sokuhyo

Trademark Appeal Case

使用商標の同一性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2001−30589(T2001−30589/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1本件商標

本件登録第2444669号商標(以下「本件商標」という。)は、「め組」の文字を横書きしてなり、第9類「産業機械器具、動力機械器具(電動機を除く)風水力機械器具、事務用機械器具(電子応用機械器具に属するものを除く)その他の機械器具で他の類に属しないもの、これらの部品および附属品(他の類に属するものを除く)機械要素」を指定商品として、平成2年3月1日に登録出願、同4年8月31日に設定の登録がなされたものである。

2 請求人の主張

請求人は、「商標法第50条の規定により本件商標の指定商品中「消火器、消火栓、消火ホース用ノズル、スプリンクラー消火装置、火災報知器、ガス漏れ警報器、盗難警報器、鉄道用信号機、これらに類似する商品」についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。

請求の理由

商標権者、専用使用権者、通常使用権者のいずれもが本件商標を請求に係る指定商品について、日本国内において継続して3年以上使用していない。

答弁に対する弁駁

(1) 被請求人は、答弁書に乙第1号証及び同第2号証を添付しているが、これらの証拠によっては本件商標が本件審判請求に係る商品について審判請求前3年以内に日本国内において使用されていたことを立証することはできないというべきである。

(2) 乙第1号証について

乙第1号証は、平成9年10月に印刷された「消火栓」の商品カタログであり、本件商標と同一と認められる「め組」の文字が使用されている点は請求人も否定しない。

しかしながら、本件審判請求登録日は平成13年6月18日であり(甲第2号証)、審判請求前3年の期間に該当するのは平成10年6月18日から平成13年6月17日までであるから、乙第1号証は審判請求前3年より以前に印刷されたものである。

答弁書によると、『然しながら、消火栓の規格の改正に伴い、その規格に適合した新たな製品を販売するに当たり、...(中略)...登録商標の使用説明書(2)に示しているカタログに変更し』とあることから、乙第1号証が現在使用されていないことは明らかであり、また、乙第1号証がいつまで使用されていたかは答弁書及び登録商標の使用説明書(1)からは不明である。通常、商品カタログは印刷後数ヶ月〜数年の間使用されるが、乙第1号証は審判請求前3年の期間の約8ヶ月前に印刷されたものである。したがって、乙第1号証は審判請求前3年の期間内における本件商標の使用を証明する資料になり得るかのように見える。

しかしながら、本件においては、上述のように被請求人自ら商品の規格改正により乙第1号証が使用されなくなったことを述べているから、乙第1号証がいつまで使用されていたかを被請求人が証明しない限り、これを本件審判における登録商標の使用の証拠として採用することはできないというべきである。

したがって、乙第1号証によっては本件商標が審判請求前3年以内に日本国内において使用されていたことにはならない。

(3) 乙第2号証について

乙第2号証は、平成12年6月に印刷された「消火栓」の商品カタログであり、「審判請求前3年以内に日本国内において使用」の要件は満たされている。

しかしながら、乙第2号証に表示されている商標(以下「使用商標」という。)は「ニューめ組」であり、本件商標「め組」とは「ニュー」の文字の有無が相違している。

この「ニューめ組」の文字は、同一の書体、同一の大きさで一連に一体的に表されており、「ニューめ組」は称呼も語呂がよく、一気に発音できる。また、「ニューめ組」は本件商標に「ニュー」という文字が付くことにより、本件商標とは全く意味の違う別異の語に変化している。このように乙第2号証の「ニュー」の文字と「め組」の文字は有機的に結合し、「ニューめ組」は全体で1つの標識として捉えられ、乙第2号証に接した取引者・需要者が「ニューめ組」の文字から本件商標を分離して認識することはあり得ないというべきである。

被請求人は答弁書において『消火栓の規格の改正に伴い、新たな製品を製造、販売するに当たり、カタログにもそれに相応しい「ニュー」の文字を冒頭に付したものであり、この様な手段は、...(中略)...当該業者が広告・宣伝用の印刷物に普遍的に用いている手段であり』『冒頭の「ニュー」の文字からは、消火栓その他の関連商品の取引者・需要者には、当然商品が改善された新商品であることを説示しているものと理解され、商品識別上の標識とされるのは 「め組」の文字部分である。』と主張している。

