sokuhyo

Trademark Appeal Case

役務の独立性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2001−30471(T2001−30471/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第3122431号商標の指定役務中「囲碁又は将棋所の提供,スロットマシン場の提供,ダンスホールの提供,ぱちんこホールの提供,ビリヤード場の提供,マージャン荘の提供,遊園地の提供」については、その登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第3122431号商標(以下「本件商標」という。)は、願書に記載されたとおりの構成よりなり、その指定役務及び登録日は、商標登録原簿記載のとおりである。

2 請求人の主張の要点

請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を要旨次のとおり述べた。

(1)本件商標は、継続して3年以上日本国内において商標権者等のいずれもが請求に係る指定役務についての登録商標の使用をしていないものであるから、商標法第50条の規定によりその登録は取り消されるべきである。

(2)被請求人は答弁書において、ビリヤード場の提供を行っていると主張しているので、以下に弁駁する。

本来、ビリヤード場の提供とは市街地によく見られるビリヤード場であり、ビリヤード競技をなす場所を専門的に提供することがその意味するところであって、ビリヤード場そのものの運営で商取引が成立するものです。

しかし、答弁書によれば、被請求人は本業である賃貸マンション内の設備にビリヤード用具が置かれていることをもって「ビリヤード場の提供」としているものであって、それは適法な使用とはいえない。

被請求人は当該賃貸マンションの設備にはビリヤード施設があり、賃貸マンション利用者はこのビリヤード施設を利用することができる。と述べるが、当該ビリヤード用具はマンションに設置された備品の一つに過ぎない。

3 被請求人の主張の要点

被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、その証拠方法として、乙第1号証ないし乙第4号証を提出した。

(1)本件商標の商標権者である株式会社荒井商店は乙第1号証(賃貸マンション「リーフコート新都心」のパンフレット)に示すように、昭和63年3月末日より現在に至るまで本件商標を使用してホテルスタイルのマンション賃貸業務を行ってきており、乙第1号証所載の「リーフコート新都心」の設備中には「ビリヤード」施設があり、賃貸マンション利用者はこの「ビリヤード」施設を利用することができる。乙第1号証に示す「リーフコート新都心」には「ビリヤード」施設の他に「フィットネスジム」、「サウナ」等の諸施設があり、当然のことながらこれ等諸施設の利用を前提とした賃料が設定されている。

乙第2号証に平成13年3月22日契約に係る「リーフコート新都心居室利用定期賃貸借契約書」の写しを示す。

乙第3号証に平成13年3月 22日契約に係る「リーフコート新都心利用規則」の写しを示す。同利用規則には「ビリヤード」施設等の利用の注意事項の他に「ビリヤード」施設等は契約した利用者のみが利用出来る旨定められている。

乙第4号証に平成11年1月12日に本件商標の商標権者である株式会社荒井商店が不動産会社間物件情報流通サポートサービス業のアットホーム株式会社を介して配布した本件商標を使用してなる「リーフコート新都心」のチラシを示す。この乙第4号証にも「リーフコート新都心」には「ビリヤード」、「サウナ」、「アスレチック」等の施設が備えられており、契約者たる利用者がこれ等諸施設が利用できる旨と、賃料等の賃貸条件が表わされている。

以上述べましたように本件商標の商標権者である株式会社荒井商店は昭和63年3月末日より現在に至るまで継続して「ビリヤード場の提供」役務につき本件商標を使用していることは明らかである。

(2)しかして商標権者は乙第1号証〜乙第4号証に示すように指定役務中「ビリヤード場の提供」について本件審判請求前より継続して本件商標を使用しているものであり、本件商標は請求に係る指定役務につきその登録を取り消されるものではない。

4 当審の判断

被請求人は、本件商標を、その指定役務中の「ビリヤード場の提供」に使用している旨主張しているので、この点について検討する。

乙第1号証によれば、賃貸マンション内にビリヤードコーナーがあり、ビリヤード用具が設置されており、又、乙第4号証の貸マンションにもその共用スペースに「ビリヤード・・・」と記載されているので、ビリヤード用具が設置されており、これらマンションの利用者は随時「ビリヤード用具」の利用が可能なことがわかる。

ところで、商標法上の「役務」とは、「他人のために行う労務又は便益であって、独立して商取引の目的たりうべきもの」と解される。

これを本件についてみるに、前記したとおり、当該マンションの利用者がその付帯設備の一つである「ビリヤード用具」を利用することができること及びマンション内に当該マンションの利用者が利用できる「ビリヤード施設」を備えていることをもってしては、これが独立して商取引の目的たりうべく設置されたものとみることはできない。

また、役務として「ビリヤード場の提供」を行っていると認めることもできない。

以上のとおり、被請求人提出の乙号証によっては、本件審判請求の登録前3年以内に商標権者は本件商標を使用したと認めることできず、他に請求に係る指定役務のいずれかについて本件商標の使用をしたと認めるに足る証拠の提出もない。

してみれば、被請求人は請求に係る指定役務についての本件商標の使用を証明し得なかったのであるから、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により指定役務中「結論掲記の指定役務」についての登録を取り消すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。