sokuhyo弁理士法人WATT 監修

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結論

敗訴(請求棄却)

第4条第1項第16号・第3条第1項第3号「ネガレスの記述性」の商標審決・判断理由(審判番号:不服2000−18140(T2000−18140/J1)|請求不成立)

審判番号
不服2000−18140(T2000−18140/J1)
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標(図形等・本文参照)
争点(論点)
ネガレスの記述性
適用条文
第4条第1項第16号・第3条第1項第3号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
請求不成立(敗訴(請求棄却))

この審決(審判不服2000−18140(T2000−18140/J1)・不服)は、本件商標について、商標法第4条第1項第16号・第3条第1項第3号への該当性が争われた事例です。主な争点は「ネガレスの記述性」です。特許庁は「本件審判の請求は、成り立たない」と判断しました(請求不成立)。商品の品質や用途を直接表す語は識別力が否定されやすいため、出願前に造語化や図形との組合せを検討することが有効です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「NEGALESS」の欧文字と「ネガレス」の片仮名文字とを二段に横書きしてなり、第40類「布地・被服又は毛皮の加工処理(乾燥処理を含む。),裁縫,ししゅう,紙の加工,ゴムの加工,プラスチックの加工,食料品の加工,石材の加工,セラミックの加工,電気めっき,フライス削り,焼きなまし,焼き戻し,溶融めっき,剥製,木材の加工,映画用フィルムの現像,写真の引き伸ばし,写真の焼付け,写真用フィルムの現像,写真の合成又は修正,コンピューターによる写真その他の画像情報の処理・編集又は加工,製本,一般廃棄物の処分,産業廃棄物の処分,廃棄物の再生,グラビア製版,化学機械器具の貸与,ガラス器製造機械の貸与,金属加工機械器具の貸与,靴製造機械の貸与,写真の現像用・焼付け用・引き伸ばし用又は仕上げ用の機械器具の貸与,食料加工用又は飲料加工用の機械器具の貸与,製材用・木工用又は合板用の機械器具の貸与,製本機械の貸与,繊維機械器具の貸与,たばこ製造機械の貸与,廃棄物圧縮装置の貸与,廃棄物破砕装置の貸与,パルプ製造用・製紙用又は紙工用の機械器具の貸与」を指定役務として、平成10年5月14日に登録出願されたものである。

2 原査定における拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、『ネガ(フィルム)の無い』のごとき意味合いを想起する『NEGALESS』の文字及びその表音である『ネガレス』の文字を書してなるところ、指定役務との関係において、昨今、フィルムの消費が全くない、『デジタルカメラ』が普及されているのが、実状であり、そして、デジタルデータとしてデジタルカメラやコンピューターなどに、記録されている写真をデジタル写真と呼び、そのデジタル画像の写真プリントを注文から短時間で受け取ることができる『現像・焼き付け、引き伸ばし』システムが開発されているのが実状である。そうとすれば、これを、その指定役務中、前記文字に照応する役務、例えば『デジタル写真の焼き付け・引き伸ばし・合成又は修正、コンピュータによる写真その他の画像情報の処理・編集又は加工』等に使用したときには、単に役務の質(内容)及び提供の用に供する物を表示するにすぎず自他役務識別標識としての機能を有しないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断して本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1)本願商標は、「NEGALESS」及び「ネガレス」の文字よりなるところ、その構成中前半の「NEGA」及び「ネガ」は、「ネガティヴ(negative)の略、ポジに対する語で、写真の陰画、白黒フィルムの原板」の意味合いを表した語であり、後半の「LESS」及び「レス」は、名詞につけて「・・・のない」の意味合いを表した語であって、例えば、「cloudless(雲のない)」、「homeless(家のない)」あるいは、「paperless(書類のない)」のように使用されているものである。

また、最近では、ネガがなくても写真などから直接焼き増し・プリントができるような状況があり、それを「ネガレス」あるいは、「ネガなし」と称していることは、例えば、以下の新聞記事情報及びインターネットのホームページ情報より認めることができる。