しかしながら、本件審判請求に係る商品の業界において被請求人が主張するような慣習があることの立証はなされていない。その上、上述のように「ニューめ組」の文字は外観的・称呼的・観念的まとまりのよさから全体として1つの標識を形成するに至っている。すなわち、「ニューめ組」は本件商標に「ニュー」の文字を付加することによりこれが使用される商品が新商品であることを意味しているのではなく、「ニューめ組」という新たな1つの商標に生まれ変わり、全体で当該商品の商標として機能しているものである。

したがって、乙第2号証に使用されている商標「ニューめ組」は、本件商標とは同一ではなく、且つ社会通念上同一と認められる使用ではないから、乙第2号証によっては本件商標が審判請求前3年以内に日本国内において使用されていたことにはならない。

3 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求める、と答弁し、その理由を以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証及び乙第2号証を提出した。

答弁の理由

(1)本件商標は商標権者自身によって、本件登録取消審判に係る指定商品中の「消火栓」について、平成2年6月当時より現在まで引続き使用しており、現在では、約11年余に及ぶ使用実績を有する商標であり、実際使用の状況を、登録商標の使用説明書(1)及び(2)によって示すものである。

(2)登録商標の使用説明書(1)に示しているカタログは、被請求人が「消火栓」の発売当初から使用していたカタログであり、カタログに表示されている商標は、登録商標「め組」の文字そのものが表示されているカタログである。

然しながら、消火栓の規格の改正に伴い、その規格に適合した新たな製品を販売するに当り、カタログに表示する商標も、従来の「め組」の文字の前に「ニュー」の文字を付して「ニューめ組」と表示した、登録商標の使用説明書(2)に示しているカタログに変更し、このカタログが現在まで引き続き使用されている。

(3)登録商標の使用説明書(2)のカタログに示されている商標が、登録商標にニューの文字を付した「ニューめ組」であるが、これは、上記の様に消火栓の規格の改正に伴い、新たな製品を製造、販売するに当り、カタログにもそれに相応し「ニュー」の文字を冒頭に付したものであり、この様な手段は、従来商品を改善した新商品の販売、或は新たな手法によってより良きサービスを提供するに当り、当該業者が広告・宣伝用の印刷物に普遍的に用いている手法であり、登録商標の使用説明書(2)のカタログに表示されている商標「ニューめ組」の、冒頭の「ニュー」の文字からは、消火栓その他の関連商品の取引者・需要者には、当然商品が改善された新商品であることを説示しているものと理解され、商品識別上の標識とされるのは「め組」の文字部分である。

従って、この「ニューめ組」の商標は、明らかに本件商標と社会通念上同一と認められる商標である。

上記のように、本件商標は指定商品中の「消火栓」について現在使用中の商標であり、当然、本件審判請求は成り立たない。

4 当審の判断

被請求人提出の証拠によれば、被請求人は、2000年6月作成の商品のカタログ(クボタ水道用地下式単口消火栓)に「ニューめ組」の表示のもとに該消火栓の写真・寸法図・仕様等を掲載していることが認められる。

そして、市場においては、一般に新商品を表示する場合「ニュー(NEW)」の語、特別製の商品を表示する場合「スーパー(SUPER)」、豪華な商品の場合「デラックス(DELUXE)」の語を商標と結合し、又は付加して表示することが行われていることは良く知られているところである。

そうすると、被請求人が「消火栓」について使用の「ニューめ組」の文字からなる商標(以下「使用商標」という。)は、その構成中の「ニュー」の文字部分が、「新商品、新製品」であることを表示し、自他商品の識別機能を果たす主要な部分は「め組」の文字部分であるものと取引者・需要者に理解、認識されるといえるから、「め組」の文字からなる本件商標と社会通念上同一と認めるのが相当である。

してみれば、被請求人(商標権者)は、日本国内において本件商標と社会通念上同一といえる使用商標を取消請求に係る指定商品中に包含される「消火栓」について、本件審判請求の登録前3年以内に使用していたもの認められる。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。