLECTION」の語が、単独では識別力がない旨の立証に過ぎない。
したがって、本件商標は、第3条第1項第3号に違反して登録されたものではない。
(2)商標法第3条第1項第6号違反について
本件商標は、前述のように自他商品識別力を有するものであるから、商標法第3条第1項第6号に違反するものではない。
また、本件商標が何故に何人かの業務に係る商品であることを認識しえないとするのか、請求人の主張は不明瞭である。
本件商標は、前記に示すとおり「ナチュラルコレクション」の片仮名文宇と「NATURAL COLLECTION」の欧文字を二段に書してなるところ、請求人は、甲第2号証ないし同第34号証を挙げて、本件商標は「自然の物を原材料として作られた商品を集めたもの」の意味合いを理解・認識させるものであり、自他商品の識別力を有しない旨主張している。
そこで、請求人の提出に係る甲号証をみるに、甲第2号証ないし同第5号証は、上記各語の意味合いを説明している辞典類であり、甲第6号証は、「NATURAL COLLECTION」の語が使用されている外国企業の例であり、甲第7号証は、輸入販売業者と認められる者の飲料についての使用例あるいはタオル等の使用例である。また、甲第8号証及び同第9号証は、諸外国における特許庁の判断例であり、更に、甲第11号証から同第28号証は「NATURAL」の語がスキンケア製品の分野において識別力を有しない語である旨の証拠であり、甲第29号証から同第32号証は「NATURAL」の語が識別力を有しない語である旨の審決例・審査例であり、甲第33号証及び同第34号証は「コレクション」「COLLECTION」の語が、識別力を有しない語である旨の審決例・審査例である。
しかして、甲第2号証ないし同第5号証によれば、「ナチュラル/NATURAL」の語は、「自然な、自然の、自然界の」等の意味を有する外来語(英語)であり、「コレクション/COLLECTION」の語は、「収集、収集物、集めたもの」等の意味を有する外来語(英語)であり、日常一般において親しまれている語であるということができる。
そして、甲第11号証ないし同第34号証によれば、「ナチュラル/NATURAL」「コレクション/COLLECTION」の各語が商品の品質を表す用語として使用されていることは認められるにしても、「ナチュラルコレクション/NATURAL COLLECTION」の語が「自然の物を原材料として作られた商品を集めたもの」の意味合いを表し、かつ、本件商標の指定商品との関係において、商品の品質を具体的に表すものとして取引上一般的に用いられているものとは認められない。僅かに、甲第6号証として外国企業の例が提出されているが、我が国における取引界の実情を示したものではなく、甲第7号証の例も飲料あるいはタオル等の使用例であって、本件指定商品に係る事例ではない。
また、甲第8号証及び同第9号証は、諸外国における特許庁の判断例であるところ、自他商品の識別力の有無は、我が国における需要者の判断を基準とすべきであって、商標制度を異にし、言語を異にする外国の審査例をもって、我が国における識別力の有無の判断の拠り所とすることはできない。
そうとすれば、「ナチュラル/NATURAL」及び「コレクション/COLLECTION」の各語が請求人の主張するような語義を有するものであるとしても、この一連の構成からなる語をもって、直ちに、「自然の物を原材料として作られた商品を集めたもの」の意味合いを理解・認識させるものとはいい難いものであり、これよりは「自然界の収集物、(素材などが)そのままの収集物」の如き漠然とした意味合いを想起させることはあっても、特定の意味合いを認識させるものとはいえず、むしろ、一連の構成からなる一種の造語として認識されるものとみるのが相当である。
なお、請求人所有の甲第10号証の商標は、「Boots」のロゴを中央に配し、その左右に「NATURAL」と「COLLECTION」の文字をそれぞれ分離させ、個別に枠で囲った図形と結合された特殊の構成よりなるものであって、一連の「NaturaI Collection」として表示されたものではなく、被請求人も述べているように、本件商標と請求人所有の上記商標とは、何らの関連性も有しないものというべきである。
してみれば、本件商標は、商品の品質を表すものとはいえず、これをその指定商品について使用しても、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものといわなければならない。
したがって、本件商標の指定商品中「せっけん類,香料類,化粧品,歯磨き」についての登録は、商標法第3条第1項第3号及び同第6号に違反してされたものではないから、同法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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