(ア)新聞協会の技術賞 読売新聞社の「ワープロ辞書の作成」など3点、日本新聞協会の電気通信委員会(加盟50社)は、平成六年度報道通信技術賞に、読売新聞社の「ワープロ辞書の作成」、産経新聞社の「ネガレス画像データーベースの開発」、日刊スポーツ新聞社の「案内広告代理店支援システムの構築」の三点を選んだ。また、同協会工務委員会では、新聞技術賞に読売新聞社の「新出力システムの開発と見開きプロッターの実用化」など十件を選んだ。(1994.07.16読売新聞社 東京朝刊30頁)

(イ)本社「ネガレス画像データベース」 報道通信技術賞を受賞・・・産経の「ネガレス画像データベース」は、画像集配信装置と双方向でつながる画像データベース。新聞社の写真原稿は、自社が撮影しフィルムを所有するものと、内外の通信社から配信されるものに分けられる。このうち配信写真は元になるフィルムを持たず(ネガレス)、電送で受けるので、受信画の保存が極めて重要になる。これまでは印画紙の形で保存していたが、年月の経過による劣化や変色、さらに紙面のカラー化による印画紙量の増大(モノクロの三倍)で保管場所の確保に苦労するのが実情だった。そこで画像データを十分の一程度に圧縮し、光磁気ディスクに保存するのが「ネガレス画像データベース」。一枚のディスクに外電カラー写真が千枚以上保存でき、検索情報を入れることで後日、使用するときも必要な画像を簡単に探し出すことができる。九日の金日成主席死去の場合も、ニュースが入ってきたのは夕刊締め切り間際だったが、「金日成」という項目の検索で、関連写真数十枚をすぐに引き出せ、必要写真を紙面に利用できた。このシステムを開発した産経写真部では「ネガレス画像だけでなく、自社の資料写真の保存にも利用できるので、次は自社画像データベースの完成を目指したい」と言う。(1994.07.15産経新聞社 東京朝刊14頁)

(ウ)ネガのない写真でも、高画質に焼き増し致します。式場で撮影した写真、もう焼増しできないと思っていませんか?ネガなし写真の焼増しは「シオノギャラリー」へお任せ下さい!プリント一枚600円?...お受け致しております。ご親族への焼増しに最適です。高性能な機械と技術を駆使しているため、ネガ無しでもほとんどネガからの現像に等しく仕上がります。特に黒が鮮明に出るため、グラデーションがはっきりと分かります。他社と比較してみて下さい!当社の自信作です!!以前に撮影されたものでも、また、結婚写真に限らず、「七五三」「成人式」のお写真もOKです!(http://www.siono.co.jp/print/print_1.htm)

(エ)ネガがなくてもお持ちの写真や印刷物などからプリントが出来ます。拡大、縮小ももちろん出来ます。インスタントカメラの写真もOK。傷んだり、変色したネガなし写真もデジタル修正できれいに!(http://www4.ocn.ne.jp/~mochi-st/copy.html)

(オ)ネガなしプリント(プリントからプリント)ネガがないような古い写真も複製できます!!(http://www6.ocn.ne.jp/~umeda-f/tokushiyupurinto.html)

(カ)カラープリント出力 35mm?4×5判のフィルム、またはネガなし原画からのデジタル出力・・・この他、ネガの失われた古い大切な写真のレタッチや複製も、デジタル技術を駆使して対応。ぜひご利用下さい。(http://www.d1.dion.ne.jp/~polaris_/photo.html)

(2)そうしてみると、「NEGALESS」及び「ネガレス」の文字よりなる本願商標が、その指定役務中「写真の引き伸ばし,写真の焼付け,写真用フィルムの現像,写真の合成又は修正,コンピューターによる写真のその他の画像情報の処理・編集又は加工」について使用された場合、これに接する取引者、需要者は、上記事情よりして、「ネガのない、フィルム原板のない」との意味を認識して、これを単に役務の質(ネガがなくても写真や画像を焼き増し・プリントすることが可能であること)を表示したものと理解するに止まり、自他役務の識別機能を果たし得ないものと判断するのが相当である。

また、上記役務以外の役務に使用した場合には、当該役務の質について誤認を生じさせるおそれがある。

(3)したがって、本願商標は商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、本願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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