Trademark Appeal Case
称呼の要部抽出と類似性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成11年審判第2955号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、第3類「せっけん類、香料類、化粧品、歯磨き」を指定商品として、平成9年9月16日に登録出願されたものである。
2 当審において通知した拒絶の理由
平成14年9月9日付けの拒絶理由通知書おいて、本願の拒絶の理由に引用した登録第4079086号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、第3類「せっけん類,香料類,化粧品,歯磨き」を指定商品として、平成5年8月4日登録出願、同9年11月7日に設定登録されたものである。
3 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は、別掲(1)のとおり、「美術、芸術」等を意味する英語として、わが国の一般世人の間に広く知られている「ART」の文字とその表音文字を表す「アート」の文字よりなるものであるから、これより「アート」の称呼を生ずるものであって、「美術、芸術」の観念を生ずるものである。
(2)引用商標について
引用商標は、別掲(2)のとおり、「ART SERIES」の文字と「アートシリーズ」の文字を上下二段に書してなるものであるところ、その構成中の「ART」、「アート」の文字部分は、本願商標と同様に、「美術、芸術」等を意味する英語として、広く知られている英語及びその表音文字であるといえる。また、引用商標中の「SERIES」、「シリーズ」の文字部分は、「連続、ひと続き」等を意味する英語及びその表音文字としてよく知られ、各種商品を取り扱う分野において、先に発売した新商品が好評であったなどの理由により、該先発の商品と連続性をもつ一連の商品群の意味を表す、いわゆるシリーズもの商品について、普通に使用されているものである。
してみると、引用商標は、全体として親しまれた熟語的意味合いを有するものとは認められないばかりでなく、上記した「ART」、「アート」の文字部分が一般世人によく知られている語であり、「SERIES」、「シリーズ」の文字部分が商品の販売方式等を表示するものとして普通に使用されている実情からすると、「ART」、「アート」の文字部分と「SERIES」、「シリーズ」の文字部分の間には、商品の識別標識の点において軽重の差を有するものといわなければならない。加えて、引用商標は、その構成中上段に位置し、看者の注意を惹く「ART SERIES」の文字部分において、「ART」と「SERIES」との間に1字程度の間隔を有することも相俟って、引用商標をその指定商品について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、「ART」、「アート」の文字部分に強く印象付けられるというのが相当である。
そうすると、引用商標は、これを構成する文字全体を称呼した場合の「アートシリーズ」の称呼のほか、「ART」、「アート」の文字部分より単に「アート」の称呼をも生ずるものであって、「美術、芸術」の観念をも生ずるものといわなければならない。
(3)本願商標と引用商標との対比及びこれらの指定商品について
本願商標と引用商標とは、前記したそれぞれの構成よりみて外観上の差異を有するものの、前記(1)及び(2)で認定したとおり、「アート」の称呼及び「美術、芸術」の観念において共通する類似の商標であり、また、両商標は、いずれも「せっけん類、香料類、化粧品、歯磨き」を指定商品とするものである。
したがって、本願商標と引用商標とを、それぞれの指定商品に使用した場合には、その取引者、需要者をして、商品の出所について誤認混同を生じさせるおそれがあるものというべきである。
(4)請求人の主張について
請求人は、平成10年異議第90574号事件の商標登録異議の申立てについての決定を参考資料として提出し、上記登録異議の申立て事件において、請求人は登録第4079086号商標(本件における引用商標)に対し、「ジュジュアート」の片仮名文字を縦書きしてなり、第3類「香料及び他類に属しない化粧品」を指定商品とする請求人所有の登録第558581号商標を引用して、登録第4079086号商標は商標法第4条第1項第11号に該当することを理由として、登録異議の申立てを行ったところ、その異議の決定は、登録第4079086号商標からは「アート」の称呼は生じない旨認定し、請求人所有の上記「ジュジュアート」商標と登録第4079086号商標とは類似しないとし、登録異議の申立ては理由がないとの判断をしたものであるから、本願商標は、引用商標とは称呼、観念及び外観において非類似の商標である旨主張する。
しかしながら、出願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するか否かを判断するため、既登録商標との類否を考察する場合には、対比する2の商標について個別具体的に行えば足りると解されるところ、上記登録異議の申立て事件において、「ジュジュアート」商標と登録第4079086号商標(「ART SERIES/アートシリーズ」)とが非類似とされたとしても、該事例における対比する2の商標と本件における対比する2の商標とは、その構成態様において異なるものであることに加え、「SERIES」、「シリーズ」の語が商品の取引においてその販売方式等を表示するものとして使用されている実情を考慮すると、本願商標と引用商標とをそれぞれの指定商品について使用した場合は、需要者等をして商品の出所について誤認混同を生じさせるおそれがあることは、前記認定のとおりである。したがって、請求人が挙げる上記事例が存在することをもって、本願商標と引用商標に係る前記類否判断が左右されるものではないから、請求人の主張は採用することができない。
(5)以上のとおり、本願商標は、引用商標と商標において類似するものであり、かつ、その指定商品も引用商標の指定商品と同一のものと認められるから、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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