結論テキスト
審判費用は被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 無効2002−35201(T2002−35201/J3) |
|---|---|
| 審判種別 | 無効 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第4389108号商標(以下「本件商標」という。)は、標準文字により「声の宅急便」の文字を横書きしてなり、平成11年12月10日に登録出願され、第28類「遊戯用器具,囲碁用具,将棋用具,さいころ,すごろく,ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,チェス用具,チェッカー用具,手品用具,ドミノ用具,マージャン用具,ビリヤード用具,おもちゃ,人形,愛玩動物用おもちゃ,運動用具,スキーワックス,釣り具」を指定商品として、平成12年6月2日に設定登録されたものである。
請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第10号証を提出している。
(1)請求の利益について
請求人は、宅配便事業に著名商標「宅急便」を使用していたところ、本件商標は、著名商標「宅急便」との関係から、請求人又は請求人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、商品の出所について混同を生じさせるおそれがあり、また、仮に、商品の出所について混同を生じさせるおそれまではないとされた場合でも、「宅急便」の出所表示機能を稀釈化させるものであり、本件審判請求に利害関係を有する。
(2)無効理由について
宅配便の各事業者は、他社と区別するため独特の便名を用いて事業を行っている中で、請求人は、昭和51年より「宅急便」の商標を使用して宅配便事業を行い、「宅急便」又は「宅急便」と他の文言の結合商標(「クール宅急便」「国際宅急便」「ゴルフ宅急便」「スキー宅急便」など)を広く使用し、今日に至っている。
請求人の「宅急便」の取扱個数は、同業他社と比較しても群を抜き、また全国シェア率も断然リードしており、かつ、取り扱う商品は食料品、衣類、スポーツ用品及び贈答品など多岐に亘るものである。また、請求人は、テレビコマーシャルを利用した宣伝広告も長期にわたり継続して行っている。「宅急便」と言えば、請求人の宅配便サービスを指称するものとして、需要者に広く知られている著名商標であることは、顕著な事実である。
さらに、請求人の商標登録第3023793号「宅急便」は防護標章登録を受けている。審査基準によれば、防護標章登録を受けている商標は、需要者の間に広く認識された商標と推認して取り扱うものとすることになっている。また、「他人の著名な商標と他の文字又は図形等と結合した商標は、その外観構成がまとまりよく一体に表されているもの又は観念上の繋がりがあるものなどを含め、原則として、商品又は役務の出所の混同を生ずるおそれがあるものと推認して、取り扱うものとする。」とされており、本件は正にこのケースに該当することは明らかである。本件がこの原則の例外に該当する根拠はない。
著名商標の証拠のごく一部を甲第2号証ないし甲第10号証に提示する。
本件商標「声の宅急便」は、観念としては例えば「いろいろな人々の声を宅急便で届けます」というようなイメージであって、「宅急便」との連想が強く認識されるものである。また、本件指定商品の輸送に際して宅配便が利用されることも少なくない。
したがって、本件商標が本件指定商品について使用された場合には、請求人の著名商標「宅急便」との関係から、請求人又は請求人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、商品の出所について混同を生ずるおそれがあることは明白であり、商標法第4条第1項第15号に該当する。
仮に、請求人の著名商標「宅急便」と出所の混同のおそれまではないとされた場合でも、著名商標「宅急便」を構成中に含む商標はその著名性を利用し、若しくは著名性にただ乗りするもので、本件商標が本件指定商品について使用された場合には「宅急便」の出所表示機能が稀釈化することは明白であり、本件商標は同項第19号に該当する。
(3)むすび
本件商標が本件指定商品に使用された場合、その商品の需要者が請求人又は請求人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品と出所について混同するおそれがある。また、仮に出所の混同のおそれまではないとされた場合でも「宅急便」の出所表示機能を稀釈化させるものである。したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号及び同項第19号の規定に違反してなされたものであるから、同法第46条第1項の規定によりその登録を無効とすべきである。
被請求人は、何ら答弁するところがない。
本件商標は、上記のとおり「声の宅急便」の文字よりなるものである。
請求人は、「宅急便」の商標が、請求人の宅配便サービスについて使用するものとして需要者に広く知られている著名商標である旨主張しているので、この点について検討する。
請求人の提出に係る甲第2号証ないし甲第10号証の雑誌、新聞記事等を総合勘案すれば、商標「宅急便」(以下「引用商標」という。)は、請求人の業務に係る役務「宅配便」の商標として、本件商標の登録出願前に取引者・需要者の間において広く認識されていたことが認められる。
してみれば、本件商標は、引用商標に酷似する「宅急便」の文字を含むものであり、本件商標の指定商品の輸送に際して上記役務「宅配便」も利用される場合が少なくないことから、本件商標をその指定商品について使用するときは、これに接する取引者、需要者は構成中の「宅急便」の文字に着目して引用商標を連想、想起し、請求人又は同人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品又は役務であるかの如く、その商品又は役務の出所について混同を生ずるおそれがあるものといわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当するか否かについて検討するまでもなく、同項第15号に違反して登録されたものであるから、その登録は同法第46条第1項の規定により無効とすべきである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